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01 フローズヴィトニル(悪評高き狼の意)
読んで下さり誠に感謝です。
(うう、何だここ)
森の中。しかし、そこにあるのは木ばかりではなく、草も生えていたし、花もあった。
(あれ、確か車に跳ね飛ばされて)
俺は森にでも吹き飛ばされたのか?
思うように立ち上がれない体で周囲を見渡すと、そこには大きな狼がいた。いや、狼なんて生易しいものではない。
その巨体は俺を遥かに凌駕している。
(これあれだ、熊が食料を巣においてるのと同じ状況だ)
狼はゆっくりと近づいてくる。逃げようとしても体が動かない。恐怖に震えていると、狼は大きく口を開き――。
(あー駄目だな食われる。お疲れさまでした)
「ようやく起きたのね私の可愛い子供」
……は?
その狼の目に映る俺は同じ狼の姿をしていた。
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