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フェンリルに転生した俺、人間に復讐を決意します  作者: アイスマシーン
血の戦争
41/122

41.名の意味

「【罰天】」

 光線がセトを襲うがその光は包まれた金に反射される。

【悪金御来光】(くろがねごらいこう)!」


【悪金御来光】はセトの魔術である、その力は体から自然発生される金を自由自在に操れる。

形を作るのもちろんのこと、それを飛ばしたり、自分に纏わせ鎧にしたり、攻撃の武器や盾にする等幅広く応用が利く。


「光魔法は光を反射できる物体によっちゃあ意味を成さねえんだよな」


「ご忠告どうも!勝手な憶測でほざいてろ!」


四重詠唱

「【九天衝落:黒天】」


 黒い光は互いを結び槍となる。それをシータはセトに飛ばした。

「お前、重複詠唱も使えんのかよ。【悪金御来光】!」


 セトがそう言うとセトの目の前に金の盾が現れる。

セトはこれでシータの魔法を反射するつもりだった。

だが、その盾は黒い光に真正面から裂かれ貫通される。


(は?おかしいだろ……ちっ実体を持ってやがるこの魔法)


そして黒い槍は避けようとしたセトの左腹を貫き、そのままセトを地面に押し付ける。

「ハハハ、大口叩いてイキってたくせに随分簡単に倒れるなあ!」

セトは立ち上がり回復魔法を自分にかけた、分かり易い怒りの表情を浮かびあげシータの方を向いた。


「はっ黙れよ、俺を誰だとも知らねえでマウント取ってんじゃねえぞ。クソガキが」

「【火雷緑王】」

セトが体に緑色の雷を纏わせる。

「死闘はラウンド2まであるのが、一番上がるよなあ!」

「私が勝つシナリオならそうだろうな!」

そう二人が言い終わると同時にセトの姿が消える。


(転移魔法!マナの動きをよく読めば……どこだ)

「ここだ、クソガキ!」


 セトがシータの後ろに現れる。

右前足を振り上げ雷を纏った強靭な爪でシータを八つ裂きにする。

それを四重の結界魔法で防ぐが結界は貫通され咄嗟に身を守ると両腕と腹に深い裂傷を負った。

「良く防いだな!だがこれはどうする?」

セトの尾には金の槍が二本あった、それはシータの体めがけて飛んでいく。


 シータは急いで再展開した結界魔法で防ぐが四枚とも貫通されて何とか勢いを殺す。

そしてセトは左前脚を振り上げていた。

「おかわりだ!」

(避けられない、せめて結界魔法を元に戻す!)

シータは発動中の結界魔法を強化し元の状態に戻す。


 シータはセトの爪による攻撃を結界魔法で防いだ、だが勢いは殺せずにそのまま押し飛ばされる。

(セトは右利きだ、左は明らかに威力が落ちてる)

(だからギリギリで防げれた)


「名を知れ、名の意味をなクソガキ」

【万雷】(ばんらい)

シータの周囲に無数の雷の蕾が舞う。

「逃げ場ねえぞクソガキ、どうだ格の違いを知ったか?」

「思い知ったら拍手を送れ、万雷の拍手をな」

シータに向かって蕾は飛んで行く。


「なんだ、お前も使えんのかよ」

シータは転移魔法を使い蕾を避ける。

だが、転移した場所には既にセトが構えていた。

「【悪金御来光】」


金の剣がシータを貫き地面へと押し付ける。

「な、言っただろ。格の違いを知ったかと」


シータはゆっくり立ち上がり。一言も声を発せず剣を抜く。

そして回復魔法を使い止血する。

「まだ足掻くか!お前じゃ俺には勝てねえんだよクソガキ!」


 今まで私は自分より能力が下の相手としか戦ったことがなかった。

それは私が強いからだ、だから油断した。

今までの殺し合いはただ魔法を使って力で勝り勝ってきた、ドルガにも武神にも戦術や技術で勝ったなんて驕ったことは一度もない。

ただいま初めて自分より能力が上の相手と対峙する、初めての事態にに私は酷く恐怖していた。


 だが、この恐怖が私に滾りをもたらす。

頭を使ってやる、頭を使って私より強いだけの奴らを殺す。

ああ、セト。精々踏み台にでもなってくれ!

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