一面の砂利世界
「……海に引き込まれる際にどっかに頭でもぶつけた衝突で気絶していたのか?」
自分の隣にはシグマリが寝ていて寝ているわけではなさそうだが自分と同じく気絶しているようだった、周辺を見ようと体を動かそうとするのだが頭を強く打ったらしく急に動く事はできなかったが徐々に慣れていき周りを見渡せば灰色の砂、砂利が一面だった。
異様すぎる光景に戸惑いながらもオルフィット達がいた船、もとい二号艦を目視できる範囲を頑張って探したのだがどこにも見当たらなかった、焦りもありながらも平常心でいられるように深呼吸をしてもう一度辺りを見渡すと自分の近くで砂利に突き刺すようにして変光星がポツンと置いてあっただけだったのだがそれ以外には特に何もなかった。
「体には目立った傷も無く隣で気を失っているシグマリにもそんなものなんてないしな…」
服さえも破れたりしているなんて事なかった、寝ている間に魔物みたいなのに襲われていないからそこの所は大丈夫そうだが…はぐれてしまった二号艦を探すに当たってどういう手段で動こうか迷いながら目先を上にあげると太陽のような照らすような光源なんて無く夜空に近いのだがそれでも辺りを一望できるほど視界が澄んでいるのにも疑問が湧いてくる。
シグマリを地魔法で創っておいた岩を積んでかまくらに似た簡易シェルターの中に入れておいて周辺探索及び仲間との合流の為に動く始めた。
「本当に不思議な場所だなぁ…あの蛸が船を掴んで海に引き摺り込んだっていうから海の底なのか?呼吸はさっきからできるから何も変わらない、元凶でもある蛸すらも見当たらないし…」
死累人が言うに幻惑魔法を自然に溶け合うように使う時点で異端な存在だと窺えるしあの巨体がどっかに潜んでいるというのならすぐに見つけることができそうだけど警戒して損はないからな…今は深く考えないで動くことを優先するとしよう
周りを常に警戒しながら十分程度歩き回れば何か発見できればいいやと思っていた過去の自分を丁寧に殴りたい。【起爆】を数回してアッツアツの変光星をしっかり握って後ろからゾロゾロと溢れかえるほどに列をなしている魚を模した魔物達を定期的に燃やし尽くしているのだが見る限り体にビッシリと覆われている強固な鱗が隣通しの仲間にぶつかって互いに削れているのにも構わず同類の体に乗り上げるほど自分の事を優先して相手は行動している。
言い訳になってしまうかもしれないのだが平坦な場所のせいだろうか、それとも今までがゴツゴツしたようなところでの戦闘だったから動くのに少し苦戦している。どこか立体物があれば臨機応変に活用して今見える半数は倒せると思うのだが何も無いのでそれを補うために後ろから迫ってくるのに全力で逃げながら地魔法で自分の進むための道を創りつつ攻撃をする形に変える。
「かかってこい、お前等全員焼き魚にしてやるからな【超煌弾】!」
剣が宿した魔法が壁のように立ちはだかる魚達の大群に穴が空くがすぐに後ろに控えていた代わりの魔物が飛び出して噛み付くように口を開いて近づく魚を変光星でもう一度【超煌弾】で吹き飛ばして距離をとりつつ攻撃をしようとすると足場にしていた地魔法に群がっているのに気づいていた時には崩れて体が宙に浮いて全方向から真っ暗な口が向けられていた。
自分を中心にするように【水嵐】を展開して一時的に向けられていた攻撃よりも大きなカウンターとして利用して払い続ける。この間に変光星に魔力を流し込んで連続して【起爆】して火力をどんどんと上げていく
「どうにかして決着をつけないとジリ貧で体力が削られてこっちがすぐにやられてしまう…」
後ろから飛んでくる魔物を避けるのに必死になりながらもヒット&アウェイを繰り返しながら移動していると前方にいくつかの建造物を確認することができ、一時的に前方にいる魔物に効果がある可能性がある【惑炎の舞】を使用してギリギリだった魔物を遠くに飛ばすことができ崩れていた外周壁から内部に侵入すると数多くの崩壊した家屋や歪な形をした建物などが多くあった。
「なんでこんな所に街…都市みたいのがあって崩壊しているのかが定かではないが今もまだ魔物に襲われているという事は変わりない!申し訳ないけどこのギリギリ原型を保っている家屋を利用して動き回りたいけど…ええい!無いよりかは数百倍マシだ!絶対に逃げ切ってやる!」
いかにも崩れそうな家屋の壁を素早く登って色んなところで自分の声が反響して気持ち悪いがそれでも構わない魔物達は自分を食い散らかす事を第一の目標にしているようで邪魔をする壁をどんどんと破壊していった。
部屋の中を素早く移動して窓を越えて次の家の壁を登るのではなく蹴り180度反対方向を向いて一直線に進んでくる魔物達に贈り物を贈呈した。変光星から飛び出る炎は入って来た場所までも燃やし尽くした。
「しかし、そうはいかない…倒しても倒してもどこからか湧いて出てくる魚がだんだんとあの蟷螂野郎の面影が合わさっているようにしか見えない…一人でずっと戦っているこの自分を容赦なくがっつくのはあまり良くないと思うけどな」
すぐに群れを成して敵一目散に突進してくるなんて本当に厄介な思考の持ち主だと思う。正直すぎるこの行動に見事と思いながら荒んだ市街地を走り回り建物の天井上に登ってみたりして一直線と言う言葉通りの行動をすることに気がついた為その習性を生かしながら行動して足場が無くなったらすぐ他の場所に移ることをしながら攻撃を続けていくと段々と攻撃の勢いが弱くなっていった。
これを起点に動くため他の場所に移動するのに家屋の壁を思いっきり踏みつけるのだが壁なんて物はそこになくあるのは空虚だけだった。そのままスカをしてしまった自分は何も無い空虚の壁を通り過ぎて部屋の中に入るのだが待ち侘びたように眼球にキラリと光るのを見えた時には心臓が止まるのかと思った。
「……ビックリしたけど丁度お隣にいる同胞に無理矢理押し込まれて地面に埋まっていたため身動きが取れないままになっている…しかし突っ込んだ衝撃で真正面にあった壁を吹き飛ばしていただなんて悪趣味ですのでやめてください」
部屋から出て大通りに出たところを狙ったように集中砲火を浴びた。何でなの
とんでもない仕打ちに合うところだった…街中に転がっているこの焼け焦げた死骸が砂利を埋まっていくのだがさっき以上に飛んでくる魔物達の包囲網から逃げ切ることに成功しつつあるこの状況の中でも何者かが近づいているのを目視できた。
「うおおおぉぉぉい!!!そこで戦っている勇敢な戦士よ、今助けるので身を守ってくれ【遂行車】!!」
遠くから魚人ようなのが大声を上げながら刀のような物を円を描くように滑らせながら突進してくるのを軽く受け流しつつ周りにいた魔物達をバッサバッサと斬りつけていきながらも溢れ返るの魔物に動けなくなっていた自分を担いで走り始めた。
「おい、急に何なんだ!あの地獄の包囲網から助けて貰ったのは感謝するけどどこかに連れて行かれるのは止めて欲しいのだが!?」
「すまない、例え君が凄腕の実力者だとしてもあの魔物…悪食に立ち向かうのはただの自殺願望者だ。一旦安全なところに移動したら話してやるからそれまで我慢してくれ…何故こいつが姿を現したんだ?」
悪食?さっきの大量に襲いかかってきた魔物のことだろうか。それよりも平然と自分の事を担いでいるのだがとんでもない程の脚力で走り続けていくのだが悪食と呼ばれる魔物はそれでも追いかけくる。一生懸命走ってくれているのだがその先には見上げる程の大きな建造物がありそこにスライディングするように入り口に入った後手が入るくらいの大きな泡が悪食を包み込んでフワフワと浮かせていった。
「よし、取り敢えずこの建物は暫くは安全だ。少し先にある部屋に行けば休める場所があるそこに移動してから話をしたいと思う、同行をしてもらえるかな?」
ずっと走り続きで疲れていたがここで情報を手に入れられるのはありがたい、すぐに彼に付いていき部屋に移動すると古びれていたが大きなソファがあったのでそこに座った。
「まずは自己紹介からさせて欲しい。俺の名はアウェル、誇り高き魚人族としてこの大地で戦士として生きている、其方の名を教えてもらいたい」
「ジェバル・ユーストだ、船での海上調査に向かう際に船と同等の大きさの蛸みたいな魔物に襲われて大海原のど真ん中に船が海底に沈んだと思ったのだがいつの間にか一面に広がる砂利の上にいた」
アウェルこと魚人族はスラったした整った顔でこちらをじっくりと見た後悩むような素振りをした後木製のコップのような物を取り出して【水球】を入れて渡してきた
「成る程。海上とここを行き来する守護者に目を付けられて身動きが利かないようにした後にこちら側に引き摺り込んだという訳か……いつもなら何も動かない守護者が動くのには不自然な気がするが意図的なものがあるのかもしれない」
「それよりもここはどこなんだ?悪食と言い魚人族と言い…自分にとっても理解できないことが短時間で何度も起きているのだが…」
「ここは海の底の底、海底都市ミリュートの一つパーラと言うのだがこれがまた複雑でね…『海の王』が初めに見放された街だ」
アウェルは聞くつもりのない海底の歴史を語り始めた。




