PHASE-1 (新世界への第一歩—前編)_part_A
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【へぇ~これが本物の海なんだ…テレビでは何度も見ていますが、こんなに近くで見たのは初めてだわ……まぁ、こんなに間近で見ると、まるで自然が作り出した巨大な鏡のようで不思議だね…でも、それより、最近あったことのほうが、もっと夢みたいだ……はぁ~私達の人生はこれからどうなるのかしら…こんなふうに二人きりで彷徨いながら、目的もなく放浪していると、本当にこの残酷な世界で生き残れるだろうか…】
シャイニーデイズ、穏やかな風~♪♫。白い船が、この青く澄んだ海をゆっくりと進んでいく。そしていきなり、元気いっぱいの海鳥が自由に翼を働かし、すばやい体で空から舞い降りて魚を捕まえると、今何か悩んでいる顔をした少女の前を飛んでいった…
餃子ちゃん……いや、今は「リシア」と名前を変えた彼女は、船のバルコニーから広がる海を眺めながらしみじみとしていた。そしてしばらくすると、彼女は気を取り直すため、両手で自分の頬を叩いた…
「?!ああ~ダメダメ、このまま落ち込んではいけません、ちゃんとプラス思考しなきゃ!…だって私たちは、今また生きてるじゃない。それこそが一番大事です!うむ、これからのこともきっとなんとかなるんだ!ところで…ほら、このいい天気、きれいな海、そしていい……」
『……いいから、姉ちゃん早くこっちに来て。さっきの姫お姉さんはね、こんなかわいいな服をマルコにくれましたよ♪!』
振り返った少女は、自分の妹がいま嬉しそうに、オリビア王女が先程お見送りの際に渡してくれた贈り物を開けていることに気づいた……
「?!…いいなぁ~子供の世界って、本当に単純だ……はいはい。ほら、ちょっと姉さんに見せて~」
リシアはゆっくりと歩み寄ると、その服を手に取って、妹の体に適当に測ってやった
「…?!へえ、すごい~この服はかわいいだけじゃなくて、サイズもぴったりだ(いや待って…どうしてマルコのサイズをこれほどまでに知っているの、あいつ…(⊙ˍ⊙)」
妹は荷物の中の宝物を探し続けました、そして…
「…?!ぉお~バタークッキーもあるんだ!しかも熊の形をしていて、かわいい~……ゥウウ~どうしよう、可愛すぎて、食べるのがもったいないよ(>口<)…うん~じゃ、まず脇に置いておこうか!えへへ~まだ何があるのかな?ふんふん~♪…あれ?!これは~地図みたいだね…あ、手紙が挟まっていた✉~」
「…ねぇ、やっぱマルコは、あのオリビア姫様のことが結構好きなんだよね(. •˘_˘• .)」
「うんうん!あの姫お姉さんはね、たまには少し変だけど、しかし、彼女と一緒にいるうちに、実は優しい人だったことがわかってきた。それにそれに、彼女も姉ちゃんにいい名前をつけてくれたんでしょ(^▽^)」
「うーん…まぁ、そりゃそうだけど…?!ぉお~こ、これは…『タルス』の町全体の地図じゃないのか…そこまで考えていたのか…どうやら彼女は、いつかマルコが訪ねてくることを本気で望んでいだなぁ(⊙ˍ⊙)…」
「?!あれれ~なになに、もしかしてお姉ちゃん今ヤキモチ焼いてるの?…ぇへへ、心配しないでよ、そんなこと。どんなことが起こっても、マルコはいつもずっ~と姉ちゃんのそばにいますよヾ(^▽^ヾ)(抱っこ」
「…いやぁ~それは助かります…(棒読み」
「ところでお姉ちゃん、姫様からのプレゼント、開けてみるつもりはないの(๑•ω•́๑)?」
「えっ?…そう、そうですよね……じゃあ(開けて…うん?あ、こっちにも手紙が✉…あと他の物は…うわっわあ?!なななっ…一体何なんだよ、これ(⁄⁄>⁄ω⁄<⁄⁄)!」
リシアの頬はほんのり赤くなっていた
「うん?ちょっと見せて。白くてフワフワしていて、長いマシュマロみたい。あっ?!でも可愛い尻尾がついている…ねぇお姉ちゃん、これなんなの?」
「えっ(ÒωÓױ)?!いや、こ、こ…これはただ…子供にはまだ使えないの綿棒だけなんだ!はぁ~ったく…まさか開けたばかりなのに、あんな『刺激』的なものが目に入ったなんて…やっぱまず手紙を読んでみようか……」
「=我が友、「リシア」姉様へ!——————————————————⏋
こんにちは!今この手紙を読んでいたときに、その呼び方の意味をもうわかっているはずです。実はこの間、あの森で君たちにお会いできて、そして一緒に無礼な盗賊たちを撃退したとき、私とても嬉しかった。こういうの体験は、いつも王宮に住んでいた私にとっては、とても忘れられないものでした。わがままな私は君たちとずっと一緒にいることを望みますが、それでも君たち選んだ道を応援しています!
ちょっと突然ですが、ここで提案があります。たとえお父さまは最後まで君達の居留権を認めなかったが、でもレオと相談して、ほかの対策を思いついたんです。その後、私は『ミフェダ』国の『エレナ』姫さまに相談してみた。私達の両国は、友好関係だけでなく、エレナ姫さまも私の大切なお友達です。そして彼女は喜んで協力してくれた。
だからやるべきことが終わったら、マルコが持っていた親書をエレナに渡せば、彼女はきっと君たちを手伝ってくれるわ。
そして、もし何かあったら、カバンの中に入った通信ディスクとリーダーを使って、私と連絡してください。ただし、これは一度しか使えないので、無駄に使わないでくださいね!ご心配なく、操作説明書もちゃんと入っていますよ!
あと、そうだ。なんというか…まあ、お互いにもう少女なんだから、外ではなかなか見つけられないだろうと思って、だから女性が必要な持ち物を用意しておきました。これは一番小さいタイプで、痛くはありませんよ。
へへ、すみません、なんか言いすぎて、だってもうすぐお別れですから…では最後に、たまに頭が変になるのマルコを、ちゃんと世話をしてあげてねください。皆さん、ご順調をお祈りします、どうかお元気で!
そして最後の最後、ほらマルコ、ちゅうして~❤
⎿王室の印章——————————————オリビア・グレースより」
「……ゥウウ~妹の言うとおりだ。彼女って…本当に優しい姫様だった…」
リシアは手紙をつかんで、感動の涙を流した。
「あれ?いったい何を書いて、お姉ちゃんをあんなに感動させたんだろう?マルコも見たい!ねぇ、見せて見せて~」
リシアは顔を赤らめて手紙を掲げた。
「ぇえ?!いや、た…大したことはないわ。ただお大事にしてほしいとか…」
「うむむ…その反応、なんか怪しい……ほら、マルコは見たいの!」
妹が踵をあげて手を伸ばす、あの手紙を奪おうとしたところ、背後から女の声が二人を呼び止めた…
【…あの~そこのお客様、飲み物はいかがでしょうか?もちろん、無料ですよ❤】
「あっ、さっきのお姉さんだ!うんうん、マルコは今ちょっと喉が渇いちゃった。へへ~ありがとう♪」
「あ…ありがとう……」
二人は客室係さんのトレイから残ったジュースを二杯ずつ取った。
「どういたしまして^^~…ところで、お二人もこの船で貿易港へ行くのですか?」
「貿易港?…いや、私達は『ゲラ島』というところに行くんです」
リシアは否定するように答えた。
「ゲ…ゲラ島?…そうか…ちょっと珍しいですわね、こういう時点で…」
「あの…どうしましたか?」
「えっ?!いえいえ、何でもありません。ただ、あの紀神日はもう何ヶ月も経っているのに、あんなところに観光に行きたいと思う人がいるわけないよなと思って……」
「そうか…でも観光じゃなくて、人を探しに行くんです……あの~ちょっと聞きたいんですけど、その島って、普段は誰も行かないところなんですか?それにして、『紀神日』って何ですか?」
「えっ?それ、知らなかったのか?(キョロキョロ眺める……まあ、今日の船客もあまり多くないし、飲み物の配達も終わったから、じゃあ、ちょっと話してもいいわね……『ゲラ島』はもともと辺鄙な島で、そこには『ゲラ部落』という原住民の集落があった。そして『紀神日』はそこの村人が山の神様に感謝する日なんだ。その四日間のイベントで、各地からの観光客が島にお参りに訪れる。村人たちもお祭りをして、気分を盛り上げてくれます。しかしイベントが終わると、あの島を訪れる客はほとんどいないわ。だってそこには他に絶景や人気の観光スポットもないし、そこの住民も他の人に日常を邪魔されるのが嫌なんだろうね……」
「…そ…そういうことなんだ…」
その説明を聞いて、リシアは少し驚きました。
「あっ、でもでも、あの島にはそこそこの作物ができていて、たまには首都や他の国にも輸出されているんですよ。だから普通に、そこに行くのは貿易をする商用船だけなんです。たとえこの旅客船にも、そこの船着き場を通らずに、貿易港に直行することがあるんですよ。」
「なるほど…でもその話を聞いたから、なんだかあの山の神様なんて、本当にすごいの存在だったわね。こんなに遠くから、お参りする旅客を引きつけることができるなんて……」
「それは当たり前じゃない。あの『噂』の魅力をなめないほうがいいですよ~」
「う…うわさ?」
「なになに~マルコも知りたい!」
「あら~仕方ないわねー~遥か遠い昔、その島のまわりは荒れた土地でした。しかも絶えず降る雨で、苦労して育てた作物にも影響を与え、そこに住む人々の生活は厳しくなっていました。そしてある日、彼らが目の前の海に、今まで見たことないの大きな波が巻き起こっている。皆さんが無力感を感じで、絶望的な気分になったとき、島のまんなかに山の上から、強い赤い光が空を突き抜けて、天空を覆っていた黒い雲が次々と消えていった。久しぶりの陽射しがまたたび大地を照らし、その巨大な波の流れ方向までも変わっていた。それ以来、このような災禍はほとんど起こらなくなった。良い気候で作物の豊作を促し、皆の生活も徐々によくなった。しかし今まであれはまだとても原始的で、誰も居たくないところだったんだけどね……あっ?!ところで、君たちが探しているの人って、あそこに住んでいた村人なのですか?だとしたら、彼に直接聞いたほうがいいと思うよ~」
「えっ?!まあ~そう…かもなぁ…あははっ~^^lll…」
姉妹は顔を見合わせ、口ごもって答えました。ところがそのとき、近くにいた船客が、いきなり声をあげました。
「よお~そこのお嬢ちゃん…炭酸水をもう一杯もらえませんか?」
「Σ(°△°lll)?!はっ…はい、今行きます!!すみません、いま仕事を続けてきますので、ここで失礼いたしますね」
客室係さんは二人に軽く頭を下げると、すぐに去ってしまいました。
「?!あっ、仕事を頑張ってね、お姉さん。バイバイー~♪ヾ(・ω・。)フリフリ」
「…そういえばマルコ、前にあの謎のお姉さんが私達に『フィニス』を探してくれと言った時、相手の顔とか、体の特徴について情報を教えてくれたのか?」
「う一ん~…えへへ~ないよ(◜ω◝)>」(頭を掻き
「なに?!でも相手の名前しか知らない状態で、やっぱ……?!いや待って。もし同じ名前の人が一人以上いたら、大変じゃないですか!」
「?!…そう…だよね……あっ、でもね、あの天女お姉さんが前にいくつか風景の映像を出して、マルコに見せてくれました。森に行って石碑を見つければ、フィニス兄さんの居場所を見つけることができるって言ってたよ!」
それを聞いてから、姉は急に嫌な顔をしていた
「うわ~また森かよ…前に迷子になってから、悪い感じが心に生まれ始めたんだ……じゃあ、彼を見つけたら、次はどうするつもりなの?あぁ~もう!せめて消える前に、自分の言いたいことをしっかり言なさいよ、あの変な女!」
「ぐうーー~」
こんな時に、二人のお腹は急に息が合って、おなじみの警告音を鳴らした…
「えへへ~とりあえず…今何か食べに行こうか!」
「うん!賛成~ヾ(❀^ω^)ノ゛ねぇねぇ、せっかく初めて船に乗ったんだから、お姉ちゃん何が食べたい?」
「えっ?私、ですか…まぁ、やっぱいつも通り…『一番美味しいものは餃子であり、一番幸せな人生は餃子を作るとき』、ね♪」
「?!はぁ~ε=(´ο`*)…どうやら名前を変えても、姉ちゃんの頭がすでに餃子の形になっている事実を、もう隠すことはできないようにね…」
「…その言葉って、どういう意味なの……」