同業者
先程倒すことができないと言われている菫鉑蟷螂との戦闘が行われたという監視員の報告を聞いて一番乗りにやってきたんだが…ものすごい振動や洞窟から吹く風が寄せつけるようなことをしていなかった為収まるのを待ってようやく入れたのだが中にいたのはただの人間と隣にいるのはもしかして獣人族かな?獣人族の方は全く服装などからして奴隷の類ではないようだが…全く返り血や埃とかもついていないし何より可愛らしいのが自分の点数が上がる。
(何という上玉が転がっていたなんて…遅れてきた奴達に自慢してやろう!)
意気込みつつ望遠鏡のような魔法道具から遠くのものを見ているのだが隣にいる男は至って普通の人間に見えた。かなり消耗しているのなら奪い取るのはとても簡単であるのだが…言われていた菫鉑蟷螂の姿が見られないまだ隠れている気配があるのかもしれない、二人に助けてもらってから捕獲をしよう。とりあえずは友好的な動きをしておくとしよう
「Beautiful!この埋まっていた水晶がこんなにも露出しているなんて何があったんだろうか! おや?あんなところに同じ人間がいるじゃないか!」
同族がこんなところにいる時点でかなりの安心材料になるのだが…おかしいなぁ…逆に警戒されまくっている。動揺を抑えつつ目の前にいる二人に目線を向け続けている。獣人族は人間の後ろに隠れてしまったがまだ問題ではない
「何の用だ?こっちは帰るところなんだが…先に進みたいなら譲るがどうするんだ?」
「いえいえ、こんな身動きが取りにくい格好でそんな危険を冒すようなことはしませんよ!たださっき青い炎が見えたので確認のために来ただけですのでお気になさらず…」
今の言葉は本当のことだ菫鉑蟷螂が炎魔法なんて出すことは今まで言われたことないし見たことがない、もしかしたら後ろにいる獣人族がしたのならもっと値が上がるだろうな…ゆっくりと入り口に続く道を空けて敵意をないようにして二人が通るのを見ておいて完全に不意をつけるようなタイミングに毒のついた小刀を近づけようとしたところで首と腹に剣が向けられていた…
(クソ!後ろにまだもう一匹獣人族が隠れ潜んでいやがった…)
今は後ろにいる獣人族に体を拘束しつつもしっかりと首に先の尖った細剣がかけられていた…それに前を向いていた男も紫色の剣を腹に向けていた。
「それで…お前は何をしたかったんだ?」
目から発せられるその殺気に怯えっぱなしだった。
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「リーダー…同業者が痛ぶられているけどいいの?」
「そんなことはどうでもいい…それよりも【水浪の泡沫】がこんな所にいたとは…これで前の続きができるな…」
望遠鏡を覗くクレバから伝えられたことに関してはどうでも良かったが、まさかジェバル・ユーストがいたことに驚きを感じていた。
「リーダー今の私たちの立場考えてよね?私たちは賞金狩人…言われたことをキッチリとやらなくちゃ生きていけないって言ってたでしょ?」
また屁理屈を言う…同期の惜しみであいつなら何とかしてくれるだろう…頭の中でも考えているのだが確かにこの場合ではなかなか戦いに持っていくのは難しいだろう…馬鹿なように飛び込んでいった初心者である賞金狩人とは違うようにしておかないと降格させられるようなことがあるからな…
「それで、どうするんだ?ここから魔法は全く届かないがお前のなら届くはずだよな?」
「まぁ…届かせられるは届かせられるけど…当てられたとしても次ができないのなら駄目でしょ?ここは素直に諦めてそこら辺にいる魔物でも倒して今日は寝よ?」
確かにもう夜だからな、そうする方がまともか…ゆっくりと体の力を緩めた時に矢が飛んできた。この特徴的な矢は…
「クレバ…どうする?お前の言う助け合う同業者がこうも新人が上の立場にいるのが嫌だと牽制してくるがどうする?」
ニヤリと笑ったクレバは特徴的な短剣を持って高々と魔力を練っていた。戦うようならこちらもお咎めはしない、なんてたって同業者の戦い方を知りたかったからな
「リーダー三人いるけど奥にいる可愛い女の子貰うね?他の男はあげるから好きにしていいよ」
「仕切るのは俺の仕事だがまぁいいだろう、さっさと行ってこい」
クレバはすぐに女の所に駆けつけて早速悲鳴が聞こえるが聞こえないふりでもしておこう、まずは右にいるガタイのいい方を狙うとしよう。
「【闘竜:昇】」
手に持つ剣が竜のように変化し同じように綺麗に動くそのままうまいこと錯乱することができたようだ竜の方に気を引くことができたためそのまま潜り込んで柄で腹を思いっ切り押す。
「グハァッ!」
体にかかる衝撃が並のものではないはずだそのまま近くにある岩にそのままぶつかった。次の賞金狩りは貧弱そうだがフードの中に色々と魔導書があるようだがどんな戦い方をするのだろうか…そう言う魔素が関わるものなら眼で把握できてしまうのが強みだな…しかしまだ先生には追いつけないもっと強くならなくてはな…
「クソ!なんでだ?うまく仕掛けたのはこっちなのに!主戦力の女はそっちの気色悪い女に纏わり つかれて新人潰しをする予定だったのに!」
「それは残念なことをしてしまったようだな…他には賞金狩りはいないのか?もう少し戦いたいのだがお前だけだと満足できない」
「お前ええええ!!怒らせやがったな!召喚魔法【飛竜】あいつを殺せぇ!」
フードの裏に隠している魔導書よりも自分の貧弱な魔法を選ぶのか…判断ミスは死に直行するのだがまぁ…多少強そうな魔物を出したようだが全然だな…近づいてきた際に素早く心臓に一突きしてそのまま動かなくなった。
「お前を仕留めるのは後回しだ、そこにいる剣老…少しはできそうだな」
「ヨッホッホッホ…怖いのぉ…その眼何かと奇妙なものだがどこで手に入れた」
よぼよぼで何も害のなさそうにしているのにも関わらず中々いい目をしているようだな…何気にまだクレバは女と戯れているようだし辺りを見渡して…ここに来た賞金狩りは老人含めて三人だな。さっきの弱々しい奴らとは違って骨のある者だから多少は楽しめそうだ
「【淵明闘竜】…見た感じ剣士二人と魔導士…いや魔導師の方だな、夜なら絶対に負けることは無い。さっさとかかってこい」
月が輝き深淵のような暗さの中で小さいながらも黒光る竜が蠢いていた。
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まぁ…急に出てきて敵対していないと言うことを出すのはいいけどあからさますぎる行動で始めたから何かと思ったけどシグマリのことをガン見していたからな…多分とは思ったけどビンゴだった。
「それで?お前はこんなことして何したかったんだ?」
前と後ろから向けられる剣に子犬のようにビクついている。こんな所に来るんだ結構肝が据わっていると思っていたのにこんな小物だとは思っていなかった。
「ただ、探索をしてこいと言われただけなんだ!そしたら三人がいただけなんだ!」
その割にはシグマリのことを狙っているのがおかしいよな…剣を少し離すと息を吐くが後ろにいるイーパスに細剣を首に当てられそうになってまた息を止めていた…本当に分かりやすいなこいつ
「お前、多分賞金狩りだな?多分だが…どこかに潜んでいる監視員からなんか報告されたんだろ?」
そんなのいるんだ、こっちの大陸での冒険者はそういう言い方なのかな?それは後でイーパスから聞くとしてその監視員から何を言われたのやら聞き出さないとなだいぶ体の痺れは引いて来た。
「そうだ!俺は賞金狩りだ!後ろで剣かけてるにいる奴が言うように監視員からここの場所にいる菫鉑蟷螂との戦闘が行われたと聞いてそのまま素材をちょちょっと回収しようとしたんだが…」
多分こいつボウリングのピンみたいに飛ぶから無理だろ、そんくらいの実力を持っているようには見えないし絶対誰かの手柄を横取りしていたんだろう、そんな感じがプンプンする。
「それよりも誰から、どの監視員からだ?」
「賞金狩りの中でもかなり有名なディベトルリンだ!名くらいは聞いたことはあるだろ?!」
僕は知らない、誰だかも知らないのだが…イーパスは顔が強張り男のアキレス腱を切って立てないようにした。男は凄い勢いで泣き叫んでいるけどそのままスルーしていたのだが、早く丁寧だったので感心したけど何か問題でもあったのか?
「ジェバル…こいつをウチの所に持ってから二人はついてきてくれないか?」
言葉を残した瞬間イーパスが消えました。遠くで走っているのが見えたので残された二人が急いで置いて行かれないように急いで走り始めた。
「シグマリは背中に捕まってくれ!イーパスに追いつくから!」
シグマリを素早く抱っこして【身体強化:高速】 を使って急いでイーパスのことを追った。




