PHASE-2 (深緑に包まれる【風林火山】—前編)_part_B
「…姉ちゃん大丈夫?ねぇ、しっかりして…」
マルコは心配そうな顔をして姉を見つめ、そして彼女の手を取って支えて起き上がろうとした。しかし、おもむろに立ちあがると、急に叫んで足を押さえました…
「痛ててっ!」
「どうしたの…?!あっ、姉の足が……」
「あぁ、ちょっと擦っただけで、大丈夫だ……えっ?!」
「ゥウウ…さっき姉ちゃんを悲しことを言い出したのせいで、ごめんなさい~QAQ」
「……ほら、責めてじゃないし、泣かないでね。よしよし~(´・ω・)ノ(╥﹏╥`)」
その後、現場に到着したトリーは、二人はどこかの木陰で手当てをしていることに気づきました……
「あのさ…姉が自分でやればいいし…」
「ダメです!姉ちゃん怪我をしたから、動かないでね!よいしょ~よいしょ…よし、できた!じゃあ、最後にその伝説の呪文を唱えたら、儀式は完成です!」
「儀式…って?!まさかあれか?ちょっ、そこまでするのか!…いや、やめてくれ、うああぁ~(トリーを見ると顔が赤くなった」
「行くよ!愛の魔法がすべてを変えてゆく!痛みや苦しみの悪者よ、宇宙の果てまで飛んでけぇ~!プミリプミリん☆~༅༄༅༄༅༄༅≡=─ ⊂(‘ω・⊂ )))Σ」
この時、マルコはテレビで見た魔法少女の真似をして、姉の痛みを和らげようと、謎の魔法をかけてみました
「うわあぁ~恥ずかしい>///<(顔を隠す」
「あっ?!思い出した。相手は大人なら、二回目をしないと駄目みたいなんです……じゃ、もう一回ね!愛の魔法がすべてを…」
「えっ?!まだやるの?」
『やぁ~こんな可愛い妹がいて、運がいいやつだな~』
トリーは後ろからじっと見ていました
「…ふぅっ~はい、これで儀式はおしまいです。そうすれば、姉ちゃんの傷はすぐに治りますから、心配いらないよ!(自信満々な顔」
「あはは^^lll~あ…ありがとうね…」
妹はうつむいて、バッグのジッパーを動かした
「へへぇ…そうだ。じゃ、傷ついた心を癒すため、ご褒美に飴をあげようね^^」
「いや、子供じゃないし…」
【へいへい~無事でよかったな、みんな】
マルコは振り向いて見上げた
「あっ?!トリー姉さん。うん、姉ちゃんもう大丈夫だよ…ねぇねぇ、飴を食べますか?ほら、口を開けて~あぁ(飴を持った手を伸ばす」
「えっ?!あははは~いや、私は別に、あんた自分でゆっくり味わっていい……」
「QWQ…トリー姉さんも…飴が好きじゃないの…」
「…いや、そういう意味じゃ……はぁ、分かった…あうん~」
彼女はマルコの気持ちを拒絶するに忍びなくて、その持っていた飴を口に含んだ
「どう、おいしいでしょう?さあ、姉ちゃんも一つ食べて~(リシアに食べさせる」
「うん?!なるほど、フルーツキャンディだったのか。しかしこの味って…なんだか……あのさ、これ何の果物で作ったの?」
そのどこか味わった謎な果物の香りって口に広がると、トリーは考え込んだ
「ぉお、それはね、えーと~なんだっけ……ねぇお姉ちゃん」
「うん…(= ^ =)~名前は確か…『カミオッケー』という果物とか…」
「えっ?!なななっ…こ、これは…『カミオッケーキャンディ』だと!!」
「そう…みたいです…どうしたの、今の反応って……?!ひょっとして、トリーさんはこの果物にアレルギーなの?」
「えっ?!それまずいじゃないですか!ねぇ、トリー姉さん、早く吐き出して!」
「?!いや違う…ちょっと意外だけなんだ。私がこの森でずっと探していたの物は、この果実だ。その果樹は人工栽培ができない上に、花が咲いても実が結ばれるとは限らず、保存期間も非常に短いだ。また、果実を取るタイミングにも運が必要で、出会う前に、森の野生動物に食べられてしまう可能性が高いからだ…こんな珍しいもので作ったキャンディーを、一体どうやって手に入れたのか?」
「えーと、これらの飴は先日泊まった宿の優しいお姉さんからもらったんだ。ほら見て、この中にまだたくさんあるよ。欲しかったら、少しあげてもいいよ❤」
「いいえ、ありがとう。私が狙っているのは、果物本体だけなんだ……まあ、こんなたくさんのお宝を手に入れるなんて、運がいいですね、君たち…」
「……いやまずい!ここでずっと話をばかりしていて、本来の目的を忘れてしまいそうになった。早く進むなきゃ…」
我に返ったリシアが起き上がろうとすると、トリーはこう返事した
「心配しなくていい。だって我々は……もう着いたぞ~」
「なっ、なに?!しかし今ところで……何の石碑があるのが見えなかったし…」
姉妹は目をまるくして、キョロキョロとあたりを見まわしました
「あそこだ、あそこ。さっき回り道をしてここまで来た時に、あいつが見えていた」
トリーは左を指差した
「ほん、本当ですか?よかった~!ありがとうね、ずっと案内してくれる鳥さぁ…あれ、どこに行っちゃったの?」
マルコは感謝の気持ちでふと周りの木を見上げましたが、前に案内したの『あにき』の姿はどこにも見つからなかった…
「そうだな~さっきまで近くにいたのに…まあ、どうせ任務も終わったし、もう帰ってしまったか…」
それを聞いたマルコは、名残惜しそうな顔をした。
「へぇ~そんな…まだちゃんとお礼を言ってなかったのに……うむ…」
トリーは彼女の頭を撫でて笑った
「この子は本当に……大丈夫よ、きっとチャンスがあるからさ。さて、リシアさん(手を差し出す」
「?!あ、ありがとう…」
リシアを助け起こしてから、三人でそのままゆっくりと歩き、やがて大きな木の下に建てられた石碑が見えてきました。リシヤは、目の前に専属の広い台がついたの立派な石碑に驚きました…
「すっ、すごい……その人たちが、長い旅をしてでもお参りに来るという噂の『紀神碑』って、これですよね?うんん…しかし、ここはどこも木々に囲まれて、思った以上に辺鄙な場所だった。こんなところって、本当に誰か近くに住んでいるのでしょうか?」
「…なぁ、あんた達、もしかして奴に騙されたんじゃないの?しかも相手の正体もよく分からないし…」
トリーはますます不審に思った。しかし…
「いや、仙女お姉さんはそういう人じゃない!!あのお姉さんのことはよく知らないけど、でも…でも……彼女は私たちを助けようとしている気持ちは、マルコは知っています!だから…だから……」
「…そうか…すまない、じゃさっき言ったことは撤回します…ほら、もう着いたから、これからどうするつもりなの?」
「?!そうですね……今なら、この近くに住んでいる男を探しに行きたいと…ねぇマルコ、今この場所って、彼女が前に君に見せた景色と同じですか?…マルコ…ねぇ、マルコ!」
「あっ!うん。ここですよ。ねぇ、それより、ほら、あそこの石碑が光っているよ!」
ほかの二人もすぐ石碑の方向を見ましたが、しかし何の異常もありませんでした。
「…光って…どこ?」
「私も見えない……」
「えっ?!うそ。あんなはっきりした赤い光が出ているのに、見えなかったの?……あれ?!」
すると、そのマルコにしか見えなかった光が、急に変化して、石碑の表面に謎の白い時空トンネルを作りました!
「いや、見えないよ……まぁ、せっかくここまで来たんですから、ちょっとお祈りにしましょうか!神様のご加護があれば、あいつの行方をうまく見つけられるかもしれませんね!ところでトリーさん、お参りのときに気をつけることはありますか?例えばお供え物とか…」
「えーと~前にお客さんと一回来ましたけど、確か…」
「もう~そんなことするために来たじゃないからね!ほら、出発しますよ!ねぇトリー姉さん、一緒についてくれるよね?^^」
「うん?ついてって…まぁ、私は別にいいんだけど……?!うわぁ、なんだこりゃ!」
ところが、言葉を終わらせないうちに、マルコは二人の腰に絹を巻きつけた
「コラッマルコ、何をしているの!」
「こ、この絹は…さっきの…」
「それでは、LET’S GO~!!─=≡Σ(((つ>ω<)つ」
この一瞬、マルコは縛られた二人を連れて、勢いよく石碑の方向に突進し、住民たちが設置した封鎖線を突破した
【えっ?!うわあぁぁ~とっ、止めてくれ…ぶつかりそうになったからあぁ——!!】
前の石碑にぶつかりそうになると、二人は目を閉じて、あわてて両手を体に当てて、ダメージを軽減しようとする時、不思議なことが突然起こりました——
『紀神碑』が刹那の輝きを放ち、そして周囲の空間は歪み始め、そのまま三人を見知らぬ場所に転送しました…
「……ぉお、本当だ~やっぱりあの仙女お姉さんは、嘘をついてないよね!ほら、お姉さん達、早く目を開けて、もう着いたよ~」
「うんん……?!こ、ここは……」
マルコが二人を下ろすと、彼女たちは緊張と怖い思いをしながら、ゆっくりと目を開けました。その結果、二人は目の前の森が明らかに変化していることに気づきました——
まわりの植物は、種類と外見が違うばかりでなく、木々の葉はすべて赤橙色で、これまでの緑豊かな森とは雲泥の差だ。
「…ちょ、ちょっと待ってよ!いったい何があったの!何だよ、この場所は!私達はどうやってここに来たのか?しかも、なんか急に暑くなったみたいって…」
そして、リシアも信じられない顔で、太ももの肉を引っ張っていました…
「…あぁー痛い!…てことで、夢じゃないんだ…これはまるでゲームの隠しステージみたいで、驚いたわ……?!いゃ違う。ほらマルコ、これ一体どういうことなの?ここはどこだ、早く説明しなさい!」
「?!それは~えへへ…マルコにもよく分からない。仙女お姉さん言うとおりにしただけなの。ただ、いままで不思議に思っていたから、姉ちゃんに言わなかっただけです。えへっ(* >ω◕)」
「なにか『えへっ』だ、バカ妹!よく私に隠していましたね。もし次があったら……まあ、いい。じゃ、これからの道を、知ってる?」
「うん~…確かここから右に進むすれば、前の小川を渡ると、長い道が見えるんだ。それから道の方向で行き止まりまで行けば、『フェニス兄さん』の住んでいるところに着くはずですよ!」
「よし、ならさっそく…あっ痛い……もう~何なんだよこれ……」
突然、すっかり熟した謎の果実が空から落ちてきて、リシアの頭に当たったから、彼女は両手を頭に当ててしゃがみ込んでしまいました。
「?!こここ、これはまさか…『カミオッケー』?しかも最高級の金色だ!いゃ、まさか…うわあぁ~—!!あっ…あっ…」
トリーが石碑の後ろの大木を眺めていると、なんと茂った木には珍しい果実がいっぱい生えていた。その瞬間の驚きに、彼女は言葉を失いました…
「…いや、待って…こ…これ全部も……嘘だろう……こんなの、見たことない!」
彼女はゆっくりと後ろに下がり、そして立ち止まりました
「ぉお~なるほど!これが『カミオッケー』なんだ。パキー姉さんが言った通りに、果柄が太くて、まるで鳥の爪みたい。その羽の形をした分厚い葉も見たことない、特別だ……あっ、そうだ!これトリー姉さんがずっと探していたものじゃないの?せっかく見つけたから、今のうちにもっと摘んで、家に持ち帰りましょう^^」
「えっ?!うん……(いやいや、ちょっと冷静にしなきゃ)…まあ、そうしたいけど…でもやっぱやるべきことが終わってから、ここを出るときに摘みに来たほうがいいと思います。さあみんな、早く出発しよう!」
「で…でも、本当にそれでいいの…!」
「大丈夫大丈夫~ほら、早く行こう♪」
トリーは言いながら、二人の背中を押して歩きました
◇―――――――――――――――――――――――――――――◇
こうして、三人はそのままマルコが受けた指示に従って、先に述べた通りの道を進みます。しかし歩いているうちに、周囲の気温がますます蒸し暑くなってきたので、トリーも襟を引っ張り始めた…
「…やぁ~めちゃ暑い…私の気のせいか、なんで急に前より暑くなったの?今はまだ夏ですけど……うん?おかしいな…ねぇ二人とも、暑いと思わねえのか…うん?!」
彼女たちが目を向け、その先の不思議な光景を見たとき、三人はとたんに自分たちが、今誰かにもてあそばれるような気がした……
【?!おい…おいおい~こ…ここはいったい、どこなんだよおぉ——Σ(ŐдŐ๑)!!】