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ラ・ラガス~創造魔法で異世界を生き抜く~  作者: タツノオトシゴ
序章
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“鉄の森林”の夜にて…

屋敷の中では色々な声が聞こえる。


「領主様領土内を念入りに探したのですがどこにも居られません」


「もっと念入りに探せ。何としてもだ!」


「「「ハッ!」」」


屋敷内の渡り廊下をズカズカと歩きながらジュダーは悩み続ける。なぜ急に、今になって屋敷から消えるのだ!ジェバル!

心の中の言葉は自身の子供には聞こえない。“鉄の森林”に場所を移しているジェバルには…



「よっこいせっと」


上に乗せていた蓋を退かして朝の木漏れ日を浴び水魔法で生み出した水を飲みながら周りの 風景を見てみる。

木には赤黒く飛び散った血がそこら中についていて酷い匂いだったがどうしてこんなように なったのかは昨日の夜に遡る。




◇◇

街にいる住民達も静かに寝静まった頃、一人の少年が音を消しながら光のように素早く走っていた。

(さすが、【創造魔法】(クリエイト)体の筋肉の動きを活性化させる為に血行の上昇と筋肉の一時的な上昇で手に入れられる【身体強化】(ストレンジ)と自然に覚えることのできた【静寂】(サイレント)のおかげでここまで楽に移動できるとは思っていなかった)


ブツブツと小さく喋りながら素早く街の関所の門を上から通り越しそのまま一直線に南を目指して駆けて行った。目当ての"鉄の森林”に着いてゆっくりしていると初っ端から魔物と遭遇した。


「【鑑定】」


落ち着いて目の前にいる気持ち悪い猿の顔を見ながら【鑑定】を使う。


狂笑の猿(ピルグリーダイ)

ステータスへの干渉ができませんでした。


こちらの様子を見ながらケタケタと笑う猿を不気味に思いながら家から持ってきた剣(多分自分の)をかざす。

何故かその動きが奴の癪に触れたのか笑っていた顔が急に変わって狂気の溢れる顔に変り周りの木々を転々と移りながら引っ掻くようにして攻撃をしてしてきた。意外と素早く飛んでくる引っ掻きには驚きながら目の前からの攻撃はしっかりと見切って受け流したりいていると次は石ころを投げてき始めた。

所詮は独だな…と思いつつ地魔法で簡易的に固めた盾を作ってやり過ごすがそんなことを長々と続けていると…


「キィィィィィィィ!!!!!」


甲高い声が森の中で木霊ししばらくすると遠くからそれに近しい声が返ってくる。 ガサガサと周りが騒がしくなる。 はこちらを向いて笑っていると言うことはあの猿は仲間 を呼んだということだ。


「あー…一匹だけでもめんどくさいのになんで増やすかなぁ…」


口では文句を言うが不思議に()()()を感じる何故だろう…いやそんなことはどうでもいいこれを乗り切るためにさっさと倒すぞ!

自身を鼓舞するのだが何もせずに笑っている猫に近づくと音もなく首に飛んできた石をスレスレに避ける。飛んできた方を見ると明らかにパチンコを持った狂笑の猿らしいのがいた。鑑定をすると…


眼光の猿(アッチャリーダイ)

ステータスへの干渉ができませんでした


いらっしゃいませ、新種の猿のご入場だ。さっきの感じで分かったが狂笑の猿とは違って投石の技能が全く違うように感じたしさっき狙った場所が人間の急所に近いとこだった。

やるなあいつ。頑張って倒してやるよ。


狂笑の猿がこちらに攻撃を加えているところで眼光の猿が石や火のついた矢が狙ったかのようにこちらを定めて撃ってくる。うまく避けて迂闊に近づいてきた袋を片っ端から斬っていヒット&アウェイを繰り返す。水魔法で遠距離攻撃を出しつつ剣で斬っていくが斬り過ぎたのかどうなのかは分からないが猿の硬すぎる皮膚が剣の刃が毀れ始めていたのを猿たちは後ろに後退りして森林の奥に逃げ出していった。


「ふぅ…疲れた…」


常時発動していた【身体強化】を止めて地べたに座る。周りは奴らの返り血がそこら中についていたり自分の衣服や顔にまでもペットリとくっついていた。


ベトベトで気持ち悪かったがあいつらの落としていった物の確認をするために立ち上がり散策を始めた。さっきまで戦っていた場所には奴らが使っていた矢や火矢が落ちていた 火矢の先端の部分を見てみると汚いが魔法陣が組み込まれており先端に振動が伝わると炎がつく仕掛けだと分かった。

屋敷の中では常に魔法道具を見ることが多かった、少し地位に高いところに住んでいたこともあって魔法陣というものが何というものかがよく分かっていたのが理由だった。しかし、魔法陣というものは全て単純なものが多く『火を起こす』とか『風を起こす」と言うものしかなかった。そういうのを【鑑定】でしれたのはありがたいと思う。


片目でステータスを見ていたのだが知らない内に 【炎魔法:初級】を覚えていた。どうやって覚えたのかは分からないが今は体を温めることが重要だ。少しここから移動しよう。

木が密集した場所に移動して体の大きさぐらいの【水球】(ウォーターボール)と覚えたての炎魔法【火球】(ファイヤ)で擬似お風呂を楽しんだ。あとその間は血のついた衣服を洗って乾かしておいた。

狂笑の猿


大抵の冒険者がまず初めに手子摺るモンスター。ランクはB

驚異的なところは集団で過ごしているため何かあったら叫んで仲間を呼ぶことができる。また、ケタケタ笑って冒険者の恐怖心を誘っているのだが強い人間には効くことはない。


眼光の猿


狂笑の猿たちの集団の中に稀に見ることができるモンスター。狂笑の猿の上位互換に位置していて汚いが文字が書ける。中には言葉を喋る奴もいるらしい。

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