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《ポピッカの”あれ”》

魔獣攻略の秘密が明かされた所で、今度はポピッカの出した”あれ”について、その秘密が皆の前に明かされる事になる。

「ビートブラックパイって、”鼓動する黒いパイ”って訳せるだろ? 黒いパイってのは文字通り、あの黒い斑点の事だよね。じゃぁ、鼓動するっていうのは……」


「おぉ! あん時、八つある黒斑点の内、一つだけが波打ってた。それが本物っだったわけだがよ、その”波打ってる”ってのが”鼓動する”って事か!」


珍しく戦士がいち早く理解を示した。


「あぁ、なるほど。あの名前は、黒い斑点が波打つ、鼓動する様子をそのまま表していたんですね。奴の弱点にあの名前を付けた人は、そこまで考えていたわけだ」


ザレドスが戦士に続く。


「だけど、なんであの黒斑点が鼓動するんですの?」


僧侶が割って入る。


「既にご存じの様に、あの黒斑点はマジックエッセンスを外部から取り込む器官であり、全ての内臓に直結しています。ですからもし内臓に深刻なダメージがあれば、あの黒斑点も何がしかの変化をするのは道理というわけですよ」


「それが、鼓動、すなわち”ビート”というわけですのね」


細工師の追加説明に僧侶が納得する。


「いや、全くその通り。ボクもビートブラックパイっている名前の暗示するところから、内臓に何かあれば必ず黒斑点にも何かが起こると思ったんだ。だから、今回の場合”内臓に無理やり何かをして”強制的に鼓動を起こさせようと考えたわけさ」


ボクは核心に触れる。


「つまり、何か反応がある黒斑点が本物だと……」


「なるほど、それで奴に対して毒の効果を与えたのですわね。癒しの魔法を反転させた毒は、特定の器官ではなく全ての内臓にダメージを負わせますからね」


ザレドスとポピッカは全てを理解したようだ。


「で、そこを俺様が見事にぶち抜いたわけだ……。さてと、じゃぁ、やっと”あれ”について話してもらう時が来たようだな、ポピッカ」


待ちくたびれたように、ゲルドーシュがポピッカの方を向いた。彼女としても、もうダンマリを決め込む事は出来まい。実際のところ、ボクもザレドスも興味津々である。


「あ、あれはですね。私の使役獣というかなんというか……」


ポピッカが、しどろもどろで話し始める。


「でもよ、お前、あん時”魔法は使っていない”って言ったよな。つまり召喚魔法で呼んだわけじゃないって事になるぞ」


ゲルドーシュの鋭い突っ込み。ポピッカは、何か話しづらそうだ。


「そう言えば、あの時”神剣王、スウォードルの血において~”って、言ってなかったっけ?」


ボクは話の潤滑油となるべく助け舟を出す。


「ス、スウォードル!? そりゃ、どういうこったい。スウォードルと言えば……」


「伝説の剣聖、かつて四大精霊に認められて世界の半分を統治したという!」


ゲルドーシュの驚きを遮るように、ザレドスが二の句を継ぐ。


「ちょっと待て、ザレドス。そりゃ、俺が言うセリフだよ。スウォードルと言ったら、戦士の間では正に神様みたいな存在だぞ。


ポピッカ、おめぇ、まさか伝説の剣聖と何か関係があんのか!?」


ゲルドーシュが珍しく、あたふたとしている。多分、奴の婚約者テラフィーに懐妊を告白された時より驚いてるんじゃないかな。


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