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SOUKI Adventure—気炎万丈編  作者: 吉川 富郎
気炎万丈編—SOUKI Adventure Burst【1—25章】
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PHASE-2 (深緑に包まれる【風林火山】—後編)_part_A

 陽射しが上空を真っ赤に染め、蒸し暑い空気が大地を覆い、たとえそよ風が吹いても振り払うことができなかった。道の両側には『金色のカミオッケー』の生えた果樹が並んでいた。


 しかし、さらに彼女たちを驚かせたのは、この前に森の中で見た山が、今なんと巨大な火山に置きかえられたことだった。


 それだけじゃない、火口と周囲の地面の割れ目からは、怒りの角笛のように、熱い溶岩がときおり噴き出していた…


 生ぬるい『風』、見知らぬ森『林』、そして苛立つ『火山』地——

 いま三人が足を踏み入れたこの場所は、まさに正真正銘の【風林火山】であった……


「…いや待って…その先が、あん達の行くところなのか……ぁ、あははは……いゃ~お誘いありがとうな、その『情熱』、確かに感じていた(体も意志も)…でも私は、やっぱここで待っていたほうがいいと思うんだ…んじゃ、よく頑張ってな、お二人とも^^lll」


「こ…これは一体……コラッ、マルコ!」


「うひいぃ!!マ…マルコ何も知らないよ。だってあのお姉さんも、ここはこんな大きな火山があるなんて、教えてくれなかったんだもん……」


「…ったく、だからこんなに暑いんだ……で、これからどうする?まだ前に進むつもりなの?」


 今のトリーは尻込みするつもりでしたが、目の前の姉妹に二人の意向を確認した


「?!んなわけない!……はぁ~仕様がない…ほら、帰ろう……」

「へえー~そんな…じゃあ、フェニス兄さんのことはどうする?もう探さないの?」

「探すって…まさか見えないのか、この先の景色は。前に立ったの物は火山だぞ!か・ざ・ん!人はおろか、たとえ虫でも、こんなところに住もうとは思わないでしょう!!」


 ゴロゴロゴロ——!!まさか言葉が出た途端、遠くの火山が不満そうな怒号を出しました。周囲の雰囲気の異変を察知したリシアは、慌てて前方の火山に土下座して謝罪した。


「はい!すみませんでした!!」

「…お姉ちゃん…いま誰に謝ってるの?」


「…はぁ~本当に参ったなぁ……それじゃ、もう帰ると決めたんだから、その前に少し待ってて~」


 それから、トリーは前腕に装着した謎の装置を調整し始めました。


「?!トリー姉さん…何してるの?」


 彼女は爽やかな笑顔で言いました


「へへぇ~これから本気で果実を狩りますぞ!」


「?!そうだな。しかし…こんなことして、本当にいいかしら…」

 リシアは木の実を見ながら、こう言いました


「何か問題がある?ほら、どうせここの果樹にはたくさんの実がついているんから、一部を取って帰るだけでも別にいいんだろう?それに、熟れた実がいつまでも木にぶら下がっていたら、いずれ壊れてしまうだろうし、それなら勿体無いじゃん~」


「ぉお~トリー姉さんも言う通りですね。じゃあ、私たちも少し摘んで帰ろうか^^」


「えっ?!…まあ~…」


「あははは~それなら、三人分を取りましょうか♪…さてと…ほらあんた達、このバッグ持ちください。あとで果実を撃ち落とすから、これを使ってちゃんと受け止めくれよ!」


 投げつけられたバッグを受け取った二人は、不思議そうに彼女を見つめました


「…えーと、撃ち落とすって…」


「ふふっ~この時こそ、『こいつ』の出番だ!いま手にはめているこの装置は、交換可能の小さなマナ鉱石が装填されていて、しかもエネルギーを一点に集めて発射できる、とても人気の携帯用マナ圧縮銃なんだぞ。その出せる威力は限られていますが、護身用としてもう十分だ……うん?アハハハ~なんだ、その呆然とした顔は…うーん、やっぱ実際にやってみたほうがわかりやすいよな~」


「うんうん!!」

 二人は大きくうなずいた


「じゃあ、まばたきしないように、よく見てな!まずはこうして~あとで出力率を調整し、目標を狙って…そして集中…へぇイ—!!」


 それから、彼女は前方の果樹に向かって『魔弾』を撃ち、瞬く間に果実を撃ち落とし、萱草色い芝生に落としました


「ぉお~トリー姉さんすごい♪(パチパチ」

「見事でした!(拍手」


「?!へへ~ほら、褒めすぎ。まぁ、それは日頃の修業おかげだな( ̄▽ ̄)/…さあ、ここからが本番だぞ。あんた達、準備はいい?」


「はい!!指揮官姉さま<(▰^◡^▰)」


 姉妹は敬礼しながら言いました


「よし、始めよう!せーのっ……へぇイ——!!あっ、そっちもいいかも…」


 彼女たちはそのまま気合を入れて、周囲の果樹に生えていたの『カミオッケー』を摘み取る。しかし今その失礼な行為は、遠くの誰かに気づかれました……


 ==【?!!】==


 謎の女「このエネルギー…異常発見…」


 謎の男「ぁあ~とても微弱だけど、かすかに感じられだ…しかもその変な力が、今途切れに流れていた…まさか誰かが俺たちの縄張りを侵入してきて、いまどこかで壊しているのか…」


「兄貴に…知らせますか?」


「ふん、何言っての?今の兄貴はとっくに気づいていたと思うんだ。まぁ、これくらいのことって、俺たちでやらせて解決すればいいからな!」


「分かった!…でも…どうする?」


 その質問に、彼は真剣に考えました

「うんん…まずはその力の根源を明らかにしなければならんなぁ。でもずっとここにいると、実際に現れた場所は確認できないから。えへへ、ですから~」


「ダメ…兄貴言ってた…勝手に外に出てはいけない」


「…ぁあ~うるせえなぁ、お前!そりゃもちろん覚えているけど、でも兄貴は俺たちが不用意に森を燃やしてしまうことを心配して、外出禁止にしただけで、訓練した『ペット』を外に出すさせちゃいけないって、言ったことないぜ!」


「ペットって……?!もしかして…」


「えぇ~今こそが、あの子たちに初めての任務を正式に実行させる時です!ぐうっ~まさかこんな日が来るなんて…今胸がわくわくするだぜ—!」


「ぉお~楽しみ…」


「さあ、召喚術・起動!…すぐに現れろ、我らが誇る眷属たちよ—!」


 二人は力を合わせて、強力な術式をかけた。その一瞬、近くの谷に生息するグリフィンに似た翼獣の群れは、術者の合図を受けると、すぐに大きなつばさを振りかざして、一番速いスピードで二人の前に飛んできた…


「…?!お、来たか!よぉ~最近どうだった?」


 —(>ଳ<)翼獣たちは元気よく、男の子に声を張り上げて応えます—


「あははっ~相変わらず元気一杯だな、お前ら…よし!今から任務の指示を出すんだから、ちゃんと聞いてくれよなぁ——」


◇―――――――――――――――――――――――――――――◇


 それと同時に、食べたくてたまらなくなったマルコは、勝手に『カミオッケー』を手に取って、皮の表面についた埃を拭き取ったから、一口食べてみました。その独特の魅惑的な果実の香りが、彼女の口の中に広がりました。


「?!うんん~何これ、おいしい!甘くてジューシーで、こんな美味しい果物を食べたことないなんて、ここに来てくれて、本当によかったにゃ~ねえ、そうでしょう、おねえ…?!…うん……姉ちゃんまだかなぁ?」


 トリーは額の汗を拭ってため息をついた


「よいしょっと…ふーう~立つ鳥跡を濁さず。よし、これでやっと片付きました!…うん?!…ぁはは~先に食べましたか(〃´-ω・)……ところで、あんたの姉さんは一体どこに行ったの?もう終わったから、ここから出ていってもいいんだぞ~」


「う~ん、マルコもよくわかんない。さっき姉ちゃんが、『おとなからの信号』を受け取ったと言ってたから、すぐそこの小川に処理しに行って、マルコにおとなしくここで待ってくれたって……」


「おっ、おとなの信号って……?!ぁあ~なるほど。あれか~私も経験したばかりだなぁ…そんじゃ、ここで待ってよっか~」


 トリーはあの言葉の意味を知ったようで、それから理解する気持ちを持って、すぐそばにあった果樹の下に寄りかかって、休んでいました


「…いや~少し疲れった、しかも暑いし…何なんだよ、このあつ森は……でも収獲がいっぱいな分で見ると、全てそれに見合うものだな!…へへ~一体どんな味かな?そんじゃ、私もひとつ食べよっか!…はむ、うんん~❤!!めっちゃうまいぞ、これ!さすがまぼろしの果物と言われだなぁ。しかも全部が最高級のグレードなので、なかなかの値段で売れそうだ!……ったく、なんで今までこんなところに気がつかなかったかな……」


「とても不思議な場所ですね……ねぇねぇ~さっきの『あれか』って、どういう意味なの?今お姉ちゃんが何してるか知っていますか?」


「?!…まぁ~大体察しなんてつくんだよなあ…」

 彼女は握った果実をかじりながら、目を逸らして答えました。


「へぇ~じゃ早く教えてよ!マルコはね、こういう特别なものに一番興味があったんだ(*。^ω^。)~」


「えっ?!あのさ…それはあんたが期待しているものとは違うんだぞ……そういえば、こんなふうになったのお姉さんを見たことないの?」


 マルコはちょっと考えてから、首を横に振った、それから好奇心に満ちた目で彼女を見つめました…


「そっか…はぁ~ε=(´ο`*)こりゃ困ったなぁ…ったく、なんで私がこんなことを……まぁ、そっちはまだ時間がかかりそうだし……一度しか言わないから、よく聞いてね。実はな…」


「うんうん^^」


 こうして、マルコは足元の芝生に腰を下ろし、果物をかじりながら、耳を澄ますにトリー姉さんの説明を聞きます。時間が経つにつれて、微妙な知識が……


「……はぁ~もう終わったかと思ったけど…これが最後かな……うん?!あはは~ごめんごめん、お待たせしちゃって…あれ?」


 ==「—じー~(๑≖ ◡ ≖๑)☆~」==


 自分の事を処理した後、リシアもリュックを背負って、戻ってきました。しかし、目の前の妹は妙な顔をしていた…


「…どう…どうしたんですか?急に…」

「あはは~なんでもない…あら~もう終わったか?お疲れさま」

「えっ?!えぇ~…(いったい何を言ってるだろう(`・ω・;)…」


「ねぇ、お姉~ちゃん、いませなかのリュックを開けてみてもいい?ちょっと出したいものがあるんだから~」


「えっ?!……ほら、中の物を散らかすなよ~」

「へへ~そんなことしないから…」


 リシアが背中の荷物を下ろすと、妹はすぐ近づいて、そして何かを探すように、背嚢を開けました。


「…あ、あのさ~やっぱやめたほうが……」

 そのときのトリーは、マルコにこれ以上をやめさせようとしますが…


「ダメ、だってマルコはそれを気になるの!…どこに隠れているのかな……?!あった!ねぇ、これでしょう(o゜▽゜)o☆」


 そう言うと、マルコは背嚢の中から、数日前に船の上で、姉を口ごもっていた謎の白いふわふわした物体を取り出しました。二人はそれを見て、妙な顔をしました…


 トリー「?!ぁあ…これだ…」

 リシア「なっ?!…あんたね……」


「へぇ~これはこうやって使うものなのか…だからお姉ちゃんは、最初にこれを見たとき、そういうの顔をしていだ……えへへ~姉ちゃん隠した秘密、マルコはもう知ってだぁ……?!あ、あれ(o¬ω¬olll)…」


 得意げな顔をしていたマルコは、姉の握りこぶしが小刻みに揺れていることに気づきました…


「ほお~そうか……おいマルコ…どうやら【好奇心は猫を殺す】という言葉の意味って、本当わからないようだなぁ~お前…」


「…ねっ、猫を殺すって……うにゃ?!((;꒪ꈊ꒪;))…あ、あの…姉ちゃん落ち着いて、その『手槌』もね。マルコは猫じゃありませんから^^lll」


「まぁまぁ、少し落ち着けよ、リシアさん。そんなことってはな、実は隠す必要はないんですよ。だってこの子も、いつか経験することになるんですから。もしその日になってまた彼女に伝えたら、面食らうだろう?だとすれば、今のうち彼女にすべてを知らせて、心の準備をさせておいたほうがいいんじゃないの?」


「?!そっ、それは…もちろん知ってるけど……で、でも…どう説明すればいいのかわからないって…彼女にびっくりさせたら、どうしよう……」


「まぁまぁ、責めているわけじゃないよ……私もそう思ったら、だからこそついさっき、私があんたの代わりに、この分野の知識を彼女にちゃんと説明してあげましたから、安心しな!」


「うんうん!つらいそうだけど……でもマルコが大人になったら、きっとなんとか乗り越えられると思うから、だから心配しないでね、お姉ちゃん~」


 マルコも姉の気持ちをなだめようとした


「ほら~見た通り、別に悩むこともないじゃん~」


「そっか……あ、ありがとう…」

「教えてくれてありがとうね、トリーお姉さん」


「いいってことよ~…どころで、まさかあんたも私と同じように、お互いに『銃の使い』なんで…こりゃちょっと意外だな~」


「銃の使いって……?!いや、違う違う!これはただ友達からもらったものって、私は100%の『盾』使いです!」

 その言葉の意味を知ると、リシアは顔を赤くし、手を振って否定しました


「へぇ~そうなの……んじゃ、あれらの『白い弾丸』はどうする?いっそ今のうちに、『陣営』を転換してみてはいかがです?」


「結構です!…こんなもの、使い方がわからないし…いっ、痛くなったら…」

 リシアはふと、低い声で呟きました


「ほお~なんか可愛い答えが聞けましたね。じゃあ…お姉さんが『直接指導』してあげようか?優しくしてあげるから、痛くないぞ~(๑≖ ◡ ≖๑)❤」


 言葉にならない変なイメージを少し想像すると、リシヤの胸が急にどきどきして、そして話題を逸らそうとした…


「?!…あはは~いや、大丈夫大丈夫。じゃ、経験豊富なトリー先輩が使えるんだったら、これ全部あげますね(早く彼女に渡します)>///<!はいはい、この話は終わりです。さて、そろそろここから出て行きましょう……うん?」


「…ねぇ、どうしたの、マルコ?」


 この時、マルコは目を凝らし、遠くの上空を指差して言いました…


「ねぇ見て…前からすごく大きな鳥が何羽か、今こっちに向かって飛んでくるようですよ~」


 リシアは妹が指さす方を見ました


「うん?…あっ、本当だ……ねぇ、もしかしてあいつらもあんたの『親戚』ですか?トリー先輩」


 トリーはリシアからの贈り物を片付けながら、彼女にツッコんだ

「なっ…ちょっと!空を飛ぶ生き物を見ただけで、私を巻き込むのはやめてくれない……ほら、どこ?……いや待て、あれって…本当に鳥なのか…」


『えっ?・・・』

 皆さんがもう一度よく見ると、あいつらの外見や体型とか、確か普通の猛禽とはちがっていました。そんな得体の知れない生き物が近づいてくることに気づいた瞬間、言い表せないほどの不安感がいきなりわいてきた……


「…いや、なんだか嫌な予感がする……ほら、急ぎましょう!」


「うん!!」

 トリーとマルコも、リシアの判断を認めています


 そして思った通り、巨大な翼をはためかせて、空を飛ぶ翼獣たちは、確かこの三人を追うためにはるばるやってきたのだ。彼女たちは追っ手の視線から逃れるために、再び森の中へ逃げ込みました。しかし弱り目に祟り目です。なぜなら、三人は再び石碑の前に戻った時、また他の問題に直面していた……

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