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ラ・ラガス~創造魔法で異世界を生き抜く~  作者: タツノオトシゴ
水天一碧の広大な場を駆け巡る
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遠い何処かにいる黒髪の君へ

見るからに目の前で戦闘が起こっている…【宝物庫】を展開しようとするのだが魔力を集中しようとしても全く反応が無くて魔力が固まり始めた瞬間に見えない何かに奪われていく。今はこの戦闘を見ろって言うことなのかな?


「後ろ頼むぞ!」


「分かった!」


魔物の死骸を足場にしている二人に多くの魔物の集団が囲んでいた。最近こんな感じのを身に染みて体験したから分かるけど多分魔物の群れ(モンスターパレード)の真っ最中なのだろうか…あ、人型の魔物が襲いかかったのに手に持っているただの剣を一振りしただけで周りにいた魔物の体が真っ二つになっていた。もう一人は紅い何かを形作って魔物の体に溶け込んでいき体から棘を大量に飛び出して絶命させていた、すごい参考にならない戦い方で見ていて何とも言えないのだが…ドラキュラ伯爵のような格好で白髪を伸ばした人が使う“血”を使った魔法は多分猿とかゴリラとか狼のやつと同じ物だと考えるとこいつが【血の権力者のベルレレト】なのか?一応そこのところは分からないのでこいつのことは仮と名付けておこう


「流石だな…お前は強大な力を持っておいてどうしてそんな吸血鬼(ヴァンパイア)になってしまったのか不思議だよ…」


「それは主の考えだからな…そんなことを言われてもこれが実際に起きていることなんだからな…後ろに六匹、息吹で何とかできないか?」


仮が声をかけた奴は口に少量の魔力を込めて飛ばした魔法の威力は自分が出せる【深海】と同等の物だった…あれだけの魔力だけでここまで出せるのなんて見たことがないな…横に通り過ぎた息吹が近くにいた魔物を焼け払っていき座っていたところだけが避けたように感じた…地面を見ると一本の花があったからだと考えると優しい奴なのだろうか…


「ここは抑え込められたな…こんなにも簡単なのもお前のおかげだな、さっさと拠点に戻らないか?………聞こえているのか?」


「……大丈夫だ、すぐに戻ろうとしよう」


此方に気付いているのか分からないが目を合わせて来たのだが躊躇なく殺して来そうな雰囲気をしていて生きた心地がしなかった…というか僕が干渉できないから見えない筈なんだけどどうやっているのか分からないんだよな…二人は転移魔法を使ってこの場から消えたのだが動かない風景を地べたに座ってゆっくりと見ていたのだが後ろから一人の女の人が歩いてきた


「こんな戦場に一人で何しているのかしら」


「いや、好きで来たわけじゃないけどね…知らず知らずにここにいるだけだから気にしなくていいよ…というか見れるんだ」


「見れる?よく分からないけど魔法でここに来たと思うんだけど…魔力切れかしら」


顔を覗こうとするのだが全く見えない…見ちゃいけない制限がかかっているのかな?それならいいけどもう少しかな?女の人は不思議そうに色々とお話をしていたのだが要所要所は聞き取れなかったし多分これもいつも通りだから何とも思わない


「今は何をしているの?」


「結果なんてすぐに分かる無駄で無謀な戦争よ、圧倒的な力を持つ十人とその主からの支配を拒んでいる魔物や人間が必死に動いているのにこんなにも大差を付けられるなんてどうしようもないと考えた方がいいのにね」


「その十人のなかにお姉さんは入っているの?」


首を振って手から魔法というよりか精霊達が集まって一つの小さな氷の塊を作り出した。氷の塊を指で触れると砕けてダイヤモンドダストのように散らばっていく、こんな綺麗な氷はマディーさんがいつもやっていたなぁ…そう考えながら自分の手に魔力を溜めようとしたが無駄だった


「私は三大神に嫌われた魔女だものその十人には何もされないけど味方がどこにもいないからこうやって姿を偽って色んな所で色んな体験をしているの…君は他の人とは違う何かを持っているんじゃないの?」


「自分だって毎日の出来事が不思議なことばっかしだし新しいことを覚える事で一杯だからね」


「そう…そんな大変な事ばっかしで疲れたりしないの?それに全く意図せずの出来事が起きたらどうするつもりなの?」


三大神…また聴き慣れない単語だ、歴史に載っていないことが多いんだろうな…いつの間にかお姉さんの方が質問の量が多い気がするけどゆっくりとできるのならまぁ…いいや、それにしても風がいつもよりか穏やかだしいつもある変な感じがないからいつもは動いていないと入れなかったけどそれがないとこんなにも落ち着いていられるんだな


「自分は一回楽な方に逃げちゃったからそれの意味がよく分かるんだけど…疲れたり意図しないことが起きてもそれに対処できる様になったらそれこそ自分を強くなれると思っている、いつまでも楽な道を通り過ぎると人間そのまま同じ道を通り過ぎてしまうから大変な方を行くと成長できるから」


「私とは反対の考え方ね…私は何でも逃げてばっかりでいるからその考えは理想的でもあるし綺麗な思想だと私は思う、いつかはそんな風に生きてみたいと思うわ」


「僕の考えを素直に言ってくれてありがとう、前はそう言う風に言ってくれる人なんていなかったから少し嬉しいや」


「ちょっと待って…少し空気の流れが変わった…」


何かを感じ取って体を起こしてその方向を向くと一人の少年がいた。見た感じ何も持っていないからすぐに気を緩めたのだが魔女さんは全く警戒を緩めずに魔法の構築をしていた。


()()…神に見捨てられた魔女が目の前にいるけどどうしよう、ここで戦闘を起こすと作戦の意味がなくなる可能性があるし逃げようとしても彼女は僕らに憎悪している存在だから…」


今テトって言ったか?ということは彼の名前は…


人間族(ヒューマン)を裏切った忌々しき存在!人間族のキャヒュール・グリエー!!」


魔女さんがとんでもないくらいの氷魔法を唱えて辺りが凍りつく世界に変わった途端見慣れた死霊魔法が飛んできた…自分には全く攻撃が来なかったから良かったのにあんなにも強大な魔法を飛ばしてくるとは…あれは【霊砲丸(レステタル)】だと思うのだがあの時戦った時よりも大きすぎる魔力量であれを連発しているのに全く動じない魔女さんもすごいよな…


「ごめんね…『』は本当は優しい魂の持ち主なんだけどこれ以上抵抗されてしまうと友達に怒られちゃうんだ…死霊魔法【終わらぬ、悪夢(タンティブル・ループ)】」


アレを食らっても幻想が見える…そんな能力だった気がしたけど魔女さんはそのまま倒れ込んで寝てしまった…自分にも攻撃してくるのかと警戒したのだが全くこっちにくる訳ではなく多分【宝物庫】から飛び出てきたテトに乗って空を滑っていった…

ここでずっと魔力を奪われていたのだが奪われないほどの練度にできたのでギリギリ開いた【宝物庫】から変光星を引っ張り出して【起爆】をして空を斬り刻むとソファの上で変光星を取り出して【起爆】した状態になっていた


「夢…にしては現実的だったな…それよりも肉付き(キャヒュール)と会えるとは思えなかったな…」


「無事戻れたようで何よりです…掛かった時間が三分弱程こんなにも早く起きれるなんてすごいですね」


「それよりもこんなことをした聖女様は何を考えての事かよく分からないのですが…フレビットさんはこの様な状況になる事を知っていたんですか?」


「えぇ…聖女様ご自身がここに呼び込んで見せると」


現実味のある夢を…ですか、それにしても今は目を隠すために布を巻いているみたいだけどあれも魔眼の一種なのだろうか…透き通った白い両眼で驚いたけどあんなものを見せられるのは魔眼しかないよな…自分の心の中での自問自答を繰り返しているとそれを見て急に淑やかに笑い始めた


「フフ、そうですよね…私のこの両眼は魔眼です、一つは未来視のもう一方は過去視の目で貴方には過去の夢を見てもらいました…というか私にはこのような能しかないので不便ですけどね…」


「聖女様!御自身の事をそのように捉えないで下さい…それよりもジェバルさんはやる事があると思いますので手短にお願いしてもらえると助かります…」


「私は一度きりしかできない甦生魔法を淵源の時代に行いました、他に使えば良かったのですがこの為に利用できたのであれば本望です…これからの貴方の未来に幸多からんことを…」


すみません、仰る事が全く分かりません






「お、やっと起きたか…ジークギール」


「おう…イオルンドが訳の分からない事を言い始めて気が動転してただけだ…それよりも本当なのか?あの菫鉑蟷螂などの各種と接敵してそれに殻も取ったなんてすごいな…」


「これが実物なんだがすごいのは金銀群蟷螂がなんで生きる宝石なんていう別名がある事なんだが…光沢とか魔力循環がすごくて武器同士を熔かすのに高級品になるのがよく分かる…」


今思い出すと自身に蓄積された魔力を何度も利用していたりして攻撃と防御をしていることがあったな…武器としては申し分のない物でありこれを一番火に詳しい種族の人間に渡して造らせる武器は悔しいが俺よりも優れた物が出来上がる筈だ…


「ここで提案なんだがデルヒット火山までの道案内の為にこの金銀群蟷螂の殻の提供を惜しまずするつもりだが…ジークギールは引き受けてくれるか?」


「これを引き付けなくて“名工匠”の名が霞んじまうだろ…それにここで断ったとしてもまだ凄い物を隠し持っているんだろ?」


「まぁ…そうだな一番の隠し球は兄ちゃんだしそれ見た時はたまげたからな…」


いつの間にか奥に行って炉に火を点けてさっきまで打っていた鉄にもう一度熱を入れ込んでいた…魔法陣が空中に浮き出して地道な武器に宿る“何か”との対話を始めた…こういう時にあの図書庫にいる奴が得意だが…場所が場所だからな






「機嫌直してくれた?反省しているつもりだからその美味しそうなご飯を目の前で食べるのなんてかなりの拷問だと思うんだけど」


「自業自得だ、それに仕事せずに観光している時点で食事を食う価値がないのは当然だ」


「ちょっと見たい所があってさー、ほら!これあげるから許して!」


食卓の上に置かれたのは一つは書類と見た感じだが聖水だろう…ここは聖教の本場だからな何かしらの手口を使えば取れるが元は賞金狩りという立場…そう簡単には取れないはずだが…


「かなり効力が高い聖水をもらいましたね…これ程の物だったらかなりの銭を積まないと部外者の私たちには難しいですけど…」


「私にはそういう伝手が多いからね、そういうのは得意なのよねぇ…だって色んな所で偽名だけど名を売っているからこういう所では強いのよねぇ…」


「そんなことをしていると最近竜教者なんていう変な集団が正義執行云々言っているが…こう見えても魔導師(マジックトラッカー)に近い魔導士(マジックラッカー)なんだからなさっさとなればいいのに」


「あー!今そんなこと言ったわね!?どんだけ大変なんて分かっていないくせに!魔導師になるために必要なものは魔力回路の異常的な回転力と魔法構築の為の演算処理に多様な種類の魔法を連発できるとか他にも色んな事が条件だって言うのに…そんなのに簡単になれっていうのはおかしいでしょ!!」


机をバンバン叩いて文句を言ってくるが剣の道に進み自分の憧れでもある先生の後を追っているだけだからそんなにも魔法にこだわる必要はこれっぽっちもなくただ生活に必要最低限の魔法さえ使えれば何も言わないのだがそっちもそっちで大変なんだろうな


「まぁまぁ…落ち着いてくださいイプロさん、それだったらジェバルさんに聞くのも一つの手じゃないんですか?ジェバルさんは温情な方なのでそういう所でだったら惜しみなく教えてくれそうですし」


「確かにあの魔法馬鹿に聞くのはいい考えね…多分もう魔導師以上の実力でしょうしシグマリから津波を起こしたとか聞いたら多分聞くのが無難でしょうね」


それが一番だと俺も思う横であいつの戦いを見ていたのだがあの異常な魔力操作普通だったら乱れてできないのが半数なのだがあれを全て完全な形で繰り出している時点で見たことはないが魔導師というもの以上であることが分かるしハッキリ言っておかしい


「それよりも今はここで見つけるものの再確認だ、ここに来た理由は分かっているよな?」


「えぇ…海上調査を控えている私たちには水中での作業が行うことを許容される可能性があるのでここで資材を集めることなんで私はここに滞在しているメンバーと一緒にバンバー商会の方に立ち寄ろうと思いますのでイプロ…クレバさんとルウェーさんは聖教リデフィルトで聖女が消えたとか言っているそうなのでその情報集めとここを物資調達の中間支店とするのでその確認作業もお願いします」


「それはここにくる前に把握したような形でいいのならこちらも安心だ…少なくても問題が起きたとしてもここに三人はいるから大丈夫そうだな…」


食卓に置いておいた一番のメインディッシュが消えていることに気が付きイプロの方を見ると美味しそうに頬張っていた…自分が最後に残しておいたのにこいつは…椅子にかけていた剣を掴もうとするがその感情を抑えておく…ジェバルに言われてしまったからな、『我慢強くなれ』と…こんなことで文句を出してしまうと忍耐強くはなれないからな、明日同じことをするとしよう

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