逃げても無駄だった
「それで?逃げ切れたと思って余裕かましていたら壁に磔みたいにされているんだ…」
今目の前に冷気を漂わせているマディーさんがいます。おうち帰りたい。氷が自分の体に染み込ませながらゆっくりとやって来た。
「あー…えっと…諸事情がありまして…逃げました」
全く顔が見えないから尚更怖い。今僕は雪だるまみたいな氷の中に体を入れられていて身動きが 取れません、氷魔法で動かしているみたいだけどそんな素振りしていないからすごく不思議に見えるなぁ…やばい体冷えてきた。
「…そうなんだ」
え、これだけ?もっと聞かれるかと思ったけど杞憂で済んでよかったよかった。その代償としては周りの目線がとても痛いのと体の感覚がだんだん無くなっていくのだが気にせずにいると気づけばもうギルマスの部屋の前についていた。玻璃蛙と共に夜明けてから帰ってないんです寝たいんですよ…壊れた扉を通るとまだ二人は話をしていた。
「それでよぉージェバルの奴さぁ一上級者の冒険者に威嚇されてビビってんのかと思ったら その威嚇した奴の頭の髪の毛燃やしやがってよぉ…見てて本当に面白かったわ!見てなかったのが損だと思うぜ?」
その口を黙らすために【火球】をギルマスの頭に飛ばすが金髪の女の人に邪魔されてハゲを増やすことができなかった。ギルマスから文句が飛んできたが無視をする。マディーさんは椅子に座るがまだ僕は雪だるま状態のままなのだが…いつこれ直してくれる?
「それで、ギルマス…遠くにいるラステル先生を呼んだ理由を知りたいのですが…」
あ、無視ですね。わかりました。必死こいて氷溶かすよう頑張ります。
体を動かせずに話を聞くに自由の追跡者から北にある神聖国家ダベリギオの国境になっているアレドンキラ山脈に住みついている甲飆竜に明日アストラル王立国家の王様がご挨拶しなくちゃいけないんだって、急過ぎてビックリ!それで騎士団の方々と強い冒険者がその護衛を任されたのだがギルマスの知っている限りでそんなに強い冒険者は数少いないのだが、集めた中で残った一枠に玻璃蛙をソロで倒した僕を入れると言うことで暴れていたのだが結局決定してしまった。
「だからそんな名誉ある仕事なんていらないので帰らせてください」
「駄目だ」
キッパリと言われてしまった。というかアストラル王立国家の騎士団が来るなら久しぶりにドゥーンさんとも会えるならまぁいっか、雪だるまを少しずつ溶かしながら話を聞いておこう。あれ?氷がさっきっから全然溶けないぞ!マディーさんの方を見るとクスッと笑うようにしていた。策士め…
「それで….誰がいくんです?」
「まず、俺とマディー。 ラステル、ボリトル、 それでジェバルの五人だ」
こちらの必死の対抗をしているのをわかっていながら話をするマティーさんには恐れ入るぜ…そして回答をキメ顔で言われても…それとボリトルとラステルって誰?この金髪の人?
「それで、アストラル王立国家の付き添い人として傑出者が数名ついてくるそうだ」
「誰?場合によっては抜けるわ」
「大丈夫だ、ラフテル。お前の嫌ってるあいつはいないから安心しとけ」
金髪のおねいさんがなんか言ってきた。この人がラフテルだということはあやふやだったが証明されました。じゃあここにいないボリトルって奴なのか…そう思いながら数時間経って会議みたいなのは終わった…正直誰のことかわからない人を話題に出されてもここにきてまだまだだから少しづつ慣れていこう、そうしよう。
溶けることのない雪だるまから解放された後、 一応ウェルドさんのところによって“例のブツ”を回収してその日は寝ました。
□【神速の雷鳴】□
やはり、俺は美しく強い存在であることを証明するためにこの護衛という物が役立つというのか分からない。しかし、これは誰も触れたことのないあの極寒の薔薇に触れるというのなら話は別になる…王の前で跪き示された言葉を喋る。
「この神速、この身を役立てるよう精進します故」
アストラル王立国家国王のトーリン・アストラルに誓いを立てる…王の信頼を得るためには強制を促すための"誓約が必要になる…それがこの儀式である。
「頼むぞ」
少ない言葉だが国王が与える言葉は貴重である。 この言葉は誰であってもこの真実は揺るぎらない物になっている。
次に言葉をかけられるのは新参の【水浪の泡沫】の前に行くが…しかし、国王は声をかけなかった。それにどんな意図があるのかはご自身でないといけないがその異は周りの人間でさえもこの事に驚いていた。
「王よ。私が勝手ながら言うのはあれですが… そのような事は…」
「ドゥーンよ、我の目には狂いはない」
騎士団団長ドゥーン・スペリスクに対して低く重い言葉をかけた。騎士団団長は頭を下げ他の冒険者に移って言葉をかけていた。どう考えても不思議だった。すぐに儀式は終わりアレドンキラ山脈に向かって遠征が始まった。
ジェバルは同じ事をしようと王様を待っていたけどスルーされそれがなんだか分からなくて宇宙猫状態になっていた。




