炎の導きは絶えない、いつか見つける秘境の華まで
「ごめんてシグマリ、そんな怒らなくてもいいじゃん…」
「いいですよ?別に怒っているわけではないので」
見るからに怒っているのに手に持っている食べ物類がとても個人的には気になるのだがそこは触れないでおこう…結構時間も取れたし迷路みたいな道を進んでいくと少し古びたお店に着いた…そっと扉を開けると近くにあったテーブルも枕代わりにしてイオルンドが寝ているし奥の方に見える鍛冶場でカンカンと鳴り響いているので近づいた瞬間に熱が凄い勢いで吹いてきた
「お、兄ちゃんかいいところに来たな…こっち来て見てみぃ」
言われたようにガドマの近くによると目の前で鍛治をしている真っ最中だった、色んなところから魔法陣が飛び出ては消えての繰り返しで見ていてすごかった…ガドマは目に焼き付けるように動かずにいた。
「あいつ、ジークギールはこの技巧の国ドワルポンドの“名工匠”…こいつだけの鉱山が二つぐらいあったりする凄い奴なんだ、それに俺には無い血統魔法っていうのがあってあいつには【鉱物操作】と【錬金魔法】っていうのがあるから最高峰の武器などが造れるのだが…俺にも似たようなものがあるからそこまで無い物ねだりとかは無いが技術に関しては本物だからな」
「へぇ…何造っているの?見た感じ凄そうだからさ」
「宝玉の器を造っている貰っているのだがなんせ場所が場所だからな…」
ガドマはここで宝玉っていう凄い奴を手に入れるためにここに来たのだが器が必要なんて聞いていませんでした…それにそこまでしないと持つことの出来ないものなのだろうか、不思議に思うがそう言うことなんだろう…数分して近くにあった椅子に座ってこれからすることを一旦整理してみる
まずここにきた理由はガドマが異様に欲しがる宝玉を手に入れるために伝手のジークギールと話をつけるとか言っていたけど多分あの感じからするとできたっぽいな…それで自分のしたいことはただ一つ…火山で取れる燄華燈という真っ赤で燃え盛るような物があるらしいのでそれを回収…もしくは見ることができたら嬉しい…それだけなんだよね、実際名前だけ記憶していて実物を知らない珍しいケースだが知っているのなら都合がいいからね
「オメェさんが…ジェバル・ユーストか?」
「はいそうですが…これから宝玉探しに手伝ってくれることでそこにいるガドマから色々聞かせてもらっています」
手を出されたから握手かな?一応握手したけど何も言わずに準備をし始めた…水を飲む為に来たガドマに話を聞こうとしたら笑いながら喋った
「兄ちゃんは人間族にしてはあり得ないくらいのことをしているんだ、特に竜と二回戦って生き延びている時点で英雄と言われてもおかしくないんだよ」
「英雄なんていう肩書きは要らないけどそれだけで?それよりも強い人を見たことがあるけど」
嘘をつくな兄ちゃん…と肩を叩かれた。そんな事を言われても【死霊王】とか甲飆竜もそうだし【血の権力者】もそうだよな…そう思いながら流れるように時間が流れ今は目の前に大きな山が聳え立っている。富士山くらい?それよりも小さいかなぁ…
大きな山を見上げながらそそくさと先に行くジークギールに置いていかれないように足を動かす…昨日からなんか避けられているように感じるけど多分そういう意味ではないだと思うので気にせずに進むけど、蒸し暑いな…
「ガドマは暑くないのか?氷魔法でもかけて涼むか?」
「兄ちゃん、心配にはいらねぇ…こう見えても鍛治をやっている猫人族何だからこの程度で音を上げていたら駄目なんだが…イオルンドにはかけてやってくれ」
後ろを見ると息を上げながら一生懸命登山しているイオルンドの姿が見えた、イオルンドから貰った魔技装に氷魔法を流し込んで手渡ししておく、顔色が変わるのがよく分かるのだが手にした魔技装を見つめながらブツブツと喋り始めたから気にしないでおいた
「ジェバル…ここがウチの仕切っている火山の一つ…デルヒット火山だ、ここはかなりの鉱山資源が多いのだがその分それを生成するために魔力が多く張り巡らされていてこの火山自体が魔力回路と言ってもいいだろう、魔石がそこら辺に露出しているだろうが欲が出て掘ろうとすれば天然の罠に嵌まるからそこのところは涼んでいるイオルンドに聞けば大抵何とかできると思う…」
「宝玉はどうすればいい?魔力回路を壊せば結果が悪ければ噴火してここら一帯が吹き飛ぶことになるが…」
「安心しろ宝玉はただ単に魔力回路から生み出た副産物だ、ここから持っていっても全然大丈夫だ」
宝玉が副産物判定になるのであれば火山自体が魔力回路から漏れ出る大きな魔力から生み出される魔物も副産物判定ってことでいいんだよな?というかジークギールがここで仲間と一緒に鉱山資源を回収しているとなれば必ずとはいかないけど少なからず遭遇することはあり得るだろう…だったら急に出てきたとしても大丈夫だろう
準備運動として魔力の流れを感じ取るが全く火山そのものの魔力がデカすぎる為魔力の小さい魔物が感じ取れないが近づいてくる物体だけを区別しようとすれば問題はないはずだ…ジークギールがこっちに近づいてネックレスのようなものを渡してきた。
「オメェさんの戦いぶりを見たいところなんだが国から認められた“名工匠”の名がここで邪魔になってしまうのが惜しいがよろしく頼むぞ」
なるほど、ジークギールさんは多分人間国宝…鉱人国宝とかに入れられているから下手に死ぬことが出来ないのだろう…だから所有者がここまでの道のりをしてここで帰るってわけか、このネックレスは…装飾としては見た目は普通だがこれは魔技装の判定でいいのだろうか…鑑定をしてみると驚きの性能をしていた。
〔秘華の炎導〕
技巧の国ドワルポンドにいる“名工匠”のジークギール・ウェイトルーブと猫人族の技量が詰め込まれた魔技装。昔動いていた火山の源と幾万もの輝きを持つと呼ばれている生きる宝石が熔け合い生まれた物であり体内に生まれる“炎”を養分として動く
炎の導き(バーンルート)は絶えない、いつか見つける秘境の華に続く
とんでもない物をこんな簡単に渡されました…多分猫人族と纏められているから多分ガドマとイオルンドのことだろう…かなりイオルンドが死んでいる顔をしながら寝ていたからとんでもなくここに来るまでが疲れているのかと思っていたけどそういう理由だったとはな…
「分かった、ここまでの道案内ありがとう取ろうとしているやつだけ取ったらすぐに戻るつもりだから」
「無事を祈っている」
ここでずっといて帰りを遅くするのはよくないのですぐに後ろにいる三人…三匹を連れて火山に続く道に洞窟を入るのだが…意外と涼しいのには驚いた
中はゴツゴツしてかなり硬そうな岩がそこら中にあるのだが…創造魔法で短剣を創り出してポイントの場所に投げつけるとガタガタと動き始めた…動きはとても素早いというわけではないのだが見た感じゴーレムの解釈でいいのかな?
「兄ちゃん!そいつは岩鉱人に似たような奴だが火山を守る為に動く副産物だからな!この近辺だったらかなりの防御力だぞ!」
「そうかい、でも立ち塞がるものは崩すか退かすかしないといけないもんな…シグマリは足止めを頼む、ガドマは後ろから増援が来たからイオルンドと一緒に対処してくれ」
イオルンドが一本の剣を取り出すといつの間にかガドマを連れて奥にいる岩鉱人と対峙していた…だったらこっちもすぐに動かないとな、【宝物庫】に手を入れ込んで新星を取り出して核に向かって歩き始める。
体を通り抜けるように精霊達が足元の岩を削り始めたのを見て新星の格納に入れておいた【氷柱】の準備をしておく、岩鉱人は自分のことを踏み潰そうとこっちに腕を伸ばしていたのだが急に地面がくり抜かれて届くものも通らなくなりそのまま岩石に【氷柱】を叩きつけて亀裂を入れ込んでそのまま剣闘舞奥義『闘気発斬乱れ突き』で止めを指す。
「ジェバルさん、よく分かりましたね…全く言葉を交わしていないのに、やっとそういう面でのお陰で…」
「精霊魔法の飛ぶ先が見えたからっていうのもあって良い判断だなって思った、ナイスシグマリ」
シグマリはなんか言いたそうな顔をしているが先で戦っているガドマ達は…大丈夫そうだな、よし探索を続けるとするか…入ってすぐだが早めに帰りたいからな…【索敵】で見える橙色に見える炎の影が自分的にはとても気になる
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「え?フートリック海峡近くにある広大な砂漠でバレトさんがいた?」
「いやぁ…顔までは確認できていないんだがそれっぽい姿を見たって噂が広まっていてな?確信がないのにここまで出てくるって流石だな…賞金狩りの元締めって」
それもそうだが…賞金狩りのバレトなんていう単語はいくらでも回っているしいくらでも改竄できてしまうのが称号とか名声を持つ者の特権でもあるし弱点とも言える…だけど行方不明のバレトさんが中途半端な動きをする筈がないしな…頭で考え事をしていると後ろから鋭い痛みが走ってくる
「フリデップ…人の話はちゃんと聞く、それにあの考えているのが読めない人間を相手にしていると余計拗らせるだけだから今は考えずに目の前のことを終わらせていかないと」
「ごめんねジョックリー、二人にも元気って伝えといて色々と動かないといけなくてさ」
「お前も大変なんだな…こっちも話を振ってすまんかった」
話を切ってすぐに建物から出て手元に残しておいた魔導書を開いて行き先に瞬時に移動する…周りは砂漠で燦々と輝く太陽の下で歩き始めるのだが後ろから足音がする…
「距離は?」
「300メートル強…よく気づいたね、新しく手に入れた魔法書のお陰?」
それもあるけどこういうことが多くあるからな…すぐに背中にかけていた弓を構えて一発矢を飛ばすと跳ね返された…こっちに反射してきたがすぐにこちらも打ち返す、後ろから呟くように言われる次のポイントを淡々と狙い弓を引く
「今感覚を送った横にあるA…次にBに行ったらAに戻して、そしたら後ろから増やすから」
「オッケー?五発ほど打ち込む」
後ろからやってくる男の背後や首の横を通り過ぎて行くが空中に展開された魔法陣にぶつかると倍になりながら進行方向を変えて最終的には男の全身に刺さりに行ったのだが…いとも簡単に全部弾き返されて少し戸惑うが動きが止まったのを見て何がしたいのかがよく分からない…
「ルーナは後ろにできている砂山に動いて…ここは自分がなんとかするから」
「駄目、それだと何か起きた際に全く対処ができなくなるのが一番やってはいけない事だから残る」
体に密着してもう一度狙いを定めて弓を引こうとした時に大きな砂埃が近くで巻き上がった…自身の技術である【範囲探索】で感じ取ると砂埃に一人いる?
「【剣闘舞:力戰突破】…こんなにもサラサラな土なんて冒険者やってて初めてだから戸惑うが…マディーを見つけるまでは頑張らないとな!」
こっちを助けてくれたのか?それよりも手に持っている剣が市販で売られている物よりも弱いのにここまでの威力を出せるとなるとかなりの実力者だと窺えるし遠くから支援魔法を受けているところから二人組の可能性が高そうだな…
だったらあの人を囮にしながら迎撃でもするとしよう、ルーナから無言で渡された矢を装填して弾き始め打った時には敵の首元に当たっていた
「命中…こっちに来た敵は急に現れた方はどうする?眼では敵意はないように見えるけどかなりの実力者だと思えけどフリデップはどうしたい?私はどちらでもいいけど」
「一旦敵意がないことを証明するために弓とかはここに置いておこう、そして攻撃を全部弾いてきた人間が誰なのかを確認しておきたい」
「了解」
こんな目が届く場所だが一旦武器を取られないためにも生活魔法【使用者の鎖】をかけてくことができた、そのままゆっくりと足を沈めないように歩いていって警戒をしている人間に近づこうとする所で後ろから魔法が飛んできたがルーナの眼のおかげでそこのところは大丈夫だったのだがこんなにも威力の高い魔法だとどのように展開しているんだろう
「ラステル大丈夫だ!現に相手は武器を持っていないんだからな」
「こんなにも強い二人組に対してそのまま話し込みにいくのなんて本当に変わらないわね…ジェバルがいたらまた文句言われるよ」
「ジェバル?ジェバル・ユーストのことを知っているんですか?」
「「「「え?」」」」
広大な砂漠の中でとある男を知る人間が集まった…一体彼は何者なのだろうか…
さぁ…誰でしょうね(すっとぼけ)
〔秘華の炎導〕の軽い説明
とんでもないほどの火力を出したいんだったら取り敢えず動力になる炎を頂戴、そしたら魔力回路を倍以上の量にしてあげるから身体能力の蓋を吹っ飛ばして動こうね




