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ラ・ラガス~創造魔法で異世界を生き抜く~  作者: タツノオトシゴ
序章
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逃走劇の始まり

【観測者???の加護】と【???】そして“試練の強化が施されます”このステータスに表示された言葉が何なのかがとても気になる。

唸るように考え込んでいると部屋の扉が開きガタイのいい男とさっき来たメイドさんがやってきた。

床に散らばった陶器の破片とトレイに少々驚いていたが真っ直ぐな青い目がこちらをしっかりと見ていた。


「父さん…」


体が大きくて如何にも強そうに感じる人こそが父だと直ぐ分かった。


「ジェバル…体の調子は平気なのか?大丈夫だよな?」


「大丈夫だよ。見ての通り体も動かせてるよ」


「そうか…ビックボアの件について聞きたいことがある。体が動くようなら一緒についてきてくれ」


ベッドに寄りかかっていた体をゆっくりと動かし自分の父親の後ろについていった。部屋に着くと親友であるリューヅとポールが椅子に座りながら話していたが父が来ると表情を引き締めていた。

奥側に父が座りその反対側に自分たち三人がいるような感じで話し合いという名の事情聴取が始まった。


「それで…先程リューヅとポールの二人に当時の事を話して貰っていたのだがどうもお前が今まで使えなかった地魔法を使ってビックボアを倒したと聞くが本当か?」


やばい、全くその事を考えていなかった。前の僕は本当に使えていなかったが気を失った時に入ってきた僕が目を覚ました時に見ていた石ころが脳内でイメージされてそれが【|創造魔法】が作り出したのだと思う。しかしそんな事言えばどうなるかが自分でも分からない…そこで自分は


「今まで黙ってしまっていたんだけど…皆に隠れて他の魔法の特訓していたんだ。リュージとポールの助ける声がして咄嗟に魔力を地魔法の【一礫(ストーンフライ)】にこめて放ったんだ… もう一度だけど黙っていて本当に申し訳ないと思ってる」


作り話だけど、こんな感じで話せば切り抜けられるのではないのだろうか…そう期待を寄せつつ三人の反応を待つ。


「ジェバル…そういうことは早めに言っておいてくれ…お前が水魔法のかなりの使い手なのも十分なのだがいざとなったら次の領主として皆を導いてやらねばならぬ、それなのに嘘をついてしまっては元も子もない。これからはそういうのをやめてくれ」


肩でため息をしながら言われてしまった。


「そうだぞジェバル、お前にはなかなかいない親友に秘密なんて隠すなよ」


「まぁ…リューツもそんなこと言えるようなものでもないけど僕からもそうしてくれると助かる」


二人とも話に乗ってくれてよかった。 優しんだな…それに比べて前いたクラスの人達は…それはそれだ。


「なら、多少のステータスが変わっているのだろう……ん?」


父親は多分だが自分と同じ 【鑑定】 を使ったのだろう、まぁ自分のステータスなんで 見せても大丈夫だけど…頭の中で【観測者???の加護】のことを思い出した。あっ確かそのせいで今は…


「おかしい… ジェバルに【鑑定】が効かない」


父は頭を傾げ【鑑定】をもう一度利用したのだろう、しかし何も表示されない鑑定に驚いている。


やっぱりあの加護は本物なのか


「それは本当なんですか?ユースト伯爵」


「いや、私の実力不足なのかもしれんが見ることができん」


リューツ達もおかしな反応をする父に疑問を持ち喋り始めた。


「ならば、王国に要請して『傑出者』(プライドメンバーズ)を呼んだ方がよろしいのではないでしょうか」


この世界では実力が上がるとその分だけ自信の技術が磨かれる。

その中でも磨かれ続けた宝石とも言える技術者のことは『傑出者』(プライドメンバーズ)と呼ばれ国に重宝されている。


父は手元を動かせながらリューツの話を聞く。


「前々から『傑出者』に見てもらおうかと思っていたことがあったからなその意見を使わしてもらおう」

父は手を叩きメイドを呼ぶと黒色でショートの人が部屋に入ってきた。


「お呼びでしょうか」


「アイツに連絡をしたいこの紙を渡しておいてくれ」


さっきまで書いていた紙を渡してお辞儀をして部屋から出て行った。


「彼女は?」


ポールがさっきまで彼女の方に興味を持った目で見ていたのが気になったが率直に出た言葉が飛び出した。


「……彼女は鳥人族(バーバード)の血が混ざってるだから使役している鳥に物の配達を時々頼んでもらっているのだよ」

へぇ…と呟きながら考え事をしているボールは友としてなんか悲しくなった。


さっきの彼女が戻ってきて紙を父に渡していた。


「ありがとう。下がってくれ」


お辞儀をして部屋から出て行った時にこちらを少々見ていたが多分気のせいだろう。


ボールはうっとりとした感じになっていたが流しておく、それは自分の話になるからね。


「一週間後に鑑定に長けた『傑出者』がここに来ることになった。 そこで技術やら魔法の熟練度等を見てもらうといい…長くなってしまったがここでお開きにする」

父は席を立ちそそくさと行ってしまった。

それはそれとして『傑出者』に万が一加護とか【???】とかいうものを見られたら何されるか分からないし唯一の家族や親友からの反応が怖い。

すぐに支度をして少しの間は"鉄の森林”で身を隠すことにしようと思う。あそこは人が全く寄らないことで有名だし一週間だけなら【創造魔法: 神】でなんとか過ごせるだろう

「ジェバル…なんかあったら相談しろよ。俺たち二人はいつもお前の味方だからな」

席を立ち部屋から出る際にリュージに言われた。


お前本当に優しいな!

『傑出者』


自身の技術を高め、国から認めてもらい称号を得て掲げたりそのまま国に仕えて素質のある者に技術を教えたりする人達のことを指す。実際、ジェバルは『傑出者』の域を超えているのだが…


"鉄の森林"


アストラル王立国家の南にある大きな森林で近くにユースト家が存在する。"鉄の森林”に聳え立つ木々は鉄のように硬くドワーフが住む技術帝国ドモヒュリルで作られたことしかない"ある特定の物"でしか伐採するのは至難の業であるだろう…また、生息する魔物の多くが冒険者ギルドが指定するランクBである。

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