深い淵い海はこちらを見ている
「一時はどうなるかと思っていたけど今はこうやって目的に動けているんだから良かった良かった」
甲板の上で仁王立ちしていつまでも続く水平線を眺めながら慌ただしく動くアルチャーの団員さんの邪魔にならないようにしている。シグマリ達は海よりもこれからの流れを確認するといってどっか行ってしまったけど付いていった方が良かったのだろうか…
やることがなく暇を持て余していたので周りを状況を逐一確認している見張り係の人と世間話をしていると途中からオルフィットが入ってきて船の中にある操縦室に向かうと諸々のメンツが揃って話し合いをしていたのだが感じ取れる空気はピシッとした感じだった。机に向かって皆顔を顰めて黙り込んでいるのを横目で見つつ椅子に座ってゆったりしていた
「ジェバルさん、ここからの動きなんですが…まずこちらの二号艦が一号艦の先頭を走っていき目的場の安全を確認できたら調査が始まるのですがここからそこに向かうまでに半日はかかるのでそこまでは何もなければ自由行動なんですが…今は各場の報告を聞きますので始めは………」
オルフィットが机の上に地図を広げて体を伸ばして目的地である場を指すのだが結構遠い場所だな、もう少し近い場所でもいいのではないかと思ったがそれはその専門の人間が言うのであれば何もいうことはない。
周りの団員各々がその都度の報告をし始めたのだが自由行動と言っても何もすることがないから永遠と話を聞いていると話題が変わって研究についての諸々の話に変わったのだが聞けば生息場の違いについてや魔物が住み着いているからそれは危険だなんてことを言い合っているのだがそれはどこいっても変わらないのでは?
「それよりも魔物についての対処についてはそこにいるジェバルさんや船の周りを監視してもらっているルウェーさんが一任を持っているので見つけた際は報告してください」
「え、初耳なんだけど」
自分が放った一言で話し合っていた団員達が黙ってしまい自分とオルフィットに目線が集まりオルフィットは小声であれー?とか言いながら自分に説明を始めたのだが急に部屋の気温が下がった気がする、どうするのこれ
「シグマリ?この流れる海の中で巧みに使った風魔法で獲って捌いて食べる魚は!他にも焼き魚もあるけど食べる?というか結構食べさせていたわね…」
「お姉ちゃんとっても美味しいです!ルウェーさんがそういう事を教えてくれなかったらこんな美味しい物を食べれませんでした、ありがとうございます!」
「気にするな…これでも海自体は初めてではないからな…流石に船に乗って移動するのは初めてだがな、ここの魚は小さい代わりに魔物から逃げるために逃げ足が早いから自然と身が引き締まっているから味は美味いはずだ」
焼かれた魚の香ばしい匂いに釣られて他の団員も寄ってきてかなりの量があったはずだったのだが一瞬で底を突いてしまった、ルウェーは少し盛り上がった場所に座り込みどこまでも続く水平線を眺めながら考え深そうなのを見ながらお姉ちゃんが魔法を使って魚を獲って捌いてくれるのを待っていた
「それじゃあ海には詳しいんですか?そこまで知っている人なんてあまりいないと思うのですが…お姉ちゃんこれってまだある?」
「先生の後ろをずっとついて行ったからそういうことが記憶にあるだけだ、アルチャーで渡り合えるくらいの莫大過ぎる知識は持っていない。ただ生きるために最低限のことを覚えているだけだ」
「そういえば、周りに魔物とかはいない?オルフィットから頼まれたんだからやることはやってよね」
お姉ちゃんがふと言った言葉を聞いたルウェーさんは急に空を仰ぎ暫く黙り込んだ後立ち上がってどっか行ってしまった。何か余計なことを言ってしまったのだろうか…と思考を巡らせたのだがそこで刺身をお皿に装ってくれた時にルウェーさんが向かった先を予測しながらお姉ちゃんが口を開いた
「多分、ジェバルに言っていなかったからそれで不味いと思ってどうしようかと考えているはずよ、本当に自分のことしか見えていないからルウェーの言う先生っていい人そうだけどルウェーには苦戦したと思うわよ」
天気はまだ良かった
「それで海にいるかもしれない魔物などの対処はジェバルさんとルウェーさんに任せることになっているんですよ」
「了解した、それにしても海に魔物がいるなんてまだ分かっていないのにそこまで警戒する物なのか?」
「初めての事に対しては何にでも注意深くしておかないと必ず落とし穴がありますので確認をすれば未然に防げるのでそう言うのは必要なんですよ」
成る程ルウェーを探さないで黄昏ていた自分が一番悪いと言うことだろう…説得力のある話を一通り聞いてキリの良い所で操縦室から出て自分の役割をしようと動いてまた甲板の上で流れる海を眺めていると急に死累人が目の前から現れた。一瞬一種の魔物かと勘違いして武器を取り出そうとしたがそうしなくて良かった。
「主よ、もう少し先に魔法か何かで起こされた竜巻のようなものが発生されているのを感知しました。このままオルフィット殿に伝えに行こうとしたのですが私のことを怖がるものがいる為近寄ることができないのですが…」
「分かった、今から伝えておくからそこで見張っておいてくれ」
「畏まりました、それともう一つ…何か大きな魔力の塊を感じ取れるのでそれも頭の片隅に入れておいてください」
死累人が言う大きいの基準が分からないが注意をしてくるくらい危険な可能性があるってことだろうな…早足でオルフィットがいるであろう操縦室に向かおうとしているのだが自分よりも先に走っていく団員が扉を開けては入っていき大量の団員が声を掛け合いながら出ていき慌てているのを見ながら部屋に入るとオルフィットを囲んで色んな人が魔法道具に向かって話しかけていた。
色んな人が魔法道具に魔力を流したりしてどうにかして起動させようとしているのいるのだが機能し始めると言うわけでもなく何も反応せずにただ魔力だけが道具の中で循環しいているだけだった。
「どう言うことなんだ!遠くの方で嵐が近づいているのが分かったらから一号艦への連絡が急にできなくなるのはおかしいですよ、オルフィット准教授!」
「それは誰だって理解できていることなんだが、おかしすぎる…一号艦への連絡がなければ例え目的地に辿り着いたとしても肝心の人がいないと始められないし…」
部屋に入ってオルフィットが頭を抱えて悩んでいるのを背に後ろでシグマリとイプロがこちらに急いで入ってきた途端船体が大きく傾いて体勢を取るのが難しくなり倒れかけたがギリギリで引き止めることができたのだがそのまま船体の体勢が変わらずに斜めのままだった。
「ジェバルさん、死累人が船を取り囲むような大きい魔物が襲いかかってきたって言っていてルウェーさんと二人で対処しているんですけど…」
「オルフィット!今から魔物の方に行ってくるからなんとかしてくれ!」
言葉だけを残してシグマリを抱えて素早く壁を伝っていき甲板の上…いや今になっては坂になりつつあるな、イプロも魔法を応用させてうまく付いて来てくれた。すぐにシグマリを下ろして【宝物庫】からゆっくりと新星を取り出してながら船の先端に移動すると吸盤が付いている大きな流体的な物体にルウェーが牙を向けながら飛びかかるようにして動いて斬りつけようとするのだがうまいこと攻撃を弾かれてそのまま船に投げ返されてしまった。真っ黒な何かが横を通り過ぎて自分の横に着地してルウェーを静かに横にさせながら下ろした
「主…大抵の魔物であれば追い払っていたのですが急に真下から大型の魔物がやってきてルウェー殿と交戦していたのですが…」
「ですが?」
「あの大木のような何かに近づくと魔力そのものが使えなくなってしまって私が近づくと体の形が留められずにいる状態でして…」
大木…確かにそうだな。それにさっきチラリと見えた吸盤がびっしりとくっついているのを見ると蛸?それともこっちで言うとクラーケンとか言う名前になるのだろうか…それよりもまずこいつがどっかにいかないと船自体が危ないのには変わらない。
魔力が通じないなら物理的攻撃でなんとかするしかない、甲板を強く踏んで一本の蛸の足に向かって横に薙ぎ払ったのだが攻撃が当たる前に後ろに下がって避けられてしまった。海にドボンすると思ったのだが気づいた時には船の甲板上に立っていた
「今ギリギリだったけど【振り出し】を使うことができた…魔力が効かないって言っていたから無理だと思っていたけどそこまで関係はなさそうね。本当に考えて動いて欲しいから気をつけてね…ジェバル」
「ごめん、一応魔力無しでの攻撃を与えてみようと思ったんだけどそもそも届かなかった、身体強化を入れつつ風魔法で推進力を上げれば流石に届くか?それとも無理矢理魔力を練るとかして対処するとかか?」
「主…相手がどのような動きをするかも分からない状況で飛び込むのは自殺行為です。近寄った時に攻撃をするのが一番な手だと思うのですが……主ッ!」
イプロが横で掌の上で光を放つ魔石が効力を失うとどんどんと色が褪せていき真っ白に変わった後に砂に変化した。近くにスッと近づいた死累人がボソボソと言っているが気にせずに次の攻撃をしようと思ったのだが突発的に飛び込んできた蛸の足に気づくことができずに当たりかけたのだが急に軌道が逸れて頭上スレスレを通り過ぎていった。
「ジェバル、お前周りを良く見ろ…これ以上踏み込んで船を潰すようなことをしてみろ、すぐ船体に負荷が掛かって最終的に沈むことになるくらいお前の頭で分かるはずだろ?それに結構揺れるから気持ち悪い」
申し訳ないことをしてしまったようだ、自分でなんとかできるのではないかと考えて行動するのはやめておこう。落ち着いて行動しようと思った所で船が大きく揺れて始めて体勢を取り戻しながら奥を眺めるとこちらの方を様子見ていたのだが急に海に潜って消えてしまった。
「それにしてもあいつどこ行った?先に攻撃して喧嘩を売ったというのに逃げるとは思えないな…ジェバルはどこに行ったか分かるか?」
「分からないけど煽るのはやめておけよ」
波がどんどんと高くなっていき気付けば天候も悪くなってきて雨が降り始めていた。空に向かって魔法を利用して相殺しようと思ったのだが魔力を手元に集めようとしたのだが一定量を超えると強制的に引き離されるような感じがした。今までは上級の威力を超えるような魔法を連続していたのだがそれができないとなるとこの状況はとても不味い…一応【宝物庫】は開けるので何かあったら魔石を媒体として強行突破でなんとかするのもいいかもしれない
「ジェバルさん!後ろにいる団員さんとお姉ちゃんが何か見えるって言っていて私には見えないんで見に行ってくれませんか?私の魔法の練度だと全く魔法が通用しなくてそれに精霊さん達は全く出て来てくれなくて…」
「今この状況で精霊も動けない状況ってそれほど魔力そのものが制限されているってことか?……ルウェーと死累人は引き続き見張っていてくれ」
「分かった…気を付けろよ」
「ジェバル!後ろから小型の船が来ていてどうすればいいか分からないから様子見でもいいから来て」
そう緊迫した状況の中シグマリがそばに近寄って来て指を指したら船の後ろの方から乗り上がるように声を上げるイプロについて行ったら後ろから無数の小型船が何隻もこちらに追って来ていた。魔法無しで見れるって結構な身体能力だな…
投稿が遅れたのはあのピンクの悪魔とマリカーをやっていたからです。どんどんと計画が崩れていく…ニンニンドージョー……ディスカバリー………




