表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラ・ラガス~創造魔法で異世界を生き抜く~  作者: タツノオトシゴ
水天一碧の広大な場を駆け巡る
88/180

束の間の安寧

船尾方面に回って船の外を見るためにゆっくりと顔を出すと今乗っている船ほどではないが小型の船が点々と海に浮かんでいてそれ全てこちらの方に航路を向けていた。急に発生した霧のせいでハッキリとまでは見えないのだがここまで気配を感じ取れずにいたのは相当不味いし今も海の中を自由に動いている蛸は何をしているかなんて分からない。だから今は様子見をするしかないのだが…


「急に船の動きが一斉に止まった?動きが読めない…何がしたいんだ?」


突如全速力で進む二号艦に対して対照的な行動を取った船達がこれから何をするのか分からなかったが今自分の考えで最も最悪なことが考えられた。もし、もしもだ。彼等にもう一つの()()()()があったのだとすればそれはどういうことなのかを、それは自分達に最も不利な状況を作り出す可能性があるということ…

止まった船をずっと見続けていても何も変わらないのですぐにルウェーの方に戻って近づいてきた船のことを伝えようとしたのだが横から三叉槍が飛び込んできた。こんな近づかれた攻撃を剣で弾くことなんて到底無理なので瞬時に【宝物庫】から自身の身を守るように桜鉑蟷螂の死骸が攻撃を受け止めて弾いてくれた。三叉槍は海に落ちていったが敵にとっては関係はないだろうな


「海から攻撃が来た!死累人(ウェール)は船内にいるオルフィット達を守ってくれ!」


「了解しました、今の状況は魔法が使えるのなら話は変わってきますね…他に何か変化はあるのかオルフィットさんを守るついでに聞きましょうか」


確かに咄嗟だったが【宝物庫】を出すことができたことで一命を取り止めたと同じようなものだ、こんなにも迅速にこっちに駆けつけて攻撃をしてくるあたりやっぱり移動手段はあると想定した方がいいな。

すぐに【宝物庫】に死骸を入れ込んで船に乗り込んできた半魚人が自分の首に目掛けて突くように攻撃してきた槍を新星を使って軌道を逸らしてすかさず追撃をしようとしてきたのだが口から水の塊が生成されていき槍の形に変わっていき勝利を確信したような顔をして笑っている魚人を見ながらすぐに魔力を一つに集中させた。


「近距離における強力な魔法展開は自滅の可能性もあるのに飛んだ覚悟だな…だが防ぐ【水盾】!!」


「ギャグラ!ギャグラ!」


多分言葉を喋っているのだろうが自分にとってはただの雑音に過ぎないのだが瞬時に魔法を構築できるぐらい反応速度も魔力の使い方にも結構慣れているってことだ、元々警戒するのが普通なのだがここまで変態染みた動きされるとどうしようも無くなるんだよなぁ!

【水盾】のおかげで耐えることができた、魚人は突いた槍を素早く引きこちらに向かって連続した攻撃を続けていった。船縁に飛び上がって魚人の頭を飛び越して新星を構えて振り落とすのだが相手の三叉槍で攻撃を受け止められてしまって邪魔されてしまったため後ろに下がって一度深呼吸をする。魚人は魔力を込められた三叉槍を起用に振り回しこちらに近づいて何度も攻撃を繋ぎ合わせてくる


(変光星の【回転型】だったらなんとかできるのに船の上だから暴れて船を沈めるようなことはしたくない…だけどこのまま攻め込まれてもどうしようもない)


新星の中に格納(ストック)しておいた【月日は我が同類の力(ムーンイズパワー)】を相手の体に向けて放ったのだが犬の国で放った時よりも効力が強いことに少々驚きつつもすぐに相手の間合いに入り込んで予想外の動きをして荒らしに荒らさないと相手のペースに取り込まれたまま動けなくなってしまう…【身体強化:高速】を使って瞬発的な移動を決めて新星を相手の首に刃をかけて振り切る。


「よし…やっと一体倒せたけどまだいるかもしれないし遠くで雄叫びみたいなのも聞こえるからまずは船に乗り込んできた奴をどうにかしないとな」


船に突き刺さった三叉槍を【宝物庫】に入れておき大きな波に船が揺られて思うような動きができない中船縁を掴んで船首に向かおうとしている最中、辺りを索敵していると最小限の魔法で応戦しているシグマリが自分の方に飛び込んできたのだが空中を泳ぐように移動する刃を身に付けたような魚が大量にこちらに迫ってきていた。


「うおおおおおおお!?後ろに下がるのはいいけど周りを見てくれよ!」


「その刃を纏っている魔物すっごく素早くて精霊さん達が使う精霊魔法も通さないみたいで結構面倒で接近されたら逃げることができなくて不味いんですよー!!」


「だからってこっちに持ってくるなよ…これ見てどっかに飛んでいきやがれ!」


メラメラと燃え上がる【惑炎の舞】を船の外側に投げ捨てたおかげで勢いよくこちらに飛び込んできた刃を纏った魚達の攻撃は免れることができたがこれが魚人と戦っている時にあったと思うと背筋が凍る。これ以上危険に遭うのは嫌なのでシグマリを抱えながら周りの様子を観察しているルウェーの側に寄る


「ジェバルか…さっきから船に乗り組んでいる魚人はかなりの魔力持ちで常に強化魔法を使用しているから苦戦したからな…」


体の至る所に傷口をつけてながらも平然としている姿に驚きながらも登ってきた魚人をすぐに手に持つ剣を器用に振りすぐに片付けていく。他の団員に呼びかけられて違うところに行っていったが大丈夫そうで良かった、このままこの魚人を済ませることができれば…


「次は西洋甲冑(プレートアーマー)を着たペンギン?!」


船の外を見渡していたら真下に隠れていたペンギンからの攻撃に気づくことができずにザックリと右手を相手の持つランスが突き刺し穂先を後ろに引いた後綺麗な身のこなしで船内に乗り込みながら牽制として乱れ突きをしながら攻撃をしてくる中でも新星を巧みに動かして攻撃を弱め後退して様子を見る


「さっきまで乗り込んできた魚人達の親玉か?出てくるのが遅いからって言う理由で判断するのはよく無いと思うけどそれにしてもあのランスには気をつけないとな…あの一瞬で大怪我したんだからな」


抱えているシグマリが横で回復魔法をかけてくれているのだが全く治療が進む気配がなく変化が見込めない。辛うじて新星は片手で持てるからいいけどあの威力からすると受け止めるのはキツいからなんとかして動きを止められるような攻撃をしないとな…ジリジリと近寄ってくるペンギンを前に隣にいたシグマリが精霊魔法を使ったのだが全く効き目は無く後ろに下がろうとするのだがペンギンの出す氷魔法が邪魔をする。

新星を左手で強く握って押し込んでくるランスを弾き返し反撃として新星から【水嵐】を放ち強制的に間合いを空けるようにするのだが思ったよりも魔法の威力が大きすぎたようで海に放り込まれるようになってしまった。


(イプロの【振り出し】は無い状況で船から離れるのは危ないし置いてしまったシグマリも危険に晒してしまっている…)


必死に泳ごうとするのだが船に近づいているような感じがせず体が思うようにいかなかったのだが自分を掬うように飛び込んできた死累人が海の中だというのに魔法で明るい光を生み出した後すぐに海面に引き上げて貰った。


「あの蛸には幻想魔法が付いていたおかげで一芝居見せられていたようですね…さっき【振り出し】が発動する場所に移動して【振り出し】の効果を消すことで元の巨大生命体と交戦して海に落ちるところに戻るという作戦を考えていただなんて流石ですね」


「え、あぁ…それじゃあ今は【振り出し】を使わずに幻想魔法もかかっていないから本当っていうことか」


一緒に船の方向に向かって泳ぎ続けて縄を投げてもらって戻る間に死累人の言っていることを理解するのに結構時間がかかったのは内緒にしておこう。











「クギャ、クギェェェェェェェ!!!」


空を自由に飛び交い奇妙な声を叫び続けるのを背に甲板で息を上げながら【宝物庫】から変光星を取り出して狙いを定めて【超煌弾】を放ち撃ち落とす。周りの団員が周辺を警戒する中並行して移動する蛸は何もせずに監視しているような素振りを続けていた。


「ジェバルさん大丈夫ですか?いきなり攻撃する為だとは思うんですが突っ込むのはかなり危ない橋だと思うんですが……」


「危ない橋を渡って大変だった。それよりも周囲を警戒してくれもしかしたら見たそのままになるかもしれないから」


ゆっくりと立ち上がって服と体についた海水を風魔法で飛ばして元通りにしておきつつ自分も周辺の索敵しようと動いた。すると狙ったように嵐が突撃しているのではないかと思えるくらい激しい豪雨が降り始めて団員や自分達もかなり困惑している。吹き荒れる風に流されて全身に叩きつけるように当たる。どんどんと悪くなる天候に対して生々と動くのはさっきから周辺で動いていなかった蛸と思わしき魔物

大きな足が船に向かって数本動かしているのが見えたので変光星に魔力を早急に流し込み【起爆】そしてほんの程度の効力しか見込めないが〔秘華の炎導〕を起動させておいて迎撃体勢を整えたのだが意図的に現れた巨大な荒波のせいで足を踏み込むことができずに二号艦に乗っている全員が動けなくなり大きな足は頑丈に造られた船腹をいとも簡単に突き破り船内に大量の海水を入れ込んできた


「やばい!荒波のせいで皆動けないしこのままだと本当の意味で沈む!だったら一時的な魔法で海を凍らせて凌ぐしか…」


体から溢れる魔力を全部【氷結世界】で真っ白だが仮初めの大地は作り出すことができた。大揺れする船から滑るように海に出ようとしたのだが次々と出てくる巨大すぎる壁みたいな足というか触手が氷の大地を平然と砕いていったのだが他の触手が船腹を破壊していき遂には二号艦を囲む泡のような膜が生まれそれを掴んだ蛸は深甚なる海の底に引き込んでいった。
















「ねぇ…本当にこっちであっているの?全く変わらない景色しかさっきから見ていないんだけど」


「ごめんね?もう少しで着くと思うから…それにここに来させたからには後悔させないから」


二人の影が砂利一面の世界を写していた



















『…………これも因果と云うべきか…それにここで伝えないとこれからに関わる』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ