その疑いの目には執着だけが残っている
なんでこんなにピッタリタイミング合わせて攻撃してくるのか分からないのだが…取り敢えず賞金狩りの方は全く動く気配はないからいいけどこんなにも敵意を全身に向けた状態で殺してくるのだったらそれ相応の覚悟をしてもらおう。相手の姿がよく見えたと思ったら木々の入り込んだせいでギリギリの所を避けられてしまった、変光星を振った勢いは止まらず木々を薙ぎ倒していった。
「なんで、すぐに、こっちに敵対行動を見せて戦いにやって来る魔物は全員こんなにも機動力と攻撃力に長けている奴が多いのでしょうかねぇ!」
言葉をはいた時に頭に浮かんだ異様に強かった魔物は蛙に蟷螂、そしてつい昨日戦った影達の動くスピードが普通じゃない狼が時々消えては現れるなんていう謎すぎる行動をし続けてられているため全く相手に追撃する隙がなく攻撃という動きを出来ずに相手の攻撃を避けるか捌くかどちらかを続けている。
判断をミスれば確実な死が待っているこの状況で後ろから近づいてくる何かを感じて振り向いたところで集団で固まって魔法を展開している賞金狩りがそこにいた、何やってんだこんなところにいたら確実に攻撃が飛んでくるっていうのに…もう少し考えて動いて欲しいところですね。飛んでくる魔法は自分に当たりそうなものだけ【水盾】で抑え込んでおいてそれ以外を狼にぶつけさせつつ【岩石弾】を顔面に当てて怯むのを確認して賞金狩りの元に移動する
「逃げろって言ったのになんで下がろうと思わないんだよ…敵対しているとはいえ命の危険がかかっているんだ、それくらいは分かって欲しいのだが」
「お前あの賞金狩り本部襲撃した首謀者のジェバル・ユーストだな!そのとんでもない魔剣を仕舞ってすぐにここから立ち去れ!鶏鳴狗盗の森に巣食うエリアモンスターは我々賞金狩りが受け持つ!」
この人今どういう状況かわかっていないようなので早急に寝かしてあげてください。それよりもエリアモンスター…また知らない単語が増えましたということは色んなことを知ることができるので伸び代しかないと発想の転換を常に行なっていこう。
賞金狩りの忠告を無視して進もうとしたら横から飛び込んできた狼がとんでもない速さで引っ掻き攻撃をしてくるが左足を前に出して右足を出すと同時に変光星に魔力を流して狼の鉤爪に当ってから爆発する地雷戦法を使わしてもらう。薄暗い中での森の中だったためやっと見えた姿は爆発の光によって暴かれたのだがお前単体で蝶と似たようなぐらいの大きさだけどどうしたの?と言えるくらいの三・四メートル程度の巨体に鋭すぎる鉤爪に毛を逆立ててこちらに威嚇するような唸り声。
何かしてしまったのか?エリアモンスターとも言える存在が何故ここにいるのだろう…そう考えつつも手にしっかりと握られる変光星はそれに応えようとどんどんと剣身を燃やしてくれるのだが、相手がその炎に警戒してこちらに近寄ってこない
「今ので分かっただろ?お前等は反応ができなかった、そのまま何もせずにいたらペシャンコになっていた。言っている事がわかるか?分かるのなら早くここから立ち去ってくれ」
「小癪なぁ…お前なんか気にせずとも戦ってみせるぞ!かかってこい迷森の番狼!」
勢いよく自分よりも前に行った先頭で仕切っていた奴が相手の攻撃範囲に入ってエリアモンスターの前足で顔面を押し付けられて地面と熱烈なキスをしたと思ったらそのまま被っていた兜までもペシャンコになっていた。一瞬の出来事で判断がつかなかったがすぐに変光星を狼の横腹を狙って動くのだが真下から掬い上げるような魔法が直感的に感じ取ってギリギリだったが避けることができた。後ろの方で性懲りも無くギャーギャー騒いでいるが構ってやることができない
それにこのデカさからするともしかしたら攻撃範囲が広がっているのかもしれないからそこの所は気をつけて行動しておきたい。右手に持っている変光星を相手の動きの止まった足元に向かって斬りつけようと動くのだが後一歩の所で軽々しいフットワークでかわされてしまった。
それにしても動きの具合が影に似ているだろ…しかしこんな変な所で戦いを挑んだということはお前も戦いに執着を持っているということに違いない……はずだ。毛並みが逆立ててこんなにも好戦的だからそう考えてしまったがそうもなさそうだな
「一旦これでも見て落ち着いてくれ“猫灼魔術”【惑炎の舞】」
力一杯燃える炎を遠くに投げつけておき相手に向ける視線を遠ざけておき後ろで萎縮している賞金狩りの元に動く。近づいて分かったのだがこいつ等立ちながら失神してやがる…目の前で隊長風の人間の頭がトマトが潰れるみたいになったのには同情するけど全員が同じことをするなんてやめて欲しい、全員で五人で全員が腰に剣を携えているから剣士であり一応魔法を多少は覚えているのは一般的にはいいけど団体でくっつきながら行動するのはよろしくはない。このまま迷森の番狼だっけ?そいつと戦いながら守るのは難しいので【岩石牢獄】で囲んでおいた。
それと同時期に後ろからゆっくりと背中を合わせるようにしてやってきたシグマリが連続して魔法を連続して打ちつつ後ろに下がりながらやってきた
「ジェバルさん、もしかして今エリアモンスターと戦っていたりしてます?」
「ご名答、今迷森の番狼ってやつと接敵しているんだけど…それよりも近くに精霊がいないけどどうした?」
息を上げながら呼吸をしているシグマリを見ながらいつもだったら数匹はいる色とりどりの浮かぶ球体が見当たらないことを気にかけ言うと唾を飲み込んでから喋り始めるとまたしても自分の持つ運が相当悪いことが分かった。
この鶏鳴狗盗の森はそこまで魔物がそこまでいないから物資などの運搬に適しているらしいのだがそれに便乗して盗賊が多いのだと、色々と悪さする盗賊に正義の鉄槌を!と言わんばかりの猛攻撃をしたのがエリアモンスターとして強くなった迷森の番狼なのだそう。しかし盗賊もそこまで馬鹿ではないので袋叩きにして徹底的に攻撃を始めたところで窮地に立たされた迷森の番狼に救いの手を差し伸べたのが執着の黒豹なのだそう、何故執着という名がついているのかは知らないが自然と言われているのだそうなのだが今シグマリはそいつと交戦しているらしいのだがとてつもないほどの速さで翻弄してくるのだそう
普通だったら遭遇しないらしい、それなら何故今戦っているのだろうか…そう考えてしまうのだがここでなんとかするのが先決だな
「ということでこちらもこちらでエリアモンスターと同等の魔物と戦っているんですよね…精霊さん達に援護してもらいながら魔法を撃っているんですがあとちょっとのところでかわされたりすり抜けたりなんでもありですよ…」
「理解した、そちらもそちらで面倒事に巻き込まれていることは把握した…そっちの援護をしたいところなんだがこっちもこっちで面倒なやつがいてなぁ…」
シグマリがこちらを向いて怒ろうとしたところで森の奥から何か伸びているのを確認してすぐに叩きつけて差し込むと遠くで「ニ゛ェ゛ッ゛!」とでも言っていそうな雄叫びが森に木霊した。これ気づかずにやっていたけどこれ脚だな、どんだけ長く脚を伸ばせられるんだよってな、もう一度追撃のために【宝物庫】から取り出した新星を差し込もうとしたところでもう一本伸びてきた何かに攻撃を跳ね返されてこちらの体勢が後ろ向きになったところで変光星を器用にこちら側に向き直させて新星に当てさせて追撃が来ないようにしてきた。
「今のが執着の黒豹か…どうしてここに来てしまったのだろうと今更になってとても後悔している」
しかし!ここで引いたら何か後悔しそうなそんな感じあるので踏ん張るところだけ踏ん張るとしよう、新星を【宝物庫】に再度入れ直して変光星を握る力を入れ直す。
反対方向から重低音の地響きが聞こえるということは猫灼魔術【惑炎の舞】の効果が切れたっていうことだな、シグマリに一応魔石を渡しておいて正面から飛び込んでくる迷森の番狼を変光星のフルスウィングで遠くの方に無理矢理吹き飛ばしておかわりとして【水球】と【氷槍】を打ち込んでおく
視界の悪い森を駆けていくと急に木々が生えていない野原に近い見晴らしの良い場所に出たのにさっき飛ばした狼の姿が見えないの不自然である…さて何処に行ったのだろうか、周辺を隈無く探している所を狙い澄ましたかのように不意打ちをしてきたことをギリギリ察知して体を後ろに倒して横払いするようにして繰り出された攻撃を避けることができた
こちらに耐久戦を持ち込むつもりか?それがどういうものかを教えてやろう…すぐに倒れた体を押し潰そうと連続で殴りを入れてくる迷森の番狼の目に【水球】を当てて視界が潰されて動きが鈍くなった所をまずは手に魔力を適当に集中させておいて体全体を【身体強化:高速】を利用して相手の頭に向かって何度も殴っていく。これが超至近距離攻撃の真髄であるインファイト…一定の攻撃量をぶつけたところで地面に刺しておいた変光星を持って足に差し込もうとしたら思いっきりジャンプして遠くにある森に逃げられました。
「あの逃げから見るとこなさそうだからいいけど、あの不意打ちの理屈がわからないなぁ…それに素手で殴るのがキツいからなんかしらの代行武器を作って貰うのも考えておかないと駄目だろうな…」
瞬間的に何度も殴りに殴った自分の手から少量だが血が流れているのを確認しながら魔力を流して応急処置を行う、武器が手持ちになかった時のためにできる動き方も考えておかないとな…物理的で、高威力のものと言ったら籠手のようなものかメリケンサックなどの打撃効果を上げるような物とかをガドマに頼んでおきたいけどここから戻るのも大変だしまた今度とするか
『Gyaraaaaaa!!』
と思ったらまた戻ってきた。顔が少し潰れて眼球が垂れているんですけどそこのところは大丈夫ですかね!首を的確に狙って飛ばしてきた何かを変光星で弾き飛ばして一旦距離を離した所で横から何かが近づいていた。
どうしてジェバルさんは無理難題を押し付けることを好んでいるのかが私には理解ができない。さっきだって私が気を緩んでしまったのが悪かったけど話で気を取られているはずだったのにとんでもない反射神経で死角からの攻撃を平然と弾いてすぐに追撃しようとしていた。あれからジェバルさんもう一匹のエリアモンスターとの戦いに向かった訳ですが…あの後から出してくる攻撃に隙がなくなって私にとっては大変な事ばっかしで辛いのが現状です。
精霊さん達には周りに散らばって貰って索敵として活躍してもらっているのですが全く敵を見つけ出すことができずに何処からか飛んでくる攻撃に必死に対抗している。
『右の木から割り込むように尻尾がクル…』『左右から岩を手に持ったのがコッチにクルもう少し左に重心を下げて…守るから』
「ありがとう、精霊さん達。なんで姿を見せずに攻撃できるかがよく分からないですね…」
突発的に飛ばしてくる手足と尻尾は必ず私の死角から飛んでくる。それが何か関係しているのかもしれないのだがそれを調べられるほどジェバルさんみたいに器用じゃないですからそこのところは私のできる魔法を応用するとしましょう、精霊魔法を通して精霊の持つ膨大な魔法を少しだけ譲り受けて貰って木々に反射させるように単発の魔法を飛ばして縦横無尽に移動する執着の黒豹の体に当たるように打ったのだが
「当たらない…!やっぱり接近戦の方が確実なのでしょうか…」
腰に掛けておいた短剣を右手に携えて飛び込んでくる攻撃を魔法で弱めながらなんとかしようとしたところで横から【暴風】が執着の黒豹の足を取り込んで身動きが取れないようにしていきそこから連続して【風刃】が足に絡みつくように斬りつけていきそこの傷から大量の血が飛び散っていき体を元通りにした執着の黒豹は痛みに堪えるように阿鼻叫喚を極めていった。
『Nyagagagaaararara!!!』
「やっぱり風魔法はあんまり使い勝手が掴めないわね…まぁ、可愛い妹に手出しするとどんなことが起こるって事が分かればいいや。待たせたわねシグマリ…ここからは私もこいつの相手をするわ」
目の前に現れたのはイプロお姉ちゃんだった。




