帰還
「リーダァー…その痛々しい目の傷はどうしたのかしらぁ…?ギルドマスターとはいえあなただったら問題は無いはずよね?」
スラっとした体型でフードを外すと黙っていれば美人の女が現れる。しかし、的確に人の心にナイフを突き刺すため人間のそういうところは欠陥しているのだが…しかし、彼女の言う事は事実だった…数少ない剣の卵を自分で失うのは苦しいと思っていたところに情報になかった人間がやってきたのだ。感覚としては一回戦ってすぐに負けた龍…に近いものだった。しかし、魔法が構築するのが見えなかったのは本当だった、構築をし終わった瞬間に眼が反応したのだが…それを避けられるはずもない……相手は分かってて魔眼じゃない方を潰したのだろう。
「お前だったらすぐ死ぬような化け物が出てきた。これでもうまく引いてきたつもりだ…それで…捕まえた冒険者はどうした?」
するとフードの中からコルクで栓をした瓶を出した。中には何度も瓶のことを叩いている小人がいた。
「また、コレクションでもしているのか?お前の悪い趣味に付き合う必要はないと言っただろ?」
「いいやぁ…?彼にはボスの【暴食の乞食】の栄養になってもらうわぁ…だってAランクの冒険者なんでしょ?かなりの技術が奪えると思うのよ。そう思わないかしら」
瓶の中にいる男を凝視しながら雇い主のことを話した。雇い主…それは俺が今所属している”蛇の抜け殻”のボスに見込まれて活動しているのだが…昔いた環境とかなり変わったことをしていることもあってどこか荒んでしまった部分もあるだろう。
「まぁいい、お前の好きにしろ…」
女と離れ自室に戻り凍って何も見えなくなった目に魔力を通す。激痛が走るが剣士であるため片目潰れるだけでかなりの損害である。そのために前にある検証の確認を取るために何も映らない目を魔力という名の血管につなげ眼に変えた…
見えるものは光り輝いていて眩しかったがこの凍った眼を作り替えたことにより他の剣士よりもアドバンテージを手に入れることができた…
「この輝きは魔力か…?」
試しにおごつかない【火球】を生み出すと左目では濃く周りは薄かった…はは…これが俗に言う魔力眼と言うものか…これでまた先生のようになることができる…
■
最終的に“自由の追跡者”に戻ってきたが全部フリーさんが物事を進めてくれた。なんとフリ一さんは【転移】の傑出者なのだがある一定の範囲に入らないと特定の場所にしか行けないという欠点があるのだが…
「もうここに帰れたのはすごいですね」
「結構素使うのであまり使いたくはないんですけどね…」
次の日付に変わりフリーさんは仕事明けの社畜みたいポーズをしながら酒場のちょっと高価そうなお酒をグビグビと飲んでいく。横目で見ていているが結構いい飲みっぷりだ、が自分はお酒は飲んだことがないから飲むのは止めている。
昨日の出来事について簡単に纏めると僕が甲竜と面会している最中になんらかの組織に遭遇しAランク冒険者が交戦状態になる。
ギルドマスターである 【覇権の剣術者】のグレン・リチューは魔眼を持つ人間と交戦、意識を奪われた所を【水浪の泡沫】のジェバル・ユーストが後を引き継いで戦闘片目を潰したことで組織が撤退することになった。
また、【雪薔薇の高嶺】のマディー・リルデリーと【虚空の援護者】のラステル・チュリーバーが一人の女に遭遇し交戦、ラステルは倒れたもののマディー・リルデリーが保護したことにより大丈夫だった。
組織が現れた時には【神速の雷鳴】の消息を途絶えた為捕虜として捕まった可能性がある。
(まぁ…【神速の雷鳴】のボリトルさんはなんとかやってくれるでしょう…)
目の前でお酒に飲まれているフリーさんにギルマスとラステルさん様態について尋ねると手に持った酒瓶を机に置いて体を横に揺らしながらフリーさんは肩を組んできた。
「えっと…ギルマス…グレン・リチューさんはギルド支部の医療室で治療を受けてもう 我の方は治りましたが...かなり小さい傷が深く入っていたため書類等の仕事ぐらいしかでき無さそうですね…ラステルさんの方は寝ていましたがもう体の方は大丈夫そうでそのまま冒 険者ギルドのところでギルマスの手伝いしているらしいですよ。 そろそろ行かないとお迎えが…」
フリーさんの言葉が段々弱くなっていき自分の方をマジマジと見ていた。気になったから後ろに振り向くとマディーさんがいたのでとりあえず逃げよう。滑るように体を動かしたがその時には雪だるまになっていた。
「これもギルマスから言われてやったことですか?」
「ううん、私が前に雪だるまにした時が面白かったから…つい」
うーんまた身動き取れずに雪だるまになったのはかなり厳しいな…フリーさんに目を向ける が逸らされた。おい、さっきまでニコニコだったのにゆっくりお茶飲んでんじゃないよ。そのまま冒険者ギルドに連行された。




