表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラ・ラガス~創造魔法で異世界を生き抜く~  作者: タツノオトシゴ
無謀で勇敢な者に一欠片の自由を
144/180

町内攻防戦①

「町の中に逃げられたと思っても、どこにいるのかバレるのが阿保みたいに早いんだよ!空中に一瞬だけ固まった矢が見えたから多分フリデップとルーナの二人組が来ると思う」


「ジェバル、その二人は見るからに弓兵みたいな感じに聞こえるけど…」


「マディーちゃん、その疑問を晴らすような攻撃が飛んでくるよ!【隕突】とか普通にここら辺に被害が出るの分かるっていうのに…」


 細い道を通っていたところ頭上に魔力を感じて視線を真上に向けると一本の矢が流れ星のように輝きながら砕けていき地面や壁に溶けていくので害はないだろうと思っていたが矢から流れ出ていった魔力はとんでもないスピードで駆け巡っていき自分とマディーさんにグリエさんの足元に辿り着いた途端その場にいた三人の足に勝手に纏わりついてそのまま固定するように留まったのだ。


「結構手慣れた戦い方だね、賞金狩りとか言っている位だから悪者とっ捕まえるような存在だと思ったら普通に冒険者と同じって聞いた時はビックリしたねー」


「グリエ、また矢が降ってくる!」


 水魔法で一時的な壁を創りつつ目的地である反対側の門に移動していたがさっきの【調印】によって居場所がバレているようで逃げても逃げても定期的に降り注ぐ矢の雨に嫌気が差してくる。敵に回してくなくてフリデップだけとは友好関係を絶やしちゃいけないとは思っていたが一年間姿消しただけでここまで関係って悪化するのか…一つ学ぶことができたよ。


 それにしても、このままフリデップの【調印】のせいで色々とこっちの動きが筒抜けだからこのまま反対側の門に向かって走ったところでそこを潰されたら面倒だし…ここで迎え撃つ方がいいのだろうか。出来るのであれば見逃してくれたり…と思っていたが甘い考えを許さない、とでも言いたげな絶え間ない矢の雨にどうしようもない。


「グリエさん、相手は二人組の遠距離攻撃を得意とする相手なんですけど…」


「私は別に戦っても問題はないと思うよ、だってこんな面倒な攻撃をこの後もしてくると考えると一回でも安全地帯送りにして逃げる時間を取りたいし、かと言って他の皆の援護にも行きたいからここは攻めるべきだと思う」


「やられてばかりなのは私は嫌いなのもあるけど…ジェバルの仲間が危険に晒すなら反撃するべきだと思う」


「確かにやられてばかりなのは自分も嫌いだから…一年振りの再会だが派手に抵抗してやるか」


 【宝物庫】から新星を取り出して戦闘態勢に移るとそれを機にパタリと矢の雨が止んで、明らかに誘い込むような対応をしてきた。フリデップというよりルーナの付与魔法に気をつけるのが一番だからこういう何もしてない時間を利用して場所移動をしているわけじゃなく…


「このままフリデップの所に殴り込みに行きます」


「了解、後ろは任せてね」


 行き先を変えて来た道を振り返って足を進めると右の壁から数本の矢が頭に飛び込んでくるが弾き返して事なきを得たが何だ今の攻撃、悪食の時の悪夢を思い出す攻撃の仕方だな…狭い場所だと今みたいに横槍が飛んでくるのは理解できた。後ろの二人には人じゃないみたいな目で見られたが一帯を氷漬けにしたり呪い塗れに出来る人たちには言われたくないが二人を屋根上に引き上げると背後から首を狙った矢が遠くの家屋内から止まず撃たれるようになった。


 新星よりか変光星で対応した方がいいかと頭を過らせたが、変えれるほどの余裕もないし一応格納庫の方には何かあったように色々と魔法は入れ込んでいるつもりだし…まずはどっかに隠れているだろうフリデップを探すところから始めなければならないが門に近い所から重点的に探すしかないな。


 屋根上を飛び乗りながら走り続ける度に連続して飛んでくる矢が苛烈になっていきその度に新星を扱いながら前に進んでいく。反射する矢を辿りながら走っていると撃ちながらその場を移動するフリデップの後ろ姿が見えた。狙いを定めて【月日は我が同類の力】を建物の裏に隠れた人影に向かって放つが当たったような感触はしなかったのでその場を睨みながら少しずつ距離を詰めていくと弓が建物の陰から飛び出し警戒をするが理由が分からないがあらぬ方向に矢を飛ばすと再び引っ込んでしまった。


 今の行動に何の理由があるのか分からなかったがここでフリデップを見失うとまたあの矢の雨攻撃が来ると考えれば逃がすわけにはいかないのだ。隠れているだろう建物の裏に体を動かすとその場には確かにフリデップの姿がいたのだが体を後ろに倒すと再び姿を消したと思ったが背後に微かだが魔力を感じ振り向きざまに新星で対応しようとしたが急に軌道を逸らして体に当たろうとしてきたのを新星の格納庫から【水嵐】を取り出して自分を中心とした渦は軌道を変える攻撃だろうと寄せ付ける訳でもなく、それでも攻撃を仕掛けたその矢は渦の中に入り込んでいきそのままバキバキと音を立てて壊れた。


「さっき放った矢が来たのか?それまで反応できないように隠していた矢なのか?クソ、考える暇も与えてくれないのかよ」


 悪態を吐きながら先程建物から降りて行ったフリデップを追うために新星だと火力不足と判断して変光星に変えて【起爆】を行い変光星の火を灯し狭い道路の先で逃げるフリデップの姿が見えた。ルーナの姿が見えないがどこかに隠れている感じか?こちらに気付いたフリデップは何かに掴まりながら移動しているように見えたが姿勢を固定すると弓を構えるが場所が分かればこっちのもんだ。【超煌弾】を飛ばして危険を察知したフリデップは弓を放つ前に逃げの姿勢を取ったのに狙いをつけて勢いをつけて変光星を翳しながら加速しながら飛び込む。


「大量の矢のプレゼントは結構な物だったがこんな風に再会はしたくなかったな」


「ごめんね、ジェバル。賞金狩りの方でも滅多にないチャンスなんだよ。卑怯とか言われても何も言えないけどホディルさんからの命令だから本気でやらないと不味いんだよね!」


「んな、知るか!」


 火花を散らしながら剣を後ろに下げたフリデップは再び攻撃を仕掛けるが変光星の威力に耐え切れずフリデップの携えていた剣は砕けたのだが全く焦る表情を出すわけでもなく倒れ込むように後ろに下がり素早く弓を構えると僅かだが魔力が感じ取れたし焦げるような匂いが鼻に刺さるような気がした時には変光星の火が急激に強く、さっきよりも遠くに移動していたフリデップの放った矢が一瞬光った後は爆発音だけが聞こえていた。




「爆発音…入って来た門の方から聞こえたがジェバル達が走っていった辺りだった気がするが、まぁ…あいつの事だからよっぽどじゃない限り大丈夫だろうな」


「ルウェーって結構丸くなったよね、昔はもっと暗くて近寄るなアピールしているのが多かったけど…」


「うるさい、変に突っかかるな。お前こそ昔は多少は無口だったが偽るのが嫌になったのか?」


 ただ、人の嫌な所を突くような真似をしてきたからそれに値する言葉を返しただけなのに自分だけ殴られるこの仕打ちはよく分からない。初めて会った時なんて一言も喋らないことを徹底しているように捉えていたこともあって便乗して全く喋る事も無かったが…裏切る予定だった"蛇の抜け殻″で一緒に行動するにあたって頭のネジが外れている女として偽る時に永遠と愚痴を聞いた時がまともに会話した位だが…こんなこと思い出しても今には関係ないと割り切った時背後から鋭い殺気を感じ取りイプロにシグマリを任せ攻撃を弾く。


「こっちに来たのはお前だったかコジロウ…」


「半端な奴が…まさかここで会うとはな」


「コジロウさん、私は先に逃げる二人を追いますのでここを……」


「ここを……なんだ?勝手に通すわけにもいかないのもあるが少し扱いに困っているのがあってな、そこから近づくようなら――――」


 言葉を言い終わる直前でフィンデルは腹を抉る勢いで剣を差し向けてくるが素早く攻撃を弾くが…女は人の話を聞かない癖でもあるのか?傷だらけで今も痛む体を動かし姿を消して不意打ちしようとしていたコジロウを遠くに蹴り飛ばして体勢を立て直したフィンディルの槍を用いた攻撃を魔眼を通して軽く先を視て動く。


 監視員は大抵一人で活動していることもあって一人だけの戦い方が基本的なのだが普通の人間とは違い単純な戦闘センスなら気の抜けない戦い方を平然とやってのけるのが敵として対応する時には最も注意すべき点であるのだが、それが二人にもなれば全く持って不利になるのは完璧に分かり切った話だ。


 ならば、どうするか。強制的に一対一の状態に持っていきその間に極力残った方の手数を減らすか動きを鈍らせるかに限る、こんな監視員だけで組んだ二人組を作らせる所はどう考えてもあの胡散臭い男が一嚙みしていそうな感じはあるがどうでもいいな。


「記憶が正しければこっちで言う一年前は剣を扱っていた気がするが簡単に割り切れるとはな」


「うるさい…です!平然と賞金狩り裏切った人が今更な話ですからね!」


 器用に槍を捌き上手い所で攻撃を止められてしまう、このままだとジェバルみたいな近距離で取り敢えず殴りに掛かってくる別方向での化け物がすぐにでも復帰する可能性があるが…一瞬イプロの元に行くと考えたが何かと突っかかってくるような奴だったからそこは気にしなくてもいいだろう。


 回復に回していた魔力を全て血魔法に専念して自ら右手を自傷した傷から血を垂らしながら自身の持つ巍巍【竜闘刃】に流し込む。防御として【淵明闘竜】を一匹その場に留めておき、何かあったら手助けをさせるように魔力を介して伝えておく。


「【忌むべきは彼の血、黒く濁る我が血は、再び祖の禁忌に触れん】」


「【血解】」


「ルウェーさんって、そんな禍々しい人でしたっけ…昔と随分変わったように感じるんですけど」


「あぁ、一年も経てば変化はあるさ」


 これが今俺の原因を除くことができるのならこの場でしつこく付き纏うだろう監視員の連中を吹き飛ばせるなら躊躇なくやらないとな…剣を構えて目の前の獲物に牙を差し向けて内秘める血肉を搔っ攫って……これは意図的に思考すらも引っ張られるのか、だとするなら気はしっかりと保っておかないとな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ