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違う行動はしない方が良い

 こんな感じでゲームに沿って進んで行く。まさかこの世界がゲームで、それをプレイしていた人間がこの世界に転生しているなんて誰も思わないだろう。シナリオライターが作った物語では「エリシア」は中盤まで嫌がらせに耐えなければならず、「エリステル」は終盤で立場が悪くなり最後は今までの仕打ちの報いを受けるかのような終わり方だ。


 誰だって嫌な部分は変えたいし、事情があって仲良くなれない人とは仲良くなりたいし、自分を害する者は徹底的に遠ざけるか改心させて仲間にできたら最高。ゲームのこの先を知っているのなら、悪い未来を変えるためにできることからやっていくのが良い。転生系あるあるだね。


 私は確信してる。あの「エリシア」は、私と同じ転生者だ。


 事実、さっきのエクストリーム自己紹介で「エリシア」のセリフが違った。何回もゲームをプレイした私に死角はない。

「苗字がないなんて貴族どころか平民ですらないドブネズミが何で徘徊しているのかしら、不愉快だわ」に対する選択肢は三つ。


「私は一人の人間です」

「……貴方は?」

「無言」


 アクティブにけしかけるか様子見するか無関心かで各キャラルートへの分岐となる。しかし先ほどの「エリシア」はこう言ったのだ。


「私はエリシアという名前の一人の人間です」


 “エリシアという名前の”が、余計。そんなセリフ改変はされてない。もしもまったく違うセリフだったら、例えば私はネズミじゃありません何ですか貴方、みたいな感じだったらこちらの返事も替えなければいけないから面倒だった。ほんの少し違うだけだったから、こっちはこの後のセリフをそのまま言うだけでも違和感なかったからよかったけど。

 さあて、面倒な事になってきましたよ。


 次のイベントは一週間後に魔法使いの腕比べがある。簡単に言えば実力テストのようなもので、一対一で試合をして成績順を発表する。当然一年が上級生に敵うわけないので学年別なのだが、「エリステル」の悪だくみで「エリシア」は三年の実力者と対峙する事となる。

 ただしこの三年、一匹狼タイプでやる気がなく授業もよくさぼる。学園内でも困ったちゃんの扱いを受けているクセモノだ。まあ、ぶっちゃけ攻略キャラの一人なんですが。


 「エリステル」の目論見は「エリシア」がボッコボコにされちゃえばいいなとこの組み合わせにしたけど、「エリシア」が無茶苦茶強いのと相手キャラの方に全くやる気がなかったためすぐに試合が終わってしまう。

 相手のキャラ、テオはヒロインに興味を持ち話しかけてくるようになる。これがきっかけでようやく「エリシア」は学園で友人を得るきっかけになるんだけど。

 実はこのころから学園内ではきな臭い動きが出てくるのだ。終盤の国家反逆罪となるフラグがこの辺から出てたりする。学園に出入りする謎の人物。この人物こそ他国の間者でまず学園長と通じているのだが、この人物が夜出入りしているのを「エリシア」は人影として目撃する、くらいで終わる。ここはそれ以上追えない。夜にうろつく人なんていないし気のせいかな、で終了してしまう強制イベントだ。


 しかし、私の読みでは絶対に今の「エリシア」は行動を起こす。ここで間者を見つけておけば、後で「エリステル」の不正の証拠を強固にできるからだ。

余計な事しないで欲しいんだけど。

 でも「夜に何出歩いてんの」って職質するのはいいけど、それ私もだよね。何でアンタはうろついてんだって話になるわけで。

 夜に散歩が好きです、はダメだそんな設定ないしそしたら定期的に夜徘徊しないといけなくなる。気分転換に歩いてた、とか。いやどんな気分転換で学園の誰もいない校舎を夜にうろつくってんだ。しかも私こそ目立つポジションなわけで、夜ウロウロしてたら噂になる。

 ああ思いつかない。うーん、と悩んでいると「エリシア」が人影の方へと歩いて行く。

 その人物「間者」だって知ってるはずなのに何で追いかけるかね。間者って知ってる? 結構きっつい部類のヤバイ奴だよ?


お馬鹿。


”ブツン”


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