<23>なるようになる
物事は、なるようになる・・と考えれば、小難しい事態が起きたとしても、それほど緊張せず寛ぎ気分で対応できる。だが、このように冷静に思える人は少なく、こんな人が国のトップに立てば、国は大いに栄えることだろう。今のトップの方々はどうなのか? は、敢えて言わないことにしたい。^^
山吹は判断を迫られていた。
「先生、どうされますか?」
「ははは…ドウもコウもないよ、君。私が地方本部に正論を言ったって、地方本部は党本部から釘を刺されとるんだ。私の正論が通る訳がなかろう」
「ええ、まあ、そうなんでしょうが…」
「私は党の公認が得られなくても出るよ、君」
「党本部は、どうも刺客の新人を送り込むという情報が入りました」
「ははは…望むところだな。コトはなるようになるさ、君」
次回の衆議院選挙で党本部の公認が得られなくなった国会議員の山吹は慌てることなく選挙参謀にそう返した。
そして衆議院選挙が行われる日が巡った。その夜、即日開票の選挙結果を見守る選挙参謀が山吹の部屋へ駆け込んできた。
「せ、先生っ! と、当選確実が…」
「んっ?」
「当選確実が出ましたっ!」
「…誰の?」
「先生ですよ、先生っ!」
「ああ、そうなの。なるようになったね…」
山吹は好きな大福餅を頬張りながら茶を飲み、寛ぎ気分でそう言った。
物事は慌てても喚いても、変化することがない。山吹議員のように、なるようになる…と落ち着くことが大事なようです。^^
完