猫の国
転移した先は多くの桜が咲いていた。すごい綺麗だ今にも写真に撮りたいくらいだけど持っていないからなぁ…しかしこんな場でも常に警戒は止めない様にしておこう…急にどっかしらから出て来ると思っていたが全く出てくる気配がなかったのでそのまま辺りを歩いていると【宝物庫】にいるテトが反応した。
「懐かしい場所ですね…まさかまだあの大道桜なんて残っていたとは…」
「前のえーと…【死霊王】のキャヒュールさんが来たことがあるの?」
すごい感慨深くしていたので思い当たるものはさっきまで戦っていた【死霊王】だけだった。しかし。家の地図で見たことのない場所なんてあるもんだな…こんなところにいるのは危険なのかもしれないな早くマディーさん達と合流してなんとかしないとな…
「ここにはそのマディーという人物達はいないと思いますよ」
ん?どういうことだ?マディーさんが今ここにいないことは分かっているのだがそんなこと言わずとも分かるが何を言っているんだ?
「僭越ながら説明させてもらうと…ここはメラティカン…ここが本来の大陸です。ジェバル殿がいたところはここの大陸に住んでいる人間達にとっては奴隷のように扱われる…そんなような場所です」
ちょっと待ってくれ…何?ここはもう一個の大陸だと?それでユースト家とか諸々があるあっちの方は植民地のような扱いをされていると…どういうことだ?
「先程までいたあの大陸には海を渡る…そんなような物がないんですよ、あの海に浮かぶあれがないので全く大陸から身動きが取れないということです」
海での移動手段である船がないから海に行けないからただ孤立した大陸なのか…なるほど理解できていないけど理解できた。
「それで…そのキャヒュールさんとテトはどっち大陸の出身なの?」
「私と主は…そのままジェバル殿の住んでいた孤立した方の大陸から生まれました…しかし、とある魔導師のおかげでこちら側には何回か来ましたがそこまで何回も来ているわけではないのでね」
魔導師はもう死んじゃっているかな?会えたら是非お話をしたいのだが…今はここをどうにかすることが重要視される、全く奥の方まで桜しかないこの場所は素敵なのだが…ここどうやって出るんだ?遠くの方でガサっという音がしたのでそっちに向かって小刀を飛ばすと青髪の少女がゆっくりと出てきた。隠れているようだが隣にも誰かいるみたいだな…
「何か用か?」
「えーっと…私の国の王がここを調査しろって言われて…そしたら貴方がいたもんで…あははは…」
苦笑いをして気を緩めようとしているようだが何気に魔法を練っているようでは丸見えなんでなこっちも【宝物庫】から変光星を取り出す。【起爆】まではする必要はなさそうだがこれだけでも十分な威嚇として使えるだろう…
「すいません、許してください」
あっさりしている奴だな…一応隠れている方にも剣先を向けておく…するとビクッとその部分だけが揺れて山吹色の髪をしている奴が出てきた
「あれ?バレてたんか!?あんなに綺麗に隠れていたつもりだったんだが…」
バレているんだが…やばいそろそろ体の調子が悪くなってきた。これは不味い、睡眠を取らずに一日中戦い続けていたのがここで仇になったか…睡眠には逆らえずにそのまま体の意識を手放してしまった。
「あれ?この人急に倒れちゃったけどどうしたんだ?」
「この人には絶対関わらないようにしないと…あんな投擲技術が高くて私の可愛い耳毛が掠ったから本当に怖かったんだから…」
あの後はウラビに男の人を任せて屋敷に連れ込んだ。ラムリノお姉ちゃんが言うにはただの疲労と寝不足とかいっていたからいいけど…ちょっと心配だ。一応お父さんには報告しとかないと…目的の部屋に向かうことにした。
◆
「この世界で二度目の知らない天井だ…」
今は朝…快晴でいいですね!そしてここは何処ですか?隣には白い髪をしたお姉さんがこっちに気づいて話しかけてきた。
「えっと…見た感じは大丈夫そうね…それじゃあ起きたばっかしだけど少しお話させてもらうから…あ、少し起き上がってくれれば十分だから」
すると白髪のお姉さんは一つ一つ順序よく話をしてくれた。まず、ここは猫の国なんだそうで猫だけではなく他の種族もいるそうだけど猫人族の方が多いんだと、今までは普通に何も起きずに時は流れていると突然重要地域に僕が現れてシグマリ…多分あの青髪の少女のことだろう…彼女がここに運んでくれたのだそう。あとで謝罪込みのお礼しないとな…それでこの猫の国の王様とお話しないといけないから行こうね、だそうだ。
今、普通に歩いてそこに向かっているんだが結構猫そのものと人間に扮しているのがちらほらいてすごいこっちを見ていた。
「大丈夫よ、ただ皆は気になっているだけだから気にしなくて大丈夫だから、この扉の先に いるから….頑張ってね」
日本の襖に近い物が目の前にあってに美しい襖だった。襖を開けると見るからに王様とでも言っていそうな人間だった。あれ?猫の姿じゃないの?まぁ…さっきの人も猫ではなかったからな…そこを突っ込んだら何されるか分からないから黙っていよう…
「人間か…懐かしいな。おめぇさんの【宝物庫】にいるテトには話はあらかた聞いておいた…あいつと戦ってどうだった?」
手始めに戦った感想をここで話せと…なるほどこの方もなんかしらの繋がりがあると言うことだな。
「見たこのない魔法や、別人のような動きをするので対処が追いつかず何度か負けてしまう かもしれないことが何回もありましたが知恵を振り絞ってやっと勝てましたかね…最後は落ちてくる岩から守るように【固定転移】でこちらにやってきた感じですね、最後は見守ると言って下さりました」
「そうかぁ…あいつは約束を守ったか…」
下を向いて何か考えるようにしながら顔を上げて手を叩いた。すると桜が綺麗な所で会ったというか遭遇した青髪の少女が出てきた。少女はすごいこっちを見てちょっと引かれていまた、そういう対応は普通にちょっと悲しくなってくるからね。
「こいつはシグマリって言ってなぁ…自分の夢を追う可愛い娘なんだが…俺等はどうもこいつ一人で旅に出させるのはちょっとあれでなぁ…それでそれを手助けする奴を探していてなぁ…こいつにその手伝いをしてくれねぇか?ここに住み込んでもいいからよぉ…」
「えっと?え?」
なるほど…よく分からない。多分頭の上には?マークが出ていると思う。それはシグマリもキョトンとしていた。すかさずシグマリは反対の言葉を言っていたがそのまま押し切られて僕についてくることになった。猫の国に滞在の許可を貰ったわけなんだが…現在目の前にいる少女に無茶苦茶警戒されています。
「えっと…一応自己紹介しとかないとね僕の名前はジェバル・ユースト。一応これでも冒険者をしていてね多少の魔法と剣術が使えるからよろしくね。あと昨日かな?あの時は結構激しい戦いし ていて疲れててね小刀を投げちゃった…ごめんね」
「冒険者?なんですか?」
謝ったのだがそれよりも冒険者の言葉に反応しすぎでしょ…人間の姿なのに頭についてる耳がパタパタ動いている。頷くと目をキラキラさせて話を聞かせてくれとせがんで来た。色々と屋敷の案内をして貰いながら話をしているとあんなに警戒されていたのにもうそんな壁なんて消えていた。よく分からない…
「それでここはガドマお兄ちゃんの使っている鍛冶場です!確か持っていた剣とかあったら直してもらうといいですよ」
「そうなんだ、それでガドマ兄はどこにいるんだ?」
中を見ていると実際に今鉄を打っていらっしゃるじゃないか…新星がボロボロだからね直してもらえるとこちらとしてはありがたいんだがシグマリが近づいて声をかけてもらった。見た目は青少年みたいだが筋肉のつき方がすごいなそこまで鍛えていないけど腕の筋肉とかマジですげぇ…
「それで兄ちゃんが新しくここに住む人間だっけか?」
「ジェバル・ユーストっていう、これからよろしく頼むよ」
握手をして意思疎通を図る…手はすごい硬いように感じたけどフニフニで柔らかかった。それで【宝物庫】から新星と変光星を出すとじっくり見て今日中に直してくれると言ってくれた。
「それにしても新星【夜光珠】…これは…【夜光の金剛石】から造られた奴なんだな…こっちから回している鉱石をこうも綺麗に造るとはなかなかいい鍛治士もいるもんなんだな…それに変光星【輝道】はまだこいつにはまだ新しい道があるはずだな…すごい物持ってるな兄ちゃん」
「まぁ…多少面倒なことがあったけどこうして使わせてもらっている訳だからな…ありがたいことだよ」
「兄ちゃん…分かる男だな。気に入った他になんか素材があったら持ってきな、新しい武器を生み出してやらぁ」
それじゃあ毎度助かって貰っている甲飆竜の鱗を見せるとガドマは気絶した。なんで?




