自由を求めて歩き続けるその先は 其の六
「とうとうお前さんが言っていたとんでもない状態になってしまったから無言になっちまったか…聞こえていないかも知れないがそれにしてもこの鎌はかなりの物だろ!まだ特殊な能力がある上に神様が俺に贈り物としてプレゼントしてくれたものだ!大層強いものをくれたみたいで本当に助かるぜ!」
見るからに動きは変わらずに人間離れした攻撃をしているのが恐ろしくて儘ならない…血の斬撃をバシバシと飛ばして来ると思ったらいつも通りの剣での突撃をして来るから少し驚いたがもう意識がないってことか?戦いの最中に言っていた眼と血…それに呪い持ちがこんなところでフラフラして良い筈がないし呪い持ちは神に見放された存在だから動きに大きな制限があるはずのにこいつにはそれがないのか?疑問しか浮かばず必死にただ飛んでくる剣撃を受け流すという流れが固定してしまった…
「だ…だめだ…まだ正気を保って攻撃をするんだ、ここであれを暴発して何かやらかしたらあいつにも迷惑がかかるしもしかしたら殺す可能性もある!【血嬲覇涙】!」
至る所に少量の血が浮いていて生きているように動き出しそのままこちらに向かって飛んでくる…そのまま鎌で弾くのだが弾いた瞬間から持ち直して自分の急所に追尾してくる…こいつまた変なの出してきやがった捌き切れるがこのまま続くようならもう一回神頼みをしなくちゃいけないことになるな…動き続ける血の塊が形状を変えてだんだん短剣のように変わっていって物凄い速さで自分の顔面に飛んでくる…
「ヤベェ…このままだと自分の体がお陀仏になっちまうな…どうにか策を練らないとな、それにしても今更な感じがするがお前かなりの出血量で失血にならないのか?」
小声でそう呟くのだが目の前でゆっくりとだが正確に攻撃を続けるルウェーには驚く、ここまで強いのに賞金狩りを裏切った理由が分からない。 そのままこちらにいれば確実に監視員として地位に立って優位に動けるっつーのにそれを蹴飛ばしての利益がジェバル・ユーストにあるってのか?同じことの繰り返しで頭が痛くなりそうなのでそのまま考えることをやめて飛んでくる魔法というよりか固有の技術を見極めながら後ろに下がって地面から生えたというか召喚しておいた武器を手にしてしっかりと持って鎌を相手の顔面に向かって投げたのだが溢れる血がギリギリのところで防御の動きに出て全く届かなかった
後ろから荒れ狂う風が飛んできて驚いたのだがもうここまで来てしまったか…というか他の賞金狩りと監視員を蹴散らしてきたってことか!鎌を素早くルウェーに向けようとしたのに風がクッションになって邪魔しやがる、どんな魔力の流し方すればこんなにも面倒な魔法になるんだよ
「ルウェー!!死累人はそのままあいつと戦ってくれ…魔導書を使って治癒する時間を稼いでくれ」
「承知…見た感じ連戦で疲れているように見えますがこのまま押し込めば何とかなりそうですね 『闘嶽真流:翡翠』」
辺りが一瞬青く見えたと思ったら体の数箇所に深い傷がついていた、瞬時に防御に徹したのだが全く身動きが取れなかった…感覚が戻ってきたと同時にこの痛み…この魔人はバレトと対等に戦った野郎だな?これ程の野郎だなんてやばいな…それよりもジェバル・ユーストなんてあの距離を一瞬で移動してルウェーの事を回復してやがった。ここまで強いとは思っていなかったが化け物並みじゃないか…
「今の一瞬の出来事を認知して防御の体勢を取ることができるということは一回この技を受けたことがあるのかその術中に嵌った人間を見たことのあるかのどちらか…」
「とんでもない物使っているようだが…その剣に名前はあるのか?そんな威力を出せる魔剣なんてそうそうないからな」
「私はこの魔剣を『燦澹』と呼んでいます…明るく光るのは当たり前ですがその光の裏側には必ず闇もある…それを表したかのような剣ですがこれは主の創造魔法から作り出しました、私もこのような魔法が実在しているのは初めてでしてね…かなり驚きましたよ」
見るからに触れたらやばいことを分かる率直な剣でありがたいな…しかし創造魔法?聞いたことのない魔法だな…得体の知れないものを手にしていることは分かったがこんなにも強いなんてな…剣を投げ捨てて一瞬だけ気を逸らしたところで後ろから借り物の鎌を手に引きつける
「それは負の連鎖を断ち切る鎌…断鎌が何故ここに?持ち主は殺してそれも壊した記憶があるのですが…覚え間違いだったのでしょうか」
「武器の持ち主を殺したなんて武器にとっての負の連鎖が引き連れたんだかなぁ!ここで断ち切っとかないとな!ジャキンジャキンってなぁ!」
大きく振りかざすところで剣で抑えられたと思ったら足を引っ掛けられてそのまま転びそうな所を可愛い後輩が助けてくれた…一瞬死が見えたがこいつはえげつないな、鎌の主もこんな奴と対等の立場だった可能性もあるのかもな…
「ボス先輩すいません!どデカい魔法を入れ込まれて身動きが取れなくなったところで動かれてしまってこんな失態をしてしまいました!」
「いいや…今のがなかったらマジで死んでいた感謝する」
細剣で魔人の牽制をしながら交代するのだが後ろから殺気が飛んでくる、すぐさま構えたのだが右腕が切り落とされてしまった…何が起きた!全く見えなかった…気づいた時には木に埋もれていたし、フィンデルはジェバル・ユーストの剣を押されながら拮抗状態なっていた。すぐに治癒魔法の魔導書を使って右腕の再生をしているのだがあの魔人はこっちを見ているのにも関わらずに攻撃をしてこない、怪我を治癒したとしてもすぐに切り落とすことが可能だからそうやってこっちを見ての行動か…だったら時間がかかるが十分体力を回復させてからすぐに戦闘に参加しないとだな…
◆
「さっきも言っただろ…邪魔をすれば斬ると、それにも関わらずに治癒をしていたのにも攻撃するなんて度胸あるな」
「何なんですかこの魔力量…さっきまでは全く魔法を使っていないように見えてずっと身体能力 を上げるために使っていたんですか?」
グチグチうるさい、すぐにボコして次はあのおっさんだ。あいつがルウェーに攻撃をしているみたいだけどあの鎌にはまだ何か隠していそうだから注意しながら対処すれば問題ない…こいつはこいつで体力お化けだからヒット&アウェーを繰り返していけば何とかなるはず…一瞬我を忘れてたけどそのまま攻撃を続ければ必ず疲労は溜まるからそこから生じる隙を見つけて戦闘不能にすればいい…
相手の剣先には毒と麻痺薬…他にも塗られていそうだが多分これくらいだろう…けど面倒な物が塗られていて一回目の戦いは後ろからの攻撃として【岩石弾】を頭にぶつけて気を失ってもらったのだが…こんなに早く戻って来るなんて思っていなかった。今は風魔法を駆使して攻撃を繰り返しているのだがなかなか進まないものだな、【宝物庫】から変光星を取り出して【恒久】を行う。木々に何度も当たって反射してどんどんと早くなる制御が効かなくなる前に取り敢えず思いっきり振り回しておく
「これ当たったら本当にやばい奴!【火炎弾】!」
「【水球】、こんな森のど真ん中で火遊びなんていう危ないことするな」
火遊びにしたらかなりの規模になるがここで森の火事なんて起きたらとんでもない事になるからな…飛んできた火の玉を軽く水一滴振りかけただけで水蒸気になって消えた。魔力の練り具合を極めればここまで差のある魔法であっても相殺は可能ということか、一つ賢くなった気がする少しだけな。そのまま地面を何発か叩きつけて土埃を立てて六発叩き込むのだが…四回攻撃できたのだが…それ以外を受け止められ一旦後ろに下がる
「鬱陶しい…随分変梃な剣ですね、こういうのが私にもあればいいんですけど筋力がないのでそんな重そうなものは持てないから細剣を使っているんですよね…でも!悲観していたらそのままズブズブ落ちていってしまうので攻撃を続けますよ!」
そう言って飛んで来る時に確認するが両手に持っているのは同じような形状をしている細剣…二刀流の細剣か、どちらも薬が塗られているとしたら近づけるわけにもいかないし後退しながら戦闘するなんてことしたら全く攻撃が届かなくなってしまうのでそのまま突っ切る選択肢を取る。どんどん廻りに廻る【回転型】は勢いを止めることのできずに遠心力に従って動き始める、このままだと自分にも当たる可能性があるのでここで一つ手を打っておく
「【独善旋回】!自分を中心にして攻撃を後五回当ててやる!今はこれが目標だ!」
「その五回が何のことか分かりませんが!弾くかなんかして突破するのみです!」
自分が中心、この場を掻き回すのは自分…自己中心的にだがこの場を乗っ取ることができれば遠くからでもあのおっさんにも攻撃することができる…そのためには最低五回、最高十回相手の体をぶつける必要がある!そのまま振り回すごとに遠心力が掛かっていき逆に引っ張られていく…踏ん張るんだ、このまま立ち続けるんだ!軸になっている体を固定するために【白銀世界】を足につけて固めていきその上に【岩石弾】で補強する
「一発ぅ!次は肩、首、背中だ!」
魔法で補強したのにも関わらず足が抜けて体がいろんな方向に飛ばされるので木を踏み台にして跳躍する、すぐに剣を振って首と背中に当てる事ができた…これで三回!残った勢いで飛ばしたところで壁が出て来て妨げられる。これは初っ端見た奴!体が真反対に飛ばされる中その魔法が出て来たことを目視して【氷柱】を展開して頭にぶつけるのだがやはり当たっていない。普通の魔法の類のはずなのにすごい耐久力だなどうやってやるんだろう…
まず一個目




