逃げるのも戦略的であるがその前にその殻を粉砕してやる
灰鉄蟷螂とこうして戦っているのだがそれに構わずに横槍を入れてくる菫鉑蟷螂が鬱陶しい…動きが遅いのだが何十匹になって来ると話が全く変わってくるのだが本能的に動いている奴が一番対処が難しいことが分かった。
自分の手に持つ新星を砕こうと向けてきた鎌先を地面に向けさせて仕掛けておいた【地雷】に当てて爆発した反動で多くの蟷螂が吹っ飛ばされていく、深呼吸をしてイオルンドから貰った魔技装を握りしめて循環を早くしていく…
「よぉうし、これですぐに魔法を連発できるようにできたぞ…それにここでもっと動かないとな…それにイプロから押し売りされて買わされた術?って奴を見せてやるよ…“猫灼魔術”【惑炎の舞】」
手の掌から生み出された青白い炎を投げつけると即座に灰鉄蟷螂を含む大量の蟷螂に覆い被さり辺りが青い炎の海に変わったのを見てガドマに攻撃を入れようとしていた蟷螂に勢いをつけたヒーローキックを入れてすぐに手を引っ張って起き上がらせる…
「兄ちゃん助かったぜ…それよりもこれは…」
「お前の家族が押し売りした結果がこれだ、今こいつらはあの炎にしか注意がいかないから今ここで数を減らすぞ!」
猫灼魔術【惑炎の舞】…一時的な物だが魔物や人間にも効く猫騙し的な物であり攻撃力は皆無に等しいが瞬時に攻撃を喰らったと錯覚してその意味のない炎に攻撃をしてしまうという売りつけたものにしては中々な物だけどこれで金貨三枚取るのはおかしいだろ…本能的に動いているからこそできる奇襲のような攻撃に食いついている蟷螂に対して惑わす為にしか利用できない炎だが一瞬だけ炎も回避行動を見させることもあって虚像に攻撃するなんていう意識を背けさせる一番の技である
【宝物庫】から取り出した【起爆】の効果がついた魔石をそこら中に散りばめておき本当の炎をぶつけておく
「これが一番の正解なのだろうか…イプロの奴凄い気の良さそうな奴なのに商売の時になると顔付きが変わるからな…それよりも灰鉄の方はッッッ!こいつ凄い威力で鎌を振り落として来やがった…」
炎に関係なく浮いているこっちを狙う所はいい性格していると思うよ…本当に、今ガドマがこっちに飛んできて防御してくれなかったら多分肉片となってそこら辺を空中散歩していたと思う
「ガドマ…そろそろこっから出ないとこの強力すぎる鎌で二人とも掻っ切られてそのまま餌になってしまう気がするから動きたいのだが…どうすればいいと思う?」
「それはいい案なんだが…このでっかい穴をどうやって駆け上がるかが問題になりそうだな…しかしここから上がってくる際にもあのデカブツの仲間が飛び込んでくる可能性もあることを頭に入れて置かないといけないのが難点だな…」
確かにそうも考えられるのだが、それよりも飛んでくる大きくそして破壊力のある何かが耳の横を通り過ぎて行ったりするのがすごく恐怖感を増幅させてくるのだがここで怖気付いてしまうとここから動けなくなってしまうから変光星の【回転型】を起動させて鎌の先端で押し潰して来るのに対して蛇腹剣の剣身を連続して当てていってそのままカウンターとして【微塵嵐】ぶち込んでおく
「よし、ガドマここから動きたいのだが…アイツら遠くから狙っていやがる!」
「あそこまでの距離になると全くこちらの射程距離の差で全く届かないのだが…流石は灰鉄蟷螂だな…なんでも出来るのが取り柄なんだろうな…それにここまで鎌からでる攻撃が自分の住処を削り取っていくのにそれも関係無しだと考えるとかなり乱暴者なんだな!」
やばい、何かにキレて暴れ始めた灰鉄蟷螂が大きな鎌を振り始めて辺りをどんどんと削り取っていって子供である金銀群蟷螂も押し潰してこっちに飛んでくるのだが… 壁を堂々と崩していくなんていうとんでもないことをしてくれる
狙いは定めていないのにこんなにも破壊力があるせいか逆に近寄りにくくなっている…甲高い雄叫びをあげて此方の方を見た瞬間に後ろに下がって桜鉑蟷螂の時に見た光線を打ち始めた。
「ガドマ!後ろに下がれ!これの攻撃の対処法は僕にしか分からない!」
「分かった!任せるぞ!その前に取り巻きの蟷螂を削っていくために不業動の斧…行ってこい!」
「Gyariririririri!!!」
ガドマが投げた大きな斧が周りにいた蟷螂の頭をかち割りそのままガドマの手の元に戻っていった…凄いなあの斧、自分もああいうの欲しいけど変光星とか色々と頼もしい武器はいっぱいあるからな、飛んでくる光線に対して新星を取り出して勢いよく流れ込んでくる魔法を格納していき地面に刺さっている鎌から駆け上がっていき蟷螂の何十にも殻が付いている顔面に向かって【爆発型】で燃えている変光星をフルスウィングで当てていく、急な打撃で灰鉄蟷螂の体勢が崩れたことを確認してガドマの足元に風魔法を使って穴の上に持っていく…
「兄ちゃん!俺だけを上に飛ばしていいのか?!」
「こいつはなんとかして再起不能にしてからすぐにそっちに向かうから一旦シグマリと合流したらすぐに洞窟を出てくれ!」
「分かった!すぐに戻って来ることを待っている!」
穴からガドマが這い出ることができたのを見てすぐに【宝物庫】から甲飆竜の終亡志刃を取り出す…目の前では異常な程の再生力で完全とは言わないがかなり回復された灰鉄蟷螂が此方を向いて仰々しい大きな鎌を独特な構えをとって動きを観察していた、こんなにも警戒されるなんて結構いいパンチ(魔法)が効いたんだろうな…というかそれぐらいの威力を入れたんだから当然ってやつよ
相手の動きに合わせて武器を構えた瞬間に大きな鎌を地面に叩いて体を一時的に空中に浮き上がらせると無数に飛んでくる光線が目の前に溢れかえっていたのに対して自分は力一杯体の魔力の循環を優先して今力強く出せる風魔法をブッ放す
「こんな光線なんて全てを動かす風には意味がないんだよぉ!吹き飛ばせ!【独展颪】!」
近くまで飛んでいた光線が一気に軌道を変えて周りの露出する蟷螂たちの死骸を砕いていく…身動きが取れないことをいいことに両腕をクロスさせるように動かしてくるのを感覚で読み取り一時的に元の【飌偏道】と【飭動途】に戻して受け止めるのだが途中で受け止め切れないことを察してすぐに双剣を通して【白銀世界】を使って地面から鎌に氷を繋げて身動きを取らせないようにして地面に足をつけて体の重心を支えている前脚に向かって一点集中の攻撃を喰らわせることができた
「これが魔法攻撃(物理)って奴だ…結構響いているようで何よりだ。よし、これで上に上がることができる…一生ここには寄りたくないな」
体に風を纏わせてすぐに上にあがろうとした瞬間に大きな雄叫びをあげたと思ったらそのまま身体の周りに殻を生成してそのまま動きがなくなったのを見て一安心してそのまま上がってこれたからな…よし、取るものもとったし灰鉄蟷螂の殻も取れたんだしこれで十分だな
ありったけの殻…というか各種蟷螂の死骸を逃げながら【宝物庫】に入れていたこともあったからここでやることを終わらせたからいいんだけど…洞窟をゆっくりと出ていこうとする時に変なテントみたいなのを見つけた
「お前等何やっているの?すぐに移動したいんだけど…」
「いや、ただここでテントを張って来るのを待っていたんだけど兄ちゃんは大丈夫だったんか?」
「大丈夫じゃなかったらここに来れていないだろ…外は夜みたいだけど早くこの洞窟から移動するぞ…少しの間は蟷螂はもう見たくないからな」
テントから出てきたガドマが同情するように肩を叩いてきた…お前そんな性格していないだろ、急にそんなことをして来るとは思っていなかった…
体の力を抜いて手に持っていた双剣を地面に刺しておいてイオルンドから貰った宝石を見たらもの凄い亀裂が入っていた
「ジェバル殿…それは昨日渡しておいた物ですか…?」
「そうなんだけど魔力を流しすぎたみたいでこんな感じになっちゃった、だけどまだ使えるから安心して」
イオルンドが口を開けてなんで耐久力が高くて有名な峯閠鈺から造った物なのに…どうしてこんなボロボロになるんだ?とかブツブツ答えているが気にしないでおこう、早くここから動きたいのだがガドマから渡された干し肉をしゃぶっていた
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空気が澄んでいて森の中ではないのに普通の場所ではないように錯覚するぐらい目の前には多くの魔道具が陳列していてかなり整備も充実しているこの界隈では他の国から来た種族が口々に口を揃えてこういった。
「“最適解の国”」
完璧で最適解なのは表の世界なのだが…色々と整備されて生きていくのにはとても十分と言われているような場所でこの世界で数少ない娯楽というものがある、この国を成り立たせたある一つの種族がここまで発展させたというがそれは御伽噺としてこの国いる多種族が伝えられていった。“表”というのなら“裏”もあるのだが裏側の世界では完璧などと言えるような状況ではなく、多くがスラムのように行き場のない人間がここで蔓延っている。“裏”の中では生きるのもかなり困難と言われていて裕福な旅人が近づいてはいけないと言われている。
今危険な“裏”で僕はとある機械の部品を大事に抱きしめながら危険な道を歩いている、魔物に怯えながら歩いているわけでもなくただ同類の人間から身を守るための行動である
「おい!クソガキィ!また俺等の団の所から部品を盗みやがって!今度という今度は容赦しねぇからな!【炎弾】」
逃げている途中で後ろから飛んでくる炎の弾丸が耳元でピュンピュン音を鳴りながら飛んでくる…足につけておいた魔石を起動させておいて素早く動いて後ろから追って来ている大男から逃げ出すことに成功した…
目の前に立っている魔導線の支柱を攀じ登り近くのある家の屋根に飛び移り自分の根城にしている小さな部屋に入り傷が多く入った机の上にさっき盗んだ部品を置いておき鉄で作られた壁に三度ノックをすると緑色の髪をした自分くらいの少年が専用の入り口から出てくる
「ルンドゥ!△RP型の腕をくすねてきたぞ!」
「マジか!どっから持って来たんだ?老人ばっかしの梟亭か?それともクリントールで屑鉄になった試作品からか?」
「聞いて驚け…またあの赤傷狼からとってきた上者の奴だ、アイツ等急にクリントールで戦わせる為に造った機動魔岩人を分解して何か造っていた時に軽い電波を流してやったら簡単に動き始めて大男三人殴って吹っ飛ばして最後は近くにいた警備員に破壊された所をシュッとな」
「ということは“アレ”も動かせる時が来るのか?」
ルンドゥが指を刺すのはここらじゃ珍しい人型の機動魔岩人の模型で未完成だ…少しの前に自分が表に外出した時に急に空から降って来たから誰にも気づかれずに持って来たのだが…中身がとてつもなく精密で何かの表の世界の上部のボディーガードかなんかのものだと思う
「いや、あれは全く動かせないんだ…しかしくすんできたあの△RP型の腕を分解して早く俺たち専用の武器を造っておいてすぐに部品漁りに行こうぜ!」
すぐに共同で作業台に向かって黙々と分解作業を始める、これほどの高性能な機動騎士から作れる武器なんてとんでもないものが出来そうだ…精密に組み込まれた回路をじっくりと眺めながら自分が欲しい武器の形に変えていった
♢
オルフィットと死累人…イプロ共に資材の運搬の途中でニコニコしながら懐に金貨をしまったイプロを捕まえて話を聞いているのにこいつ…うまいこと隠しやがったな
「おい、イプロそういえばお前ジェバルに勝手に買い付けてたの見たけどあれはどういう意味だ?」
「え?知らないなーそんなことをする訳ないじゃない、あのもう一個の大陸の方ではその時の職業で動いていたからその癖が直っていないだけです」
「それで、ジェバルに売りつけるなんて凄いな…いくらだ?」
「金貨三枚」
こいつは本当に馬鹿だ…おままごとのような値段をふっかけて売ってそれを買うあいつもあいつだがここまでだとはな…隣にいる死累人なんてただ荷物を運ぶ運搬人のようになっている
「この事についてお前はどう思う?死累人」
「どうと言われましても主も寛大な心を持っているのだなとただそれだけですが…それよりもなぜ私は主の側で戦っているのではないのでしょうか」
「信頼しているからじゃないですか?教授もよく言いますよ、信頼がなければそんな仕事は任せないってジェバルさんもそれがあって此方に動かしてくれのではないですか?結構スピードが早くて仕事が捗っていますけどね」
後ろで一番の側近にいる魔人からの言葉でショックを受けているものが膝を崩して倒れ込んでいるが気にせずに置いていく…今頃あいつらは何をしているんだか
「それよりもここから先は聖教の人間がいるんだろ?死累人は少ししたら後ろで動いている馬車の中に入っていろ、魔人がいたらもしかしたら戦争が起きるかもしれないからな」
「聖教リデフィルト…まだ残っていたなんて…」
「皆ま゛って゛よ゛ぉ゛……」
後ろで何か騒いでいるがそのまま無視をするのだが一瞬で後ろで両肩を掴まれてそのままひきづっているのだが然程重くないので歩いていたのだがわざと負荷を掛けて木たりして来たので剣を抜いた瞬間に正座になって黙り込んだ
「お前馬車に乗ってろ」
「はい、すいません…反省してます」
サーモンランが楽しみで仕方ない人間です、早く夏が来ないかなぁ…




