『剣帝』対【雪薔薇の高嶺】
「やあやあフロマンティカ王、久しぶりだね」
「これはこれは…とても可愛らしいお嬢様だ。何もないこんな所に何の用かな?」
「んーやっぱりボケとしてやっているつもりなのかな?まぁいいやこれも面倒だしすぐに殺してしまう方がいいな」
後ろに回り込んで手刀で心臓に一突きしてそのまま体を放り込んだ。体に垂れてくる血が気色悪いけどこれで目標である王の殺害はこれでオッケー…次に面倒くさい仕事は何だっけ…そうだ!竜の死骸の撤去だ。色々やることが多いから来てくれれば楽だったのに本当にケチなんだよな一呑気に話していたが背中に向けられた目線からとてつもないほどの殺気を感じた。
「もしかしてだけど『剣帝』はまだここにいたのかな?想定外だ」
「ほぉ…よく知っているな…どこでその情報を仕入れたのか知りたいが友を殺した人間にそんなこ とを聞く理由はないか」
剣を抜いたと思ったら数百の斬撃が腹などに当たっていき致命傷になり死んでしまったが、まだ私に残っている命は全然残っているから大丈夫だけど…まさかここに居座っていたなんてね、これが終わったらちゃんと報告しておかないとな
「呆れるほど弱かったな…国の騎士共の人間は目立った外傷はないのに即死している…魔法を生業 にしている人間だったのか、感情的になってそういうのも見れていないのもまだまだ未熟ということを突きつけられてしまったな……他にもいるかもしれないな外に行くとするか」
今『剣帝』が外に出てしまった…これをマディーちゃんとかの方に持っていったら壊滅もあり得るな一失敗したらマジで殺される。本当に頑張らないと、命を簡単に使える罰則として一時間という制限があるがどうにか持って欲しいと願うことしかできなかった。
一時間後
謁見場の真ん中で寝るように倒れていたが冷たい風に感じて起きる。んーっと?これはマディーちゃんの氷魔法…マイナーな魔法だけど呪いが関係しているからだけど…使いこなせればいいけどあと一年位かかりそうなのがネックなんだけど頑張って欲しいしお願いだから早めにしてくれれば嬉しい限りなんだが…
「それにしてもこんなにも綺麗に体をズタズタに斬られたのはあの戦争ぶりかなぁ…戦争に関しては何にも言えない、言うことのできない身だけどねーアッハッハハハ!君そんなところで何してるの?」
「お陰様で…我が王がこうも簡単に殺され貴方も 『剣帝』に体のそこら中に風穴空けられてぼっくりと死んだと思いましたが…中々そんな風にはいかないようですね」
「お、名前なんだっけ一応こう見えても裏で管理していた身だから名前わかるはずなんだけど…うーんフルフル公爵だっけ?」
「フウェル公爵です」
あれー?違うっけ…あんまり人の名前を覚えることは嫌いだからそこまで知るつもりはなかったが今になったらどうでもいいか、お腹にポッカリと空いてしまった穴をゆっくりと治療魔法で修復する。一瞬で穴が塞がりそこら辺に落ちていた鉄の剣を手に持ってフウェルに近づこうとするのだが足元にあった【地雷】を踏んで体が吹き飛ぶが…
「そう言うふうに何手か先の行動をするのは相変わらず変わらないね」
「しかし、これだけ強力な爆発であってもその治癒能力は凄まじいですね…とてもと思いますが人間のように見えませんが」
「女の人にそんなことを言うなんて酷いねぇ…よしパッパと終わらしてご飯でも食べようかな」
「そういうことを言う割にはあんまし威力が低いですが…倒せるとお思いで?」
初級の魔法でも使い方次第で魔法の威力は強大になる、そう言っていた人の言葉を思い出しながら闘嶽真流を木の棒に流し込み我流の構えを取って飛んでくる上級魔法を叩き落とす。
■
何処から来るのか分からない剣撃を氷魔法を多用しながら受け流しているのだが、見たことの無い動きで翻弄されたりフェイントを掛けられたりと何でもし放題ですごいイラつく。ほら今も剣先が分かっているのにも関わらず受け流して後ろに下がるとかいう自分に不利な状況を作り出す…本当にそういうところが性格が悪いと感じる。
「貴方、本当に自分を不利にする演技上手いね、 それは性格が悪いって世間ではそう言うのよ?」
「そんなに演劇が嫌だと思ったか?全く届かない程弱いからここまで名演技をしいているというのにそういうことを言われるなんてな…なら【瑠璃動齶】」
足元から可視化された何かが私の足を潰そうとしてくるが氷魔法で何とかするつもりだったが二段構えで出てきた何かに右足が噛み砕かれて動けなくなった時に『剣帝』は後ろに下がった…
「何かに噛み砕かれた…もう私は物理的に動けないけどどうするつもりなの?」
「ただ殺すだけだ…お前にへばりつくように魂についているその呪いには触れたくないのだが肉体にはそれがないからな、ただ斬る。この行為だけには呪いは反応しない、これは海の王から聞いたことだが今も見ているのかも知れないからな」
「海?私たちに海を航海するような技術は持っていないはずよ?どうやって海のことについて知っているのかしら…」
不思議だ…そんなに海に興味を持ったことはあるが航海技術はないからこうしているけど海の王?何言っているのかしら、海を渡るなんて自殺行為に近いことをしていた『剣帝』なんて笑ってしまうわね。しかし、もうここまでみたいわね…足が本当に不良品のように微かに動くが全く歩く とかには出来ない。しかし何かしら動かないと率直的に駄目な気がする、まだ諦めてはいけない!必死に足掻かないと!
「興醒めだ……【剣闘斬:土蜘蛛】」
斬撃が八本飛び交う様に飛んでいき自分に当たりそうになるところで自分の中に眠っている氷のように凍った核が見えた。その瞬間何かが魔剣の中に入り込んでいったのを実感して口を大きく開いて叫んだ。
『魂からの咆哮を確認しました。所持品である 【雪の孤独】とそれに適合する神器との合成による改良…そして『一情報規制ー』に対して封魔装置の取り外しを申請…受諾しました。【新雪の華】に合成に成功」
目の前にあった斬撃は塵の様に砕けパラパラと散っていった。いつの間にか身体は修復されていてそのことに驚きつつも『剣帝』は私の持つ今さっき変貌した魔剣【新雪の華】を見て後退りして間合いを取り始めた。魔力を込めて『剣帝』に向かって【白銀世界】を放つと足元は凍っていき自分の思うように動き始め氷が生きているように『剣帝』を襲い掛かり始めた。
「……こんな時に限って専用武器として目覚めるとはな、神様もそっちに微笑んでいるということなら仕方ないが…それにしても氷が自我を持って攻撃しにくるとは面白い……どこまで耐えられる かなぁ!【剣闘舞秘義『剣帝:毒叢龍』】!」
剣から飛び出てきたのは禍々しい竜で【白銀世界】を溶かしていったり剣を舞わせるように生きているように動かしていった。私もすぐ近くまで寄って斬りにかかっていく、何だかとても自然と体が動いていき魔剣から生まれる氷は何度も生成されて『剣帝』を覆い尽くすように囲んでいった。
「氷の中で孤独に生きるのはどうかしら!それとも今ここで斬られて死ぬのどっちがいい?」
「ははっ…私はこんな所で死ねないのでな剣幻舞奥義『廻転空絶斬』…さらばだ」
さっきまでいたはずの場所が歪んでいき幻想を見たように消えていった。急に形勢が危うくなった瞬間退却するのはいいんだけどこの後はどうすればいいのかな?
◆
何か夢を見ていたのだが実感できるような正夢の様だった…すごい激しい戦いだった。まるでそこに立っていた感じだったのだが…今は椅子に縛り付けられているこの状況を何とかしないとな…その前に優雅にパンを食っているルウェーに話しかける。
「おい、何呑気にパン食ってるんだよ。早くこの縄外してくれないか?」
「嫌だな…交渉をするためにこの状況を整えたというのにそれを台無しにするとはちょっと難しい話だからな」
「それで?何を交渉したいんだ?」
こいつ…まだパン食っていやがる…すごいふかふかで美味しそうだな!おい…それにこいつ全く食べ終わるまで話してこないからその分待たないといけないのが余計腹立つ…さっきから魔法を使おうとしているのだが縄に付与されている効果かどうかは分からないが魔法を創り出そうとするとその分を吸収されて実体化しようにも出来ない、何を付与したんだ?それとも抜け道があるのか?そう模索する程十分位時間がかかって話を始めた…
「お前の旅…チームに入れさせてもらう、もちろんジェバル・ユーストに拒否権はない。何故なら自ら自分で借りを作ったのだからな」
あーそうくるのか…てっきり使っている武器を貸せとか言いそうだったがまさかそんなもんだったとはな…そのくらいだったらいいけどどうして村を使ってまでも僕を拘束したかったのは何故だか分からなかった。なんで?
「いいけどお前ら賞金狩りという立ち位置はどうするんだ?」
「捨てるつもりだもう必要ないしお前と戦うという馬鹿げたことなんてしたくないからな。ただでさえ監視員がいなくてよかったのにお前のことで監視員に目をつけられての労働は専らごめんだからな、いいんだよ」
「はぁ…もう一人の女はこのことを知っているのか?」
頷かれた。多分もう話し合いをしてからの決行だったのだろう…というか早くこの縄を解いて欲しいのですが、まだですか?




