蛙狩り②
あの苦し紛れに投げた矢は付与したものであり、内容は“少しづつだが氷魔法を垂れ流しにする"というものである…玻璃蛙は笑っていたけどこちらにしては無関心だったため助かった。適当にものを投げつけてよだれという名の唾液を垂らしているのならその分当たる風はすごく寒くなるだろ?
玻璃蛙は矢の近くにあった岩を掴もうとしていたが凍っていて手を滑らせていた。ドンマイ!早速狩らしてもらおうじゃないか!素早く新星を取り出し格納しておいた魔法を【灼熱:撃】を解放して新星に纏わせて蛙に向かって当て込むと
「Gyogogogogogogogogo!!!!」
昔、お爺ちゃんが喉に餅を詰まらせた時みたいな声をしているがそれはどうでもいい、なんたって素材として活用させて貰うために殺傷はしょうがない。新星を目と目の間に向かってグサリと刺す。玻璃蛙は体の力が抜けたのかだらんと伸びて死んだ。
「自分のフィールドで優雅に踊ったが…最終的には敵のフィールドで踊ってしまったら終わりなんだよ…」
刺した新星を抜いて【創造魔法】で作り出しておいた椅子に座って深いため息を吐く。まじで疲れたよ…疲れたけど部位の回収しないといけないからね、 予め買っておいたナイフを取り出し解剖をして皮膚にくっついている魔石をゴロゴロ取る。普通の魔石は色が単調であんまり綺麗には見えなかったがこういうちょっと強めな魔物から 取れる魔石は中に星が散りばめられているようで綺麗だった。
よし、帰ろう。
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「おいおい、今度はまた仰々しいもの連れてきたじゃないかジェバル…」
顔が引き攣っているギルマスのことは放って置いてゆっくりと宿に戻ろうとするがそ うも簡単に返してくれなさそうだ、ギルマスは僕の肩を掴んで目を合わせた。
「なんですか?眠いので明日にしたいんですが…」
「お前さぁ…玻璃蛙倒すってどんなことか知っているのか?」
いや、まだやっとこの職業に慣れてきたばっかしなんでわからないことばかりで困っています。 こちらの顔でなんとなくわかった顔をすると奥の部屋に連れてかれた。もう、いろんな冒険者が見ているが知ったことか。またギルマスの部屋行きかぁ…面倒くさい
◇
冒険者ギルドの入り口から引き摺られていくのを周りの冒険者たちは異様な光景として見ていた。
「おい、また【水浪の泡沫】がなんかやったらしいぞ」
「あいつが入ってきてから面白いもんを見れるから続けて欲しいけどな」
笑い声が部屋に響く。そんな中である女の冒険者が入ってきたことにより和気臨々としていた空気が冷えていった…彼女の名は【雪薔薇の高嶺】のマティーだ。あいつも色々とすごいのやっているが機嫌がここ最近悪いのだ、誰もそんなことなんて知らないのだが…
一人の勇者が何かを聞きに自ら死の方へ行った。確か奴の名は…
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いつも通りギルドに入って依頼書の完了の手続きをしようとすると一人の男がやってきた。一丁前に髪を整えてポージングをしながら話しかけてきた。
「今日も美しいお姿でありますゆえ…【雪薔薇の高嶺】俺の名は【神速の雷鳴】のサリエ・ポリトルと申します」
握手を求められたがスルーをするのだが
「どうされましたか?【雪薔薇の高嶺】…ご機嫌でも悪いのでしょうか」
懲りもなくまだ絡み付いていて握手を求めようとするそれならいっそ氷漬けに…魔力を込めて一太刀振ろうとすると無力化されたその方向を向くと大きめの帽子を被った金髪の女の人がいた…
「そうやってすぐ怒って人を傷つようとするのは子供の時と変わりないですね…マディー」
「ラステル先生…なんでこんなここにいるんですか?」
私はどうでもいい男のことは放っておいてラステル先生に抱きつく。【神速のなんちゃら】はすごくガッカリとした目でこちらを見るがどうでもいい、今は先生との再会を喜ばないと…
「ここのギルマスに呼ばれてやってきたんですが…詳細については知りませんかね…」
抱きつくのを止めて首を振る
「そうですか…それじゃあ尚更聞かないとですね」
ギルマスの部屋に向かおうとしたところその扉がぶっ飛んできた。急なことで思わず身構えてしまったがそんな必要はなかった【水浪の泡沫】のジェバルがそこから出てきたからだ。彼は一応は信頼できる人間だからこういうところで変なことをしないはずだ。
「だから、ギルマス!僕はそんな名誉とかどうとかはしたくありませんから!」
「お前さぁ…やってることがそれほどすげぇことだから言ってるのによぉ…それにしれっと扉壊してるんじゃねぇ!直すの全部俺なんだから!」
ただの喧嘩だった。もう1時間位かかりそうだから少し時間をおいて聞くことにしよう…受付に戻ろうとするがラステル先生がこの状況を見てあたふたしていた。
「ラステル先生、これはいつものことですから前に見つけた美味しい料理店に行きましょう…お菓子とかいっぱいありますよ」
「え?これがいつものなの?」
困惑しているがこれがいつも通り、固まっている先生を引きずろうとするとギルマスがこっちに気づいて手を振ってきた。
「おい。ラステルか?来てくれたのか!ちょっとこいつのこと拘束してくれないか?こいつ全く俺の言う事聞いてくれないからさ」
先生は素直に拘束魔法を使ってジェバルを拘束していた。 ジェバルに関しては体についた鎖を凝視していた。何を考えているのかしら
「それで久しぶりね。ギルマス、新しく入ってきた新人にそんなに手子摺ってるけど大丈夫なの?」
初めは多少の罵側だったが、最後の方は心配が出ていた先生優しい。ギルマスは呆れながら弁解をしてきた。
「こいつAランクだけどどうしようもない馬鹿でよぉ…今帰ってきて「魔物狩ってきたから見てほしい」とか言うから見てやったらこいつ俺らが全盛期の時にやっと狩ることのできた玻璃蛙をソロでやっつけたって言っていて」
その言葉には語弊があるはずだ、なんたって玻璃蛙なんてあったら死ぬのと同等なのに生きている方がおかしいからだ。ギルマスはそんな私たちに毛布から綺麗な魔石を出してきた。
「これって……」
「そうだ、昔一回だけようやく狩ってきた玻璃蛙の魔石と似てるだろ?」
驚いた本当に狩ってきただなんて、疑ってごめんなさい。心の中で話を済ませてジェバルの方を見るとそこにジェバルの姿なんていなかった。すでに近くにあった窓から飛び移っていたのだ。私は急いで追いかけて行った。
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なんだよ…本当に急に鎖みたいなのかけてすぐにお話始めちゃってさぁ…すぐ解けるような魔法でよかったけどそんなことしたら次はないと思うから…今は風魔法【空中歩行】でまったりと空を歩いているとものすごい勢いで走ってくる気配を感じて後ろを振り返るとさっきいた青髪のマディーさんだった。
「捕まったら、また変なこと聴かれるんだろうなぁ…」
背筋が凍るようになって素早く魔法の威力を上げてマディーさんを撒いた。




