<15>順序
久しぶりに晴れた梅雨のとある早朝、餅川は悩んでいた。畑仕事をしてからシャワーをするか、それとも先にシャワーをしてから畑仕事をするか? の二択である。^^ 取り分けて悩むほどのことでもないのだが、餅川は悩んでいたのである。真夏ではないから、晴れた梅雨の早朝は気温がまだ低めで、冷んやりしている。その冷気漂う早朝が餅川の判断を揺るがせたのだ。餅川は決断した。先にやってしまおう! と。三河を攻めるか美濃を攻めるか? という信長公の判断ではない。^^ ただ、餅川は継続した寛ぎ気分を手に入れたかったのである。天下ではない。^^
ほぼ畑の掘り返し作業が終わった頃、日が昇り始めた。すでに七月の陽光は強く厳しい。俄かに気温が高まったのである。当然、餅川の体に汗が滲み始めた。
『シャワーをあとにしたのは正解だったな…』
餅川は畑仕事を終えると、着替えの下着をクローゼットから出し、ニンマリした顔で浴室へと向かった。餅川の判断は正解で、寛ぎ気分を継続して手に入れることに出来たのである。めでたし、めでたし…。^^
完