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《それは何処に?》

兵隊に伴われ、取りあえずダンジョンの安全知多地へと戻った一行。話題はやはり、何といっても抜け穴の事であった。それが何処にあるのか、なぜ気が付かなかったのか。

ボクたちは兵隊に導かれ、地下8階の安全地帯へと戻っていった。中へ入る前に、ザレドスが仕掛けた罠を解除する。


「あぁ、疲れた」


ゲルドーシュがソファーに、どっかと腰を下ろした。皆疲れているのは同じだが、事を成し遂げた後の充実した疲労感であった。


「さて、これからどうなるんでしょうねぇ」


ボクとポピッカが用意したコーヒーをすすりながら、ザレドスが口を開く。


「どうって、何が?」


何処からか見つけてきたスナック菓子を頬張るゲルドーシュが尋ねた。


「うん、そうだよねぇ。事態は今、ゼットツ州とボクら、双方にとって思いもよらない方向へと進んでいる」


「だから、何がだよ」


戦士が、重ねて疑問を呈した。


「ゼットツ州からすれば、ガスラムをまんまと捕まえられたのはいいけれど、抜け道とか魔獣とか、予想だにしなかった問題が勃発している。上は相当混乱してるだろうね」


まず、ボクが答える。


「それに私たちにしても、突然救助が来るし、スタンが言ったように上の対応次第でどうなるかわかりませんわよ。


ゼットツ州からすれば、夢にも思わなかった事態ですものね。まぁ、事が事だけに、闇から闇って事はないでしょうけれど、色々と面倒な事になる可能性は大ですわ」


「そんなもんかねぇ」


ボクを引き継いだポピッカの説明に、気のない返事をするゲルドーシュ。


「それにしても、抜け穴とは思いつきませんでしたな。知識としては知っていましたが、極限の緊張状態の中、まるで失念していました」


「そうそう、それ。抜け穴だよ、抜け穴。抜け穴が何処にあるかは知らねぇけどよ、ザレドスは気づかなかったんか?」


ゲルドーシュの質問に、これは藪蛇だったかと細工師が苦笑する。


「面目ない。頭に無かったっていうのもそうなんですが、それにしても全く検知出来なかったというのが自分でも不思議です」


ザレドスはそう言うものの、実を言うとボクには一つだけ心当たりがあった。もっとも何一つ証拠はないので、今は話さない事にしておこう。どの道、すぐにわかる話である。


「あ、スタンはもしかして心当たりでも?」


「え、そうなんか? なんだよ、もったいぶらないで教えてくれよ」


ボクの表情を見て、ポピッカが鋭い指摘をし、ゲルドーシュが畳みかけた。


今にして思えば、それはあそこしかないとは確信しつつも、外れたらゲルドーシュに何を言われるかわからない。


「私も、是非知りたいですね」


珍しく細工師が、戦士を応援する。


「う~ん。もちろんこれは、只の推測だよ。ヒントは迷宮の見取り図にあると思うんだ。もっとも、抜け穴があるって前提での話だけどね。まぁ、今これ以上言うのはやめておこう」


「え? 見取り図から読み取れるって事ですの?」


半分はぐらかしたボクの答えに、ポピッカが食いついてきてしまった。そして皆、各自が持っている見取り図を引っ張り出して睨めっこを始めた。


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