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<19>マッサージ
寛ぎ気分を得るための方法の一つにマッサージがある。平たく言えば按摩である。効果をより一層、高めるには風呂上りがいいようだ。
一谷は疲れを解そうと、いつも通っているマッサージ専門店[HOGUSI]の店内で整体師に揉んでもらっていた。
「一谷さん、今日はいつになく凝ってますね…」
「だろっ! ここ最近、会社が業績不振で、その分、余計に動き回ってるからね…」
「…でしたか。…この辺り、どうです?」
「ああソコソコ…」
整体師が凝りのツボを揉むと、一谷は有無を言わさず肯定した。しばらくアレコレと揉んでもらうと、一谷の寛ぎ感は否が応にも高まっていった。
「…ココが凝ってますな…」
「ああソコソコ…」
一谷は、ああソコソコ…を繰り返した。
「景気は、どうです?」
「今一ってとこだね。うちの上層部も、もう少しツボを知らないと…」
「一谷さんがお疲れになられますか…」
「ああ…」
マッサージは人だけではなく、ツボを揉まれることで楽になり、寛ぎ気分を得られるのである。^^
完