“蛇の抜け殻”との戦い①
互いに隙のない剣のぶつかり合いが目的のある講堂の目の前で行われていた…
「ハハハ!!こんなに隙のない動きをしてくるなんてリーダーみたいな戦いをするんだなぁ!」
一つの双剣で攻撃を対処しながらもう一つの双剣では重い一撃を打ってくるというなかなか攻めにくいため難しく感じる…面白い武器を使っているそうで…相手はその考えを読み取ったのか後ろに下がって武器を掲げて説明を始めた。
「これは俺の愛用している武器で名前は【蛮勇の咆哮】て言うんだぜぇ!それよりかお前の持っている武器もかっこよくねぇか!?何て言うんだ?」
「新星【夜光珠】って言うこれでいいか?ここで時間を取るのは勿体無いんだ」
「じゃあ!もっと遊ぼうぜ!」
応答になっていないんですが…取り敢えず新星を再び構えて対応をミスれば致命傷になる剣の戦いが始まる…まだギルマスを襲った男よりかは楽だからいいけど、どっちかが攻め始めたら残った方が防御してカウンターをし続けるという形になっている。まだ【身体強化:加速】を常時使わなくてもこうして立ち会うことができるのが成長できているところだと思う。首や腹、色々な所を狙って攻撃するが全て対処される。だったら守る ことができなければいいと極端だが爆発させてしまえば問題はないだろう、と考え新星をしまって変光星を取り出し初っ端から【爆発型】で相手の体を遠くに吹っ飛ばす。
「おいおい、もう一つ剣持ってるのかよ!すげぇな!【水浪の泡沫】!」
吹き飛んだのにも関わらず相手はうまいこと受け身をとって対処されてしまった。なんだよコイツ…強いじゃん…しかしこちらにも策というものがあるんでね…
ユースト家にあったとある書では“冒険者で一番多いとされている剣士とはいつも感覚など を頼りにしている場合が多い、真っ暗な洞窟の中や対人での際には相手の出方で動きを見極めていること”が書かれており、この世界に来て剣術の大筋のルールだと知ることができた。ギルマスや騎士団長などのドゥーンさんは相手の何かしらを見て動いているのを戦っている姿を見て学んでいた。 自分も多くの技術や魔法を覚えたことで色々と見えてくる視野も変わっていき、"闘気”というものが体を動かす絶大な動力を宿していることが分かったのだ。他にも魔素だけを使う人もいたがそれはそれだ。実際、何故か父親ジュダー・ユーストが【闘術】を持っていないのに使えてる自分が少し気になるがあれ?神様の名前は何て言うんだっけロ…まぁその内思い出すはずだ。【闘術】のおかげで剣術との合わせが上手くなることができたのでここでもう一つ技を覚えた。
「剣闘斬【漣斬り】」
一回変光星を収めて思い切りよく抜刀する。その際には【身体強化:加速】の強化版である【身体強化:高速】を使わなくてはいけない。使用中は息ができないから十分に息を吸っておく必要がある、刃は目の前にいる男の全体を鋭く当てていき、そして繊細に肉を断っていく。改めて魔樹木の時に使った時よりか楽になったがキツいのは変わらなかった。しかし、練習した結果もあったのか相手の武器もバラバラにすることができた。吸い込んだ息を晒せるように吐き出し新しい空気を吸い込む。
「今、お前…何をした?見えなかった。お前の剣筋、感じてたのに全部…急に早くなった。動きも剣も対処しようがなかった…」
相手は崩れ落ちて膝を地につけてバラバラになった二つの剣を拾って涙を流していた…僕はゆっくりと呼吸を整えて立ち上がりマディーさんの方を見る。
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「分かったのよ。あなたが急に当てることのできない見えない壁が作れることを…」
前に戦った時は何が何だか分からずに引っ掛かっていたけど目の錯覚を利用した魔法でうま いこと騙され続けていたが…冷気が遮られることで見分けることができた…
「へえ…氷魔法の残骸を垂れ流しにして遮られるところが壁って言うのはいいと思うけど…単なる障害物だったら…ねえ?」
女に近づいたのに壁にぶつかり顔に衝撃が伝わる。
「痛ったい!なんで?!」
「残念だけど…私の魔法はどういうものかを伝えるのが難しいからね…もうここはダメそうね…」
女はジェバルと戦っている奴の方を見る。ジェバルが一瞬消えて現れた時には相手の双剣が粉々に消えていた…何よあれ…また強くなっているじゃない…こっちもちゃんと戦わないと素早く立て直し自分の魔剣を握りしめ地面を刺し立ち上がるが女は後ろに下がり空を仰いでいた…すると大きな講堂の屋根から一人の男が現れた。
「リーダー!」
「クレバ、もうここは危ない…逃げるぞ」
「いいわぁ…行きましょう」
攻撃を当てようとしたが地面に降りてきた男に邪魔をされて攻撃を受けられカウンターを当てて吹き飛ばされた。ジェバルが同時に【火炎球】を打ち込み素早く男に近づいた。
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「お前…また目玉潰してやるよ」
「改めて見ると本当に先生に似ているな…しかし、ここにいると自分の身の危険が危ういのでな…また会った時にゆっくり話でもしよう」
言葉だけを残しただけで消え去ってしまった。 あいつ…凍らせた目玉が変わっていた…次に会った時は両目とも凍らせてやる…ギルマスのことをボコボコにしたことは忘れないからな。それはともかくすぐに怪我をしているマディーさんの方に駆け寄る。
「大丈夫よ。こんな時のために治癒瓶を持ってきたから」
治癒瓶を小さな鞄から取り出してグビグビと飲み干す。すると小さな傷がだんだん癒えていきもう痕が残っていなかった。自分の方はあまり傷を残さずに戦えていたので問題ない。マディーさんをゆっくりと体を起き上がらせて目の前に建っている講堂を前にする。
“闘気”前に書いた通り剣闘舞の特級に近づくための唯一の近道。これが身についているつい ていないとでは話が変わってくる。例としてギルマスがこれを使えたらルウェーに善戦してたと個人的に思う。
【蛮勇の咆哮】
双剣として登場する。楽に言ったら攻めと守り、 感覚だけで動く男にはそれだけで十分だと考えてこの武器を鍛治士に造らせた。まだ色々と機能を潜めているが感覚バカにはそれを気付けていない…実はこれ一つの剣になります。壊れたけど…




