PHASE-1 (新世界への第一歩—後編)_part_A
「お姉ちゃん…ねぇ~お姉ちゃんってば……餃子…あっ、じゃなくて…リシア姉ちゃん——!!」
「えっ?!あ、ごめん。今私を呼んでた?」
「もう~(○` 3′○)…今のマルコがかわいくないのか、それともこの海が魅力的すぎるせいなの?船に乗ってから、姉ちゃんはいつも外を見てぼんやりしていて、お腹がいっぱいになっても、マルコと遊ばないし……」
妹はそう言いながら、ジュースに挿したストローから息を吹いて、ボコボコ泡を立てる。
「あははっ~ごめんね^^lll…じゃ~何が遊びたいの?」
「まぁ、何でもいいよ、姉ちゃんがさっきみたいにボーッとしないでくれればいいの!…ところで、下船するまでの時間があとどれくらいなの?」
「…えーと~あと二時間くらいかな…」
リシアは半券を取り出し、船の時計の数字と照らし合わせる
「へぇ~まだ長いよ……つまんないなぁ~(`=ω=´)ねぇお姉ちゃん、何かしてよ…」
「だよね………?!んじゃあ、広告時間に入ろうか…生活費を稼げるし(。^﹃^。)~(前の壁にかかっているテレビのCMを見てニヤニヤしていた」
「…じゃ何を宣伝したいの?もしかしてさっきの長い変なマシュマロみたいなものか(*= (エ) =)」
「なっ?!…コラッ、マルコ!(*。⁄>⁄Д⁄<⁄)」
「うむむ……とにかく、マルコはこのまま船の席に座り続けるのはイヤだ!ほらお姉ちゃん、何か一緒に遊ぼうよ~!」
「へぇ~そうは言っても……あった!じゃ、コインゲームはどう?」
「おぉ~やろうやろうヾ(❀^ω^)ノ゛でもどうやって…」
すると、姉さんはコインを取り出した。
「はい!では私が裏を選び、あなたは表だ。コインがどちらを表示したかを見てから、その人は相手からの質問に答えなければなりませんよ。分かりましたか?」
「にゃるほど…うん。マルコわかったにゃ(ฅ`・ω・´)!」
「なんで急に猫の声を真似するの……まあいい。じゃ~始まるわよ…ヘイ—♪」
リシアはコインを投げて、両手で受け取る。手を開いた瞬間、二人はコインに刻まれた絵柄が見えた…
「あら残念、一回目は表ですよ、マルコ。じゃルールによって、姉さんの質問に答えてね~」
「へぇ~そんな……よし、マルコは負けないぞ。何か聞きたいことがあっても、かかってこい!」
「?!えーと…前は確か……あっ、思い出した!ねぇ、あの『仙女お姉さん』って、あなたとどういう関係なの?何て名前だ?彼女が急にあなたの背後霊になって、しかもあなたの体をこっそりと支配して、一体何をするつもりなんだ?それともう一つ……」
「いや待ってよ、ストップ、ストップ!お姉ちゃん急に質問し過ぎ><!!」
「?!…ですよね……えへへ~ごめんごめん<(* ̄▽ ̄*)…」
「はぁ~なんだよ…さっきまで『なぞなぞ』とか『クイズゲーム』かと思っていたのに…これじゃただの質問じゃないですか!もう~何か知りたいなら、マルコに直接聞けばいいのに……つまりお姉ちゃんは、あの姉さんのことを、ぜんぶ知りたいでしょ。」
「うんうん、そうですよ。マルコやっぱえらいね~^^」
「…実はね、お互いには短い二度しか会ったことがないので、彼女のこともあんまりよくわかんないから。初めて会った時、彼女は自分が前にひどい怪我をしていたので、マルコの体を借りて身を隠し、ゆっくりと治療しなければならないと言っていた。そのかわりに、彼女は姉を守ってくれる力を与えてくれた。そしてそのかわいそうな顔を見てから、彼女を断るに忍びなかったので同意した。だけど、今まで完全に回復していないみたいです…ところで、あの姉さんの名前は確か…あれ?……えへへ~ごめん…」
「えっ?…いや、あんな大切な人の名前を忘れていたなんて……」
「…もう~マルコはわざとじゃなくて…>///<…とりあえず、今は仙女お姉さんと呼んでおこう。次に会った時からまた彼女に聞いてみようよ!ほら、いま知っていることを全部話したから、お姉ちゃん、早く次のターンに進め行こう!」
「…思った通り、やっぱりあんまり知らないんだね……はい、それじゃ、続けますね…」
「…あっ?!姉ちゃん待って。ねぇ、今度はマルコに投げてもらってもいい?」
「…ぇえ、もちろん…でも、どうして急に…」
そう言って、リシアは握っていたコインを妹にあげて、彼女もにやにや笑って受け取った。
「…へへ~ついにマルコの番だね。目的地に着くまでにはまだ長い時間があるから、覚悟しなさいよ、お姉ちゃん。今度こそ、あの変な白いやつの答えを聞き出すなきゃ!」
「変な白いやつ?…ほら、今何を言って……?!いや、まさかあれか…」
この時、嫌な予感がリシアの脳裏に浮かんだ。
「子供が使えないものなんて…なんだか怪しい…それに、姉ちゃんがそれを見たときの面食らった顔、きっと何か秘密を隠していた……可愛い仙女お姉さんよ、マルコに力を貸して~それじゃ、行きます!」
「いやいや、こりゃまずい……あんな恥ずかしいことで、どう答えればいいのか……?!いや、待ってよ…うそ、嘘だ!この嫌な感じ…まっ、まさか…」
「セ—ノ♪…」
「…ごめんマルコ、ちょっとトイレに行く!」
「?!へえ~ずる…い……姉ちゃん、大丈夫かな(o﹏o*)…」
お腹を押さえて、苦しそうにリュックを持って立ち去った姉の顔を見てから、文句を言おうとしていたマルコは、急に姉の体調を心配になってきた……
その後——
「…戻ってきたわ。はぁ~ったく、まさかこういうときに……うん?むふ、なんだ~もう寝てたのか…」
再び席に戻ると、自分の妹がぐっすり眠っていることに気づいた。穏やかな陽射しが茶色い髪を照らし、エンジンからリズミカルに響く振動音が、船が進むたびに揺れる波の音とともに、彼女を静かに包み込むように、癒しの眠りに導いた。
妹を起こさないように、リシアは隣の席に静かに座っていた。風に吹かれた妹の髪を整えたあと、彼女は前に憑依されたマルコが地下洞窟で自分に言ったことを思い出した……
・・・【マルコ…あなたはいったい…】・・・
◇―――――――――――――――――――――――――――――◇
『…ほら、諸君よ。此処より先は真っすぐ進めば、元の場所に戻ることができるのじゃ。しかし、今はこの女性と話したいことがあるので、ここで二人だけにしておいてくれんかのぉ。後で追いつくから、お先にどうぞ!』
「えっ?私…ですか?」
案内役のマルコが、ずっと空中に浮かんだまま、突然立ち止まって、振り返って皆にこう言いました。そして、ロイが代わりに皆を導いてくれました。
「…そうか…じゃ気をつけてな!さぁみんな、早く行こう!」
人々の姿が目の前から消えていくのを見て、餃子ちゃんはマルコに尋ねた。
「……ほら、私に何が言いたいの?」
『…ふむ…とりあえず、いまこの場を借りて、まずはこの人間の肉体を占めたことで、そなたに謝っておこう。いつ再会できるか分からぬことだからな……なあ、そなた自身も、もう少しは気づいとるやろうな。前に現れたこの子供は、もはやそなた昔の大切な妹じゃないことを…』
「?!やっと素直になれたか……じゃあんた一体誰なんだ、早く私の妹を返して!」
それを聞いてから、彼女の目は鋭くなった
『おお~少し心を落ち着け!われが今は、この肉体を暫くの間占有しているだけじゃ。力が尽きれば、われはただちに消えて、再び眠りに落ちる。そのとき、彼女はそなたのもとに帰るであろうから、心配することはないぞ~』
「そうか、それなら安心しました……ってそう思うと思ってるのか!問題はあれだけじゃない!体を占拠ってどういう意味なの?まさかあんた幽霊みたいなものですか?勝手に子供の体に侵入するじゃないわよ!それに…何で私の妹につきまとわなきゃいけないの、あんたらいったい何が目的だ!」
『目的?おやおや~どうやら、何か誤解があるようじゃの。勘違いするなよ、お姉さん。このことは単に「付きまとう」ではなく、「利害関係」ということになっておるぞ。即ち、我らは既に運命共同体を結成したというべきじゃ。』
「?!なっ……何だそれは…」
『……まだ思い出しておるかの?あの大きな武器を振り回した化け物が、そなたたちの両親を殺したあの夜を…』
つらい思いが、再び彼女の頭の中に浮かんだ。そして落ち込んだように頭を下げてこぶしを握りしめた…
「?!…ぁあ~それがどうした…」
『……一つことを伝えよう。残念なり、この「マルコ」という女の子は、あの夜からすでに命を落としておった…』
「なっ?!」
その一瞬、彼女はあの夜に意識を失い妹が目を閉じて、自分の前で倒れていたことを思い出した…
「くっ…ふっ、ふざけんな、そんなこと、私の妹を呪うな!ほら、今はちゃんと生きてるじゃないのかよ!!(相手を指差した」
『…ぇえ~今なら、たしかに生きとるんじゃな…では、それはなぜだと思う?』
「?!…もしかして、あんたが……」
マルコの顔を見ていると、彼女はハッとした
『…そう。われは体を失った特別な霊魂であり、そしてこの子も、すぐにわれと同じ運命に直面しておる子供であった。故に、我らは契りを交わした。われは彼女に一度復活の機会を与え、そしてわれの力を使うことを許す。しかし条件として、彼女はわれに棲む場所を提供せねばぬのじゃ。つまり、自分の肉体をわれに捧げることだ。これからは、われは彼女であり、彼女はわれである…』
「クッ!どうしてこんなことを…じゃマルコ…私の妹は、今…」
リシアは力なく膝をついた
『…まぁ、とは言え、そなたが悲観する必要はない。今のところ、この子の命は守られたのじゃからな。そして、眠りに落ちたわれには、彼女の体や意志を自在に操ることはできないから、安心しな。でもな、これから一つ頼みがある。』
「……じゃ、何の頼みが…」
『…われが再び眠りに落ちた後、この子の傍にずっと居て、そして大事にしてくれると良い……知っておるか?この子の体に入って、魂と共鳴していくうちに、彼女が感じていた死別の悲しみが、少しずつわれの心に伝わってきた。姉に心配をかけまいと、いつも笑顔で気丈に振舞っていたが、心の中では涙を流していた。それを目の当たりにしていたが、救い得るものではなかった。今、彼女と一緒に敷居を越えられるの者は、そなただけしかいない…』
「ぁあ~分かる……彼女の姉として、そんなことって…言われなくても分かってる!だから…だから…これからの私が自分のやり方で、彼女を悲しい過去から抜け出して、幸せにする!」
彼女の決意に満ちた顔を見ると、マルコは目を閉じて、優しい微笑みを浮かべた。
『?!…やあ~実にお頼もしい姉さんじゃ。そなたの言葉を聞いて、心安らかになったぞ。さて、もうそろそろ帰るかのう。』
「…もうちょっとでいい?今はまだ聞きたいことがあるの。」
すれ違うマルコにそう言った後、宙に浮いていた彼女も足を止めた。
『…なんのことを?』
「…あんたの正体なんって、まだ明らかにしていない。正直に答えなさい!あんた一体なにもの……///ウヒャ?!」
彼女が振り向いた時、マルコが急に顔を寄せてきた。
『おう~今の一瞬、なかなかの声が出すぞ。やっぱ姉さん可愛いいの~❤』
「…ウ、煩い!早く言え!」
『ほうほう…そんなに興味があるの?われのことを…じゃあ、そなたはまだ覚えておるか?前に神社の中で、『汝』に忠告を伝えたときのその声…』
「神社って……?!いや待って、なんでそんなことまで……いや、噓だろう…まっ、まさか……」
『はい、話はここまでじゃ。われの存在は今誰かに見つめられているようなので、しばらくこれ以上をあまり明かしたくないから、すまんな…しかし、もしそなたがわれに追いつくことができたら……少し考えてもいいんじゃぞ~(* ^-°)❤』
「えっ?!ちょっと、なにをそれ!コラッ、逃げるなよ!あんたのことをはっきりと話しなさいよ!!」
◇―――――――――――――――――――――――――――――◇
「はぁ~ったく、あいつって……でも今のところ、このマルコの体に潜り込んだ幽霊は、私たちを傷つけるつもりはなさそうだけど、しかし…本当にそうなのかしら…しかも……」
「…かつて神社に現れた青い炎、突然行方不明になった僧侶と白い狼、そして今…あの正体不明、仙女と名乗る少女の霊体が、マルコの体を乗っ取り支配するだけでなく、不思議な力を与えているなんて…」
「…ああもう~ますますわかんないよ……?!」
・・・(-ω-*)zzZ・・・
隣で眠っていた妹が急に肩に寄りかかってきたことに気づいた瞬間、イライラしていた気持ちが少しずつ落ち着いてきた。それから潮風に吹かれながら、妹その無防備な愛らしい寝顔を見て、二人はそのままでのんびりとした時間を過ごした。