<39>時間差
アレをして、そのあとコレをするか、コレをして、そのあとアレをするかの時間差によって寛ぎ気分になれる、なれないの差が生じることがある。要するに、アレとコレをする難易度の差によって生まれる時間差が、寛ぎ気分にさせるかさせないか、を左右するということだ。どうせやらねばならないのなら、時間差を効率よく使って寛いだ方がいいに決まっている。^^
満月ホールディングス本社オフィスに勤める若い山城と篠崎は、同じフレックス・タイムB勤のシフト日だった。満月ホールディングスの勤務体系には日勤、中勤、夜勤、16勤[2日分の勤務]、そしてフレックス・タイムA勤、B勤が存在した。日勤は午前九時から午後五時まで、中勤は午前十一時から午後七時まで、夜勤は午後一時から午後九時までの拘束時間勤務である。フレックス・タイムA勤、およびB勤は、A勤の場合、24時間[1勤務日]以内の都合がいい8時間という拘束時間があるのに対し、B勤はノルマ制で、24時間[1勤務日]以内であればいつ勤務についてもよく、やり終えれば以降の時間は休日扱いとなる勤務で若者に大層、人気があった。
フレックス・タイムB勤の山城は午前零時の深夜からやり始め、早くやり終えて、次の日の週休を利用して二泊三日の旅に出ようと計画していた。やり終えればB勤はそれ以降が拘束から解き放たれるからである。一方の篠崎は山城の逆で、先に旅を終え、あとから勤務しよう…という考えだった。
さて、皆さんはどちらの考えが結果としてよかったか、お分かりでしょうか?^^
正解は山城の判断で、ノルマの勤務を果たしてからゆったりとした寛ぎ気分で旅を楽しめたのである。一方、篠崎の方は早く旅には出られたが、後々(あとあと)勤務するノルマが心に影響して、ゆったりした寛ぎ気分の旅を楽しめなかったのである。
勤務のノルマを果たしてから旅に出るか、旅をして勤務のノルマを果たすかという時間差によって、寛ぎ気分に大きな差が出たというお話です。皆さんもご参考に…。^^
完