死なる霊の王よ、同胞の屍の上に立つ 其の五
おい待て待て。まじで死ぬからその反則すぎるほど強い剣を使うのやめてもらえませんか?当たれば即死、そんなような機能が備わってそうな魔剣をブンブンと色んなところに向けて当てようとするのやめて下さい。
ヒュン(耳に剣先が通り過ぎる音)。だからまじでやめろって
「すごいね…もう神の使いとかどうでもいいや、ただ俺が…いや、僕が満足できるまで剣を振るとしよう…」
ビュンビュンとどうやってやっているか分からないのに体だけは反応できる。さっきの攻撃とか普通だったら死んでいるはずなのにこうやって心拍数が急激に速くなってるくらいだったらまだ生きているって思える。変光星もだんだん色々と物と当たって【爆発型】の威力をどんどん上げていっている
「【爆炎】」
炎の塊に近いものを飛ばすが骸骨…いやテトの元主にとっては無力らしいけどその分どんどん火力は溜まっていくのが変光星の特徴ってやつでなぁ…こうやって近くに来た場合は【起爆】すればどうにかできるってやつよ!
「【魑魅】…枷を外す…頑張ってくれ…僕も頑張るから」
待って、さっきよりも斬撃の威力が増した…だけどまだ受け止めきれないという状況ではない!隙あれば攻撃は行うのが戦いの基本だ…これはギルマスにも教えられたし、対人戦闘で【暴食の乞食】と戦った時もこのことを考えていないと相手を倒すことなんて到底無理だった、しかし奴と戦っていたおかげでこうやって戦うことだって慣れてきた。しかし、あれほど攻撃をしても全然倒れないこの元骸骨野郎、奥の手を出してきてあんなにも強すぎる物出してきて苦戦するとは思っていたけどこんなにも面倒だとは思っていなかった…
「【身体強化:高速】…これで多少は動くことができて対処できれば尚更こちらとしては嬉しいけどよぉ!そんな動きされるとは思っていなかった!」
ゆっくりだが確実に魔剣を下ろして自分のことを潰そうとしていた…こんな動きすると思って対処できないと思ったがまだ…いける!【怪力】を使って剣を弾き飛ばすと同時に左右から白い霊魂みたいなのが通り過ぎていった…なるほど…対処するためには相手の動きを考えればいいんだな?変光星に多すぎる位の魔力を通して【起爆】する。これでもう八回目だ…剣身が真っ白になっている、持っている柄のところが熱すぎて今でも手を離したいが踏ん張りどころだ、まだいくぞ…今の目標はあいつの魔剣を壊すか使えなくすること…それをするためには気を惹きつけなければいけない。
「【爆炎】!結構な威力だけど耐えられるかぁ?!」
「【戻り咲く死人】…ありがとう帝王、次は君だ。【氷結世界】」
辺りは凍り、剣に宿る揺るがない炎は消えた。
待ってくれ、何もかも氷に包まれたんだが見動きが取れない…早く溶かさないと!マジでやばいやつだ!
■
「ハッ…ハッ…」
私は肩で息をしながらすぐに自由の追跡者に戻り情報を求めようとしたのにも関わらず目の前にウジャウジャと現れる死累人に惑わされ続けている。どれだけ倒そうと無限に出てくる地獄のようだった。ほんとにがっつく奴はほんとに嫌い。
「【白銀世界】…!」
これで生命というか動きを止めることができたが魔力も結構失ってしまった。あんなにも魔力を使いすぎることなんてなかったのに【暴食の乞食】と全力で戦った後に後出しのように襲いかかってくる魔物を相手にすることなんてできないのだが…まずい、そろそろ魔力が尽きる。そんな時遠くから声が聞こえた。
『おい、クソ猫。もういないのか?こっちは645匹殺したが…どうだ?』
『クソ猫っていうなワンコロ。確かにもういない…それでこっちは356匹だ…」
『あれれ~?段違いだなぁ~これからはクソ猫じゃない方がいいのかなぁ…もっと鍛えるといいと思うよ、勝負で張り合うんだったら尚更な』
『後で反則したっていっておくからな…バカみたいに強いお前にだけはいいようにさせねぇからな!』
『はいはい、負け惜しみですね。よっわ~雑魚だなぁ~クソ猫ちゃん~』
二人が話しているのが見えたが息を潜めて聞いているとどっかいったようでゆっくりと木陰から姿を出すと金色の髪の毛の男がこちらと目があったが何も言わずに立ち去った。
(今のは大丈夫なのよね?)
心臓ははちきれそうなくらい鼓動していたが深呼吸をして落ち着けるとだんだん落ち着いた。足は不思議だか素直に動く、そのまままっすぐ戻るとしよう…
◇
『ワンコロよかったのか?』
「んぁ?何だよ負け猫』
走りながらでも蹴りは飛んでくるが躱す。ため息をつくと尚更攻撃が飛んでくる、だけど全く当たらない。鬼のような形相をしているが話を戻した。
『今、女がいたんだろ?助けなくてよかったのか?』
『ん一多分大丈夫だから』
『ならいい、まぁ…俺たちには関係ないからな』
弱者がなんかいっているが口から出ている言葉ではそういうが内心ほっとしていた。めんどくさそうな悪食と戦っていた際に急に主からの呼びつけで戦いから降りてしまったが何とかなったようだな…伸びていた男もかなりの回復能力で治癒しようとしたのにありえない程の回復量で呆気に取られたのは久しぶりだったな…
まぁ…今は早く戻ってご褒美の骨を貰わないとな…二匹は走る…我先に主の元へと
「…おいワンコロ、今何気に足踏んだだろ。おい逃げるなぁ!」
◆
「クッソ、身動き取れなくなってしまった…」
急に起きた魔力の暴力をモロに喰らった僕は今中々溶かすことのできない氷を砕いていた…何なんだよ【氷結世界】って奴は…僕ですら制御が難しい上級の【白銀世界】の上である特級の可能性が高いか…そりゃすごいわ、何も反応ができなかったんだからな…【起爆】をしようとして氷を退 けていたところに雷が降り注ぐ…
「【雷號電】」
「そういうのは良くないでしょうが!間に合ってくれ!【岩石弾】!」
真上にできていた雲から放たれる雷を防ぐために【岩石弾】でうまく感電することはなかったが早いことこの氷から抜け出さないと…再び【起爆】をしてうまく出ることができたのだが奴がいない…どこいった?周りを探す前に【索敵】を使うと背後にいた。甲飆竜の鱗を【宝物庫】から取り出してギリギリ耐えることができた。
「ッぶねぇ…剣やら、魔法やらすごいなぁ…もしかしてその【戻り咲く死人】って奴が関係してるのか?」
「君には関係ない…ただ僕の楽しめるように戦ってくれればいい」
多少顔が苛立っているように見えたような気がしたが気にしない…まだこっちの奥の手に気付いていないようだったら勝てるはずだ。特にあいつの持っている魔剣にさえ気をつければこっちにだって勝機はあるはずだ。変光星に再度【起爆】して火力を上げる…骨ごと燃やし尽くしてやる。
剣の帝王は輪廻に還った。それじゃあ次は魔法の帝王がお相手しよう。




