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<20>考え方

 考え方の違いで(くつろ)ぎ気分になれるか、なれないかが変化する。おおよそ、軽く陽気に物事を考えた方が上手くいきやすい傾向にある。失敗しても、ははは…と笑い飛ばせるポジティブ思考なら、心は寛げるだろう。逆に考え方が陰に籠って物凄く、グォ~~ンと鐘がなるようなら、これはもう寛ぎ相場の話ではない。て、敵は本能寺にありっ! などという狂気じみた事態にもなりかねないから注意が必要だ。

 尾田工業グループの本社部長、橋場の身体は疲れていた。だが、社長室に入る橋場の心は健康で、闘志を(みなぎ)らせていた。社長に指示された倉浅工機の回収命令のマル秘戦略を、ついに完成させ、あとは実施段階にまで漕ぎつけたのである。

「完成しました、社長っ!」

 橋場はシミュレーション・ファイルを尾田に手渡し、深々と一礼した。

「おお、そうか…よくやったな。あとは他の専門スタッフにやらせるから…」

 手渡されたシミュレーション・ファイルを大雑把に捲って確認し、尾田は満足げに返した。

「ははっ!」

「今回の君の手腕には役員会も驚いておったぞ。次期専務に私が推挙し、君に決定した。来週にも人事部から辞令が下りるだろう」

「あ、有難うございますっ!」

 考え方が軽く陽気な橋場は尾田と馬が合い、派遣社員から正式社員→係長→課長補佐→課長→部長とトントン拍子に破格出世し、ついに専務の座を射止めたのである。一方、支社長から栄転した重く陰気な開地は、すでに常務となっていたが、性格が災いし、尾田と折り合いが悪く、なかなか寛ぎ気分にはなれない男だった。

 この先、二人の出世競争がどうなっていくのか? は、歴史を知っておられる皆さんなら、よくお分かりのことでしょう。^^

 寛ぎ気分になりやすい人は出世する傾向があるようです。^^


                  完

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