表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フェンリルに転生した俺、人間に復讐を決意します  作者: アイスマシーン
聖なる光を放つ聖剣の意
9/115

09 フローズヴィトニル(廻る力の目覚めを待つ狼の意)

 それから行ったのは死んだエルフたちの弔いだ。

 全員の死体を集めて燃やす。

「ごめんなさい、こんなことしか出来なくて……」

 ノアが悲しそうな声で呟く。


「ノア、人間に復讐はしたいか?」

「……ええ、もちろん。でも私はそれより、貴方に恩を返したいかな」

「私にか?」


「貴方が私たちにくれたものは生だけじゃない。これからの目的、生きる意味をくれた」

「だから私は貴方の為に戦うよ」


「……私が私の為にしたことだ、お前たちを、利用しようと」

 ノアは首を横に振る。そして彼女は微笑む。

 その笑顔を見て私は少し恥ずかしくなってノアからはなれた。



 さて、これからどうしようか。

 そう思った時アリューが示してくれた。

「ねぇ、住処はどうする。まずはそこからじゃない?」

 確かにそれは必要だろう。


「アリュー、前みたいに作れないの」

「んー地下にねぇ、できない事は無いけど。君が僕に依存して欲しくは無いしな~」

「もう既に手遅れ、お願いアリュー」

 そう言うとアリューは諦めたようにため息をつくと。


「分かったよ、しょうがないな」

 アリューは魔法を展開し地面を隆起させていく。

「これで、いい?」

 そう言い終わると同時に目の前には地下へと続く階段が出来ていた。

「うん、ありがと」


 これで、ここを拠点とする事が出来る。

 エルフたちの弔いが終わり次第ノア達を連れてこよう。


 ★


 拠点をノア達に案内すると皆驚いている様子だった。

「地、地下にこれを?さっきの時間で」

「びっくり、なのよ」

 アリューは魔法を使い地下に拠点を作った、それはただ穴倉を作っただけではない。

 洞窟内は明るくなっているし。

 壁も床もしっかりと石畳で舗装されており天井も高く広い。

 それだけじゃなく部屋もかなりの数があり、風呂場や調理場など生活に必要なへやもしっかりある。

 アリの巣と例えるのは嫌だが形としては近いだろう。

 この広さならかなりの人数が生活できるだろう。六人じゃかなり広いくらいだ。


「これ全部貴方が作ったの?」

「違う、これはアリューが作った」

「アリューって精霊の事?」

「そう、と言うかアリュー話してあげなよ、翻訳魔法を使えばできるでしょ」


「ああ、そうだね。こんにちは、僕はアリューよろしくね」

 そう言うアリューは恐らく魔法を使ったんだろう姿を変えて見せた。

 その姿は小さな子供だった。

「……可愛い」

 サーシャが思わずと言った感じで声を上げる。

「ふふん、そうだろう。もっと褒めてくれても構わないんだよ」

 サーシャは可愛さにやられたのかアリューに抱き着き撫でている。

「ん~いい子だね。でもそろそろ離してくれると嬉しいな」

「……」


 サーシャは名残惜しそうにしながらも離れる。

「その姿、今日はそんな気分?」

 アリューと言うか精霊に決まった姿は無い、いつもコロコロと変わる。

 ちなみに今は10歳程の少年の姿になっている。


「まあね。たまには、だよ」

「あ、それと、僕の事は呼び捨てで良いからね」


「…いいのかしら精霊を呼び捨てなんて」

 そうエヴィリーナが疑問を口にする。

「別に気にしないよ。僕は自分が強いとは思っているけど。偉いとは思ってないんだよね」

「ふふ、分かったわアリュー」

「よろしい」

 そう言ってアリューは笑顔になる。

 その後は一人一人の部屋割りなんかの話をして解散となった。


 ★


 そして私は私の部屋にいる。アリューも居る。

「ね、あの子達、僕が鍛えるよ」

「うん、もともとそのつもり」

「やっぱり、まあ僕じゃないとマナの使い方は教えられないしね」

「うん」


 適当な返事を返して、私はあの男、恐らく勇者の事を考える。

 あの【聖なる光を放つ聖剣の意】触れたものを例外なく死に至らせるとか言う魔法。

 まずこれを防ぐすべを手に入れる必要がある。


「ねぇ、アリュー」

「ん?何?」

「あの男を殺せる方法を教えて欲しい」

 そう私が言うとアリューは魔法を使い私の記憶を読む。


「なるほど、ずいぶん無茶したね。ここまで来た理由がわかったよ」

「あの技、あれは無理だね。多分防ぐすべは無い、事もないよ」

「どういうこと?」


「覚えるべきは二つかな。一つ、君の魔術の覚醒、二つ、マナの核を使う魔法。卍天の習得」

「魔術……」


 魔法とは違うマナを流すことで発動する力。

 そしてそれは特別な者だけが一人一つ持つ


「私に魔術ってあるの?今まで使った事ないけど」

「使った事が無いんじゃなくて使えたことが無いんだと思うよ」

「どんな魔術?」


「君の魔術は■■■■■■■■■」


「それって強いの?そんなに強くなさそうだけど」

「まあそれは覚醒してからのお楽しみで」

「もう一つのほうは?」


「それはもっと難しいだろうね。マナの集合意識である僕ですら、この魔法を使うのは神経を削られるもの」


「でも、使えるようにならないとあいつは倒せないんでしょ」

「そうだよ、でもこればっかりは教えられるものじゃないからね」

「分かった、任せて」「うん、期待しているよ」

 決意を固め眠りにつく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ