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《天啓》

ダンジョンの秘密が明かされた時、スタンが、ここへ向かう時から感じていた違和感の正体が判明する。

「……抜け穴ですか、決して予測できない話ではありませんでしたが、結果としては余りに意外です。


あ、ただ今のお話からすれば、その抜け穴が見つかったのは、今からすぐ前の事ですよね。それ以前に見つかっていれば、とっくの昔に救出に来て頂いていたと思いますから」


ボクは素直な疑問を口にした。


「えぇ、その通りです。詳しい話は上官の許可を得てからでないと話せないのですが、我々はある場所でガスラム……あぁ、州付きの魔法使いであなた方の言う”妨害者”ですが、彼を見つけたのです。


そこで彼を尋問したのものの、理にかなわぬ弁明を繰り返すだけでした。そこで周囲を捜索すると、このダンジョンに通じる抜け穴を発見したのです。本来ならば上官に指示を仰いでから捜索するのが定石ですが、私の独断で先へ進みました」


隊長の言は、聞きようによってはボクたちに恩を売るような発言にも取れるだろうが、今は素直に感謝をするのが妥当だろう。


「皆さんは”では何故、彼を見つけたのか。州兵はそこで何をしていたのか”と思われるしょう。もっともです。これも今は詳しく言えません。ただ、以前から彼をマークしていたのです。ところがいつも同じような場所で見失ってしまう。


そこで今回、くだんの場所で大掛かりな網を張っていたところ、見事に引っ掛ってくれたわけですよ」


未だ五里霧中のボクの頭に、天啓が降り立った。


”囮”


ボクたちは囮だったのではないか? 妨害者ガスラムをおびき出す為の!


ディティールははっきりしないものの、ゼットツ州へ向かうビークルの中からこっち、正体のわからなかったモヤモヤの一端が少しずつ晴れて行く感覚をボクは覚えていた。


楽な任務に見合わぬ手練れのメンバー。異例の報酬。そして何より”よそ者”の集団である事。ボクらが囮であるならば、いちいち合点のいく事ばかりである。


何が起こるかわからないので、高いレベルの冒険者が必要だ。またガスラムが何となく怪しいと思ってはいても、最深部の謎が解けていない以上、そちらの解決も不可欠であろう。それが成せる者達が欠かせない。


また州がガスラムを疑っていたのなら、内部の人間を再調査に使うわけにはいかない。彼らの動向はガスラムに筒抜けになってしまうからだ。よって囮は部外者でなくてはならない。そして高額の報酬も、囮という目的が露見した後の、口止め料を含んでいると思えた頷ける。


隊長の目を気にしつつ、ボクは後ろを振り返った。恐らくゲルドーシュ以外のメンバーは、ボヤッとでもこの事実に気がついているようだった。


「スタン、ちょっといいですか?」


ザレドスがボクを呼び、耳打ちをする。


「そうだな。ザレドスの方から説明してくれ」


ボクはザレドスを促した。


「隊長さん。先ほどガスラムを捕まえた時、理にかなわない弁明をしていたと言いましたよね。当然、抜け道を使って、ダンジョンを行き来していた事も白状はしていないのでしょう?」


「あぁ、そうだが……」


ザレドスの意図を計りかね、隊長は疑問に満ちた表情を見せる。


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