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《答え合わせ》

州兵の隊長に連れられて、いよいよダンジョンの抜け穴がある場所へと赴くパーティー。果たして抜け穴は何処にあったのか……?

メンバーが見取り図と格闘し始めて、三十分くらいが経ったろうか。平穏な顔に戻った隊長がやって来た。


「お待たせしました。これから抜け穴を通って、外へご案内します。ついて来てください」


「おう、ようやっとか。待ちくたびれたぜ」


ゲルドーシュが、ヨッコラショと腰をあげる。皆もそれに続く。それぞれ予想した抜け穴の場所が、果たして当たっているかどうかわかるとあって、三人の顔は期待に満ちていた。


最下階から地下7階、6階とボクたちは来た道を戻っていく。つい先日の出来事が、もう何週間も以前のように感じられた。


「おい、まだなのかよ。抜け穴は」


地下5階まで来たところで、しびれを切らしたゲルドーシュが文句を垂れ始める。


「もう少しですよ」


隊長が穏やかに応える。そして地下4階への階段を上り、暫く行ったところで隊長の足が止まった。


「さぁ、ここです。ここに抜け穴があります」


隊長の言葉に、ボク、ポピッカ、ザレドスは納得顔であったが、ゲルドーシュだけがキョトンとした表情をしている。


「は? ここが抜け穴? 本気かよ。だってここは、この階の”安全地帯”じゃないか」


「やっぱり、ここでしたのね」


「やはりね」


不満たらたらのゲルドーシュを尻目に、僧侶と細工師が頷いた。


「おぉ、さすがですな。ここだと予測していましたか」


隊長は、もう何が起きても驚かないぞ、とばかりにニコやかに笑う。


「あぁ、案の定、壊されてますね」


ザレドスが、床に落ちている何かの破片を見て呟いた。


「壊されてるって、何が?」


ゲルドーシュが、ザレドスの視線の先を追う。


「安全地帯の前に設置した、ダミーの魔使具ですよ。妨害者をけん制する為に、各階の安全地帯の前に設置したでしょ」


「あれ? でも、それはおかしいですわね。ダミーとは言っても、誰かが近づけばザレドスが持っている受信機からアラームが鳴る仕掛けなのでは?」


ポピッカの指摘に、ボクも頷いた。


「それなんですがね。さっき確認したら受信機が壊れているようなんですよ。多分、あの時……。ほら、魔獣戦の際にゲルが私を思いっ切り投げ飛ばしたでしょう?」


ザレドスの解説に皆、納得する。


なるほど。だから妨害者がこの安全地帯を通った時に、何も反応がなかったわけだ。まぁ、妨害者にしてもボクたちの死は確実だと思っていただろうから、遠慮なくダミー魔使具を壊したって事だろう。


「それで兵隊たちが外から来て、ここを通っても、アラームが鳴らなかったんだな」


ゲルドーシュが、すかさず考えを巡らした。


皆の会話をひとしきり聞いた後、隊長が安全地帯へのゲートを開き、全員がその中へと入っていく。


そうすると、どうだろう。部屋の一番奥にある戸棚がどかされており、その後ろの石壁が、扉のように開いていた。恐らく扉を閉めれば壁の一部の様に見えるに違いないし、再び開ける為には何らかの仕掛けがあるとみえる。


「さぁ、どうぞ。少し暗いので足元に気を付けて」


注意を促す隊長の後に続き扉を通り抜けると、そこには薄暗い空間が広がり、少し先には上へと昇る階段が設置されていた。


「はぁ~、こんなものが……」


細工師の性が頭をもたげたかのように、ザレドスの目はキラキラと輝いている。きっと後で隊長に頼み込み、詳しく調べさせてもらうんだろうなぁ。


階段室には幾つかの照明用の魔使具が設置されており、それは青白い灯火を放っていた。ボクたちは階段を踏み外さないよう、慎重に地上への通路をひたすら昇る。


「ところでよ。みんなは抜け穴の場所を分かってたようだけど、なんでわかったんだ?」


自分だけ抜け穴の場所を見抜けなかったゲルドーシュが、素直な疑問をぶつけてきた。


「まだわかりませんの? 相変わらずノンビリとした脳みそを持っていらっしゃるわね」


「おいこら、ふざけた事を言ってんじゃねぇぞ。なら、どうしてお前にはわかったのか、納得のいく説明をしてもらおうじゃねぇか?」


ポピッカの悪態に、戦士がさっそく応戦する。


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