鳩の対処法①
日はもう少しで落ちる頃、ジャックさんから聞いたことを纏めると僕のことを裏で暗殺しようとする組織がいるらしいことが分かった。その為すぐに確認をするためにギルドマスターは自室を飛び出して行き今部屋の中にいるのはジャックさんと自分だけだった。ジャックさんは殴られたことで作られた傷に耐えながら荒く息を吐いていた。
「【水浪の泡沫】俺は多分もうすぐ消えているかもしれない…ウグッ!…お前がこの地獄に終止符を打って欲しい…俺のただの願望なのだが、これを言っておく『人喰らいは光の届かない夜に現われる』」
痛みを気にしながら喋るジャックさんに一瞬何のことか分からずあたふたしていると窓から急に石が投げ込まれた。
「【瞬光】」
不意を疲れた時には部屋の外から発せられた光が日よりも明るく目を呟まし10秒程度目を瞑った時にはジャックさんは消えていた。
「【探知】!」
ジャックさんを攫っていった奴はこの“自由の追跡者”の住宅地の屋根の上を人間ではない速さで駆けていることを確認したからまだ追うことができるはずだ。素早く【探索】から思考を移し【身体強化・加速】も付け加えお店や住宅地の屋根の上を全速力で追いかける。
「…チッ。追ってきやがった…お前ら!」
遠くの方でジャックさんを背中に背負いながら人間に思えない速さで走っている奴がいた、新星【夜光珠】を構えて狙いを定める。
「【解放せよ】!」
剣からの付与を押し流し後頭部・肩・太腿の三つに【疾風】を飛ばすが違うところから投げナイフが飛んできたのを新星で叩き落とし水魔法【水檻】で纏めてそこにいた人間を捕らえておく。そしてさっき飛ばしておいた【疾風】は見事太腿だけだが命中し筋肉の筋を断ったことで屋根の上で派手に転んだ。
「クソッ!あの距離から妨害を受けてまで当ててきやがった!痛ってぇ!何でこいつの尻拭いをしなくちゃいけないんだよ!」
フードを被っていたのは男で立ち上がることができずに呻き声をあげていた。今、【水檻】に入っている人数が六人そして目の前にいるジャックさんともう一人で八人か…かなり大きな集団みたいだな。ジャックさん二人の近くに寄ろうとすると右から魔法が飛んできた。【水盾】を念のため二重に展開させて受け止める。 これは、光魔法の【輝矢】…数少ない神聖教徒が使うことしかできない魔法だ。まぁ。こちらは【創造魔法】で模倣できるからあまり貴重性がなくなってしまうがな、得意気になりながらも気を取り直してジャックさんに近づくと近くにいた男が短剣を取り出しジャックさんを刺した。
「【水浪の泡沫】!ポッと現れた癖に最近調子乗りやがってるからお前に最高のプレゼントだ!ありがたく受け取りやがれ!」
男の方は正直全くどうでもいいのだがさっきから体を捻ったりしているジャックさんの方が数倍不安だ。ジャックさんの腹のあたりから腕が二本生え顔が膨張している贅肉に呑まれて行き数分後には形が鶏のようになっていた。
「お前ら!例の物を使って逃げろ!」
【水檻】に閉じ込められた人間も透明な瓶を手に持ち地面に叩きつけた途端消えていった。クソ、 多分魔法道具の【転移瓶】を使ったのだろうあの人数分の 【転移瓶】があるのも結構整っているのも把握できた。
こんな盗賊紛いのことをするやつらよりも…こっちの方に手を回さないとな…ジャックさんの整った体や頭は赤黒く血のように垂れグチャア…と音を出しながらこっちに歩き寄ってくる。こっちに寄りながらも常に体の形状は変わっていき最終的には圧縮された贅肉が絞られての姿になりあたりに血らしきものが広がっていく。
「Porrrrrrrrooooo…」
こちらに向かって首を傾げテクテクと足を動かすが歩く度に足が飛び散ってそれを直すために体を再生させていた。僕だって見ているだけにはいかない氷魔法【白銀世界】を使ってジャックさんらしき魔物を凍らせる。鳩は彫刻のように変わり動きは止まったが周りに飛び散っていた血がプルプル動き出しものすごい熱を発し氷を溶かした。おいおい、水魔法から派生しているから氷魔法の特性もわかっているからもう容量もよくわかっているのにそれよりも上の熱を発しているのか?
「【鑑定】」
ジャック・リープス
Lv.35
称号:【人間から変わり果てた者】【赤く染まった己の人生】
技術:【溶解】【精密】【吸収】
魔法:【炎魔法:上級】【地魔法:上級】【血魔法:特級】
加護:【血の権力者ベルレレトの加護】
【血の権力者ベルレントの加護】により血魔法による効力を底上げする。また種族の壁を越えることが可能、また、新たな人格を植え付け依代の人格を抹消する。
すごい熱から発せられる水蒸気で見えないことを起点にジャックさん…もとい【鳩】を鑑定すると【血の権力者ベルレレトの加護】の加護に目が入ってしまった。今まで見たことがない人物が書かれていた。お前…だれ?




