繭に眠る胎児の優雅な眠りに邪魔を刺す
「ガドマ!後ろから数体の炎蜥蜴だ!シグマリはそれの援護を頼む!イオルンドは目の前にいる蝸牛みたいな奴に牽制してくれ」
火山に入ってから結構経ったのだがかなりの量の魔物と遭遇しているが確実に進んでいる、蝸牛が真っ赤な溶解液を振り撒くのが見えてすぐにイオルンドの目の前に【水盾】を出して防ぎすぐに【火炎弾】で蒸発させる。あんな危なっかしい物をほっといたら何かあったら不味いからな、次に殻から本体が飛び込んできたがメラメラと燃えている触手の様な何かを横に薙ぎって払う
「ジェバル殿!ここは私が!【剣鬼刀:碧羅の天】!」
太刀が滑るように殻を貫通してそのまま中身ごと斬りつけていった、最後にこっちに近くにあった岩に体液をかけて投げてきたが変光星の【恒久】で切り刻んだので無事だった。奥の方も丁度終わったみたいでシグマリが来たが手で止めて近くからやってくる魔物に向かって短剣を飛ばすが空を斬り壁に当たるとそのまま力を失って地面に落ちていく
「今何か聞こえなかったか?虫の羽音みたいなの気になって聞こえる方に投げちゃったけど」
「全くそんなの聞こえなかったからな…イオルンドだったら聞こえてもおかしくないと思うんだがな…羽音だったら炎灯蟲が思いつくがそこまで熱に耐性があるとは思えないしな…兄ちゃんシグマリはどこ行った?」
「シグマリならさっきまでこの自分の隣にいるはずだけど…ほら今も精霊が…」
精霊がいたのに肝心のシグマリもいないし熱でへばっていた為に水分補給をしていた筈のイオルンドもいない…すぐに【索敵】と精霊が残した魔力を元に探って視線を動かしたのだがそこには紛れもない壁しかなかった…ガドマはすぐに斧を持って壁を崩そうとしたのだがその威力分振動がガドマに向かって飛んでくるのが見えたので変光星で地面に叩きつけた所でこっちに目標を変えてこちらに飛んでくる
「見えなくてもこの感じる圧力はどっかで感じたやつと似たようなやつだ!」
勝手に喧嘩を売ってボコされた時のあれに近い。変光星を無理やり押し付けても全くビクともしないのに驚きつつも何度も【起爆】させてやっと切ることができた…深呼吸してガドマの安否を確認したら闘気を纏わせ壁に向かって突きを行う、壁に当たる直前に【起爆】をしたお陰もあったのか勢いよく砕けていって隙間から熱気と風が吹き始めた
「ビンゴだな…向かっているところとは違うがシグマリとイオルンドの魔力の残滓がこっちから感じ取れる…行くぞ」
もう一度壁に向かって【起爆】すると人がやっとのことで通れるくらいの穴に広げることができた、自分が入った瞬間に足場がないことに気付いてすぐに【岩石弾】を壁から突き出すように生み出しておいて落下だけは避けることができたのだが…真下はどう見ても真っ赤な溶岩、至る所に輝いているものが見えるが何もないので上を見ると何十にも群がる蠅みたいなのがいるのだが…その中にイオルンドとシグマリの姿が見えた
「なんだありゃ…羽の形が炎灯蟲とは違うから見たことのない魔物だな、あそこにシグマリとイオルンドがいるがなんで攫うような事をしたんだ?」
「死累人ならともかく魔人とか話が聞ける部類ならいいけどただ生きる為に動いている魔物に関しては対話する手段なんてないだろうし親玉がいる気がするがそんなのどこにも見えないからな」
「兄ちゃん!こっちに気づいた!群からでかいやつが来る!」
この世界の魔物は取り敢えずでかけりゃいいみたいな考えは止めて欲しいがこいつらも生きる為に大きくなったと考えればしょうがないといえばしょうがないのか?それよりもどうやって抵抗もなく連れ去ることができたのだろうか…麻痺の可能性もあるし何かを入れ込まれたのかもしれない、最善の注意をして行動しておこう
【回転型】に切り替えて飛び込んでくる蠅が吐き出したいかにも毒が含んでそうな色合いをしているものを避けつつ一点集中で攻撃を入れるのだが素早く避けられてしまった
「一点に攻撃したのを先読みされた?振り終わるのに時間がかかっていないのに?」
逃げる先々に毒を飛ばしてくるので足場を増やすために【岩石弾】で処置をしているのだが良い塩梅の間合いを取られて中々攻撃が届かない…うまいこと避けている所で自分に毒を吐き続けていた蠅が数匹ガドマに向かって何かを飛ばしたのを見えた、少し危ないが【火炎弾】を飛ばして焼くことができた…
「うおぉぉ!!兄ちゃん!何するんだ?!あと少しで俺の鼻先端の毛が無くなるところだったぞ?!」
「成る程糸か、あれで体に何かを触れさせて動かせなくさせるという感じなのか?しかしこんなほどのことで精霊が契約者に対して何もするわけではないしな…となると天井に何か仕掛けがあるのか?【氷矢】で様子見としよう」
一つの氷の矢が天井に向けて飛ばすと蠅はすぐに身を呈するように自ら動いて受け止めた、となるとやっぱり上の蠅が群がっているところに何かあると仮定する方がいいのだろうな…ガドマの方に攻撃が行かないように蠅に攻撃をしつつ天井に向かおうとするとどんどんとこっちに攻撃を始めてくる、シグマリとイオルンドをどこかそうと移動しようとする素振りが見えた。
変光星を力強く握って勢いよく振り回す、何匹か攻撃を入れられたのだがすぐに自分から離れていって大量の毒を色んな方向から飛んでくるが手に宿した“猫灼魔術”【惑炎の舞】を振り撒いて隙が生まれたところを【恒久】で薙ぎ払って倒すことができた。すぐに【岩石弾】を手に創造させて壁に同化させて壁に引っ付くさっき降りていったシグマリたちはなんとかガドマがキャッチしてくれたみたいだからそのまま上に行けるな…同化させた部分の【岩石弾】を足を置けるぐらいまで伸ばして一回転するように体を起こす
「さっきシグマリ達を守って動いているかと思っていたけどすぐに手放している時点で違うことが分かる…もう一度【索敵】をかけてみるか」
天井というか上で吊るされている繭のようなものからとてつもないほどの魔力を吸ったり吐いたりして蠢いている何かを感じ取れた、すぐそこに向かって短剣を数本投げるのだが
「繭に届く前に薄黒い何かが横に動いたのか?全く反応しているように見えないのに中身の魔物とは別だったら結構キツイが…うまいことやるのが自分が守るべき一番の優先順位だ」
【身体強化:高速】を使用して即座に繭に向かって進むのだがあとちょっとのところで影のような何かに掴まれて壁に投げつけられる、追撃のように殴りに殴られたがすぐに甲飆竜の終亡志刃を構えていたことでなんとか守り切れたが…今ので全身にかなりの痺れで動けない状態になっている
影が形を作り出して最終的に人型のように変形したが所々溶けている…ゆっくりと立ち上がって【宝物庫】から変光星を取り出す、【舞い踊る火粉】を使って体の魔力循環を急激に上げていく…ネックレスも連動するように宝石のところが少し赤くなっているのが見えた。
「これも〔秘華の炎導〕の効果だと思うが普通だったら今ぐらいには補給用の魔石を砕いていると思うのだけれどもこんなにも魔力が湧き出るとはな!【起爆】!」
影の体のどこかに当てれば十分!の精神で大剣を息を吐き切る前に振り回すのだがあとちょっとの所で避けるか受け流す…の二つだけでなんとかされているのがなんとも言えないがまだ早くなれる。【舞い踊る火粉】を再利用できるほどの魔力を循環できたのですぐに起動させてもっと素早くジェット機以上の速さを求める
「隙ありぃ!!」
【岩石弾】で足場を自分で創り出して足に力を入れ込んで影の周りを爆破させて無理矢理動かせた時に首に向けられた悍ましくすぐに狩られる…そんな自信のある鋭い攻撃が首に行く前に足から【氷結世界】を展開して影から首に辿り着くまでを凍らせて延命させて両足を揃えてキックをお見舞えさせてやる
氷魔法が得意じゃなかったら死んでいたかもしれないし命の危機を感じた、下手な攻撃をしているとすぐに後手になってうまいように回り込まれて微塵切りにされるから要注意だ…
「アクション系の動きはできるとは思えなかったけどなんとかできるもんだな…魔力の管理はできるようになっているし何ならかなり消耗しようとすぐに回復できるから頑張れる!」
短剣を三本ほど影に向かって飛ばすのだが全部避けられてしまったがこれも勝ちに向かう一歩として考えよう…【超煌弾】を飛ばして体の動きの制限をしようとしたのだが流れてきた影から飛び出てきた槍のようなものが【超煌弾】と自分の体に刺さるとすぐに影を戻して次は後ろに回り込んで太ももに攻撃を斬撃を飛ばすが甲飆竜の終亡志刃で受け止めて切り上げる、胴の部分がガラ空きになったことを確認して甲飆竜の終亡志刃を影の体に刺さるように投げておく
「ハッハー!攻撃が来ることは分かっていてもこんなにも恐怖を感じることって中々だな!それよりも影から出てくる攻撃を躱すことを考えるべきなんだろうけど…炎が込み上がってきた」
体に残る魔力はだんだんと力として燃焼されていき炎として成り立っているのだがネックレスに吸収されると大きな力として自分に還元されていく、普通の車が既存の物で動くだけではなくそれにプラスして推進力として動きをプラスしてくれている。影に向かって変光星を刺すことができたのだが全身を覆うほどの影が自分のところに来ていることとは思わず…体の至る所に風穴が空くはずだったがそうならなかったことに喜んでおこう
「どうした、戦いの最中に余所見なんて感心しないなぁ!吹っ飛べ!【超煌弾】!」
影は至近距離で放たれた魔法を軌道を無理矢理曲げさせて避け刺さっている二つの魔剣を弾き飛ばして自分に止めを刺さずに違う方向に走っていった、その先は守るはずだった繭…今起こっていること簡単にいうと勢いよく燃えているのだ薪で行うあのキャンプファイヤーをするかのように
「おやおや、守っている筈の繭がとてつもない程炎上しているなぁ!さっき投げておいた魔法効果付きの短剣が気付かれずに起動して良かったよ、これで中にいる奴を真下にある溶岩に落とせれば影も消えるはずだ!一緒に溶岩に入れ【罅燎轟】!」
繭に物凄い勢いの炎が燃え移りあっという間に灰になって繭の中にいた蠢く何かが影と一緒に溶岩に落ちていった、ガドマが二人を安全な場所に移動させてくれたおかげで無事大丈夫だったな…魔力回復のために魔石に残っている魔力補給をしておきつつ地面を熱で溶かしている変光星を手に持って静かに互いを牽制し合っている甲飆竜の終亡志刃を【宝物庫】に入れ込んでおく
「これでなんとかできたな…それにしてもなんでこんな火山に繭なんかあったんだろうか…火に耐性がないのにこんなことをしていたら生まれる前に死ぬって可能性もあるって言うのにね」
もう一度確認のため溶岩を見るとグツグツと燃え上がっているのが確認できる…これならいいのだがなんで空気の泡のようなものが見えるのだろう、溶岩自体1000〜1200度もあるっていうから普通の生物は死滅する筈なのに魔力が集まって行くのが不自然だ、さっきまで影に炎が通じていたのか?それともなんかしらの魔法を持っているとか?
一旦繭の中身と影を調べるために足場を作りながら下に降りていくのだがその瞬間に自分の腕に六発小さな石がぶつけられた…とてつもない速さで右腕の肉を抉られてそこの箇所だけ酷い怪我になってしまったのだが魔力を通して回復を促す
「やっぱりこんなもんじゃ死なないのか?」
影がデロデロになりながらも近くの岩に這い上りそこから削り取った岩をこっちに投げ入れるほどの力が戻っているなんてすごいな…確認のためにも【鑑定】だ
・胎児を守る影
淵源に生まれし深緑の竜の加護を持つ蟲の胎児が生まれる瞬間まで子守のように護衛する存在、近付いたものは竜であろうと斬り捨てる
ただ見守るだけではない自分自身を守る為に戦うのが今の生き様だ、いつかはいなくなるだろうがそれまで精一杯生きてやる
はい、前に犬の国に登場した黒い竜…名前は黒曜の霜在竜だっけ?そいつの他に淵源の竜は二匹いたことが証明されました。深緑ね…どこに隠れているのか分からないがここでその加護を受け取っている奴は溶岩に落としておいたのだが…影が溶け切れていないのなら本体もまだ生きている可能性がある。それにこの影自身にも守る役割があるとはな…それに加護持ちなら自分もテトと契約済みだ対等に戦える筈なのにそれ以上の技量を持っているのがおかしいだろ…
影は自分の体を瞬時に溶けた部分の治癒をし終わったらこっちに無数の影を飛ばしてくる、右腕が使えない以上一旦下がって体勢を整えるのが一番の得策だろうがガドマ達の方に動かれたら元も子もないので応急処置として水魔法で腕を覆って保護しておき氷魔法で補強しておく、これだったら数回変光星を振ることだって可能だろう…呼吸をして落ち着こうとした所で影がこちらを睨むように視線を向け咆哮を上げる
『Borrrrgaaaaaaa!』
「全身全方位に攻撃するのはやばいって!凍り付け【氷結世界】」
飛んできた影を空中で凍らせて手に“猫灼魔術”【惑炎の舞】を灯して何もない壁の方に飛ばしてヘイトを移動させて短剣を創造させて投げ込むと溶岩から飛び出た毒が最も簡単に短剣を溶かした
「影に視線を向けすぎていたが溶岩から蛹みたいなのが出てきたな…さっき繭の中にいた魔物なのか?いやそう考えておこう」
影君は最強のベビーシッターです。なんで火が燃え移るのに火山に繭を作っているんだろうね(再確認)




