水天一碧に飾れ、幾万天の星々 其の十三
「魔力操作のコツ?イプロなんてそこまで気にすることはないんじゃない?そこまで気になるような所はないし逆に勉強になることが多かったりしたけど」
「褒めてくれるのはありがたいけど貴方に関しては魔力量の割合に比べて驚く程高性能で強力な魔法を連続して出せるあなたの方が魔法に長けているとしか思えないんだけど」
「そう?戦っているのが何かしらに特化している魔物だからそれくらいしないと追い潰されるとかザラにあるから考えたらキリが無いや」
「シグマリから聞いたけど菫鉑蟷螂を屠れるだけでもそれなりだってのにそれの亜種とかも連続で戦ったとか言っているし本当に桁外れよ…私だって師匠とかと一緒に修行してここまで上り詰めたけどまだまだって実感させられるわ」
海に浮かんでいる二号艦が一号艦と連絡を通している最中交代して暇を持て余していたジェバルはどこからか出したのか分からない釣り具を垂れ下げていたのを見て前々から思っていた卓越していた魔力をどうしているのか聞いてみたのだが軽く話を終わらせられてしまったがその後釣り具を見ながらだったがブツブツと何かを言っていたが聞き取れずそのまま妹が呼ぶ声が聞こえて動いたのだが…
「しっかりと話しておけばよかった…!というよりこの雨鬱陶しすぎ!」
海の底も底…天候とは無関係だというのにこの悪天候はおかしいし全身に打ち付けてくる豪雨は時々肌を斬る鋭利さを持ち合わせるので油断しているとすぐに狂気へと変化するので休むことさえ出来ないこの状況は私達には苦戦を強いられてばっかしである。
あの守護者が放った【天雷】と【逸轟嵐】二つの魔法がこんな状況をしているのだがその放った張本人は今まで何も建築物すらもなかった塔内を一瞬で作り替えることをしていた。多分元々作られたものを今出していると思うのだけれども…出てきた建築物というよりいかにも届かない応急処置のために生み出される足場は円状になっている塔壁をそうように螺旋を描くようでスロープ上になっている階段が掛かっていきそこからどこから出てきたか疑問になってくる何層も重ね出てくる頑丈な足場を見て唖然としていた。中央にポッカリと穴を空けて守護者自身は同じ場所で固定のまま高速で魔力を練っていた。
「足場が…!まさにこれを使って戦ってくれと言っているとしか考えられませんが…あの巨体のハンデからしたらいいんでしょうかね」
「こんなにも気前がいいと逆に不安になってくるんだけど…災害のようなあの魔法はその足場関係なくやってくる所は中々性根が腐っているとしか言えないけど…ここの守護者はそういうのがゴロゴロいるっていうから関係ないでしょうね」
「お姉ちゃん!このままだと雷が!」
分かっている…!そう自分自身にも放った言葉は強く地面を叩きつけながら近づいてくる魔法はまるで自我を持ったかのような振る舞いをしていた。ひとまず目の前に出した【魔法障壁】で攻撃を防ぎつつ近くにあった階段を昇り一段上の層に上がる。
「ここも…風に煽られた雨というか水滴が邪魔ね…」
「それよりイプロさんが言っていた策は何なんですか?少しでも安心できる材料がないとここからの打開は…!」
「……この事はジェバル達にも黙っていてね。じゃないと関係ないないのに油断している隙に後ろから刺されるかもしれないから絶対に気をつけてね」
二人から確認を取れたので肩に掛けていた魔法鞄から一本の杖・をゆっくりと取り出すとそれまで守護者からの攻撃でボロボロだったオルフィットの目が輝いていたしシグマリは大きな声で騒いでいた。
「それって…」
「巷ではこれが所持していると知られるだけで懸賞金がかかりこれの取り合いで国同士での戦争が勃発するって言われている模倣杖の一本…」
「……どこで手に入れたんです?ビックリしすぎて傷の痛みが一瞬で引いたんですけどそれってかの有名な魔法の帝王…『魔帝』が使っているとされているとか部下の文献を見たぐらいだし御伽噺にも度々出てくるようなものが…こんな所に?」
私が手にしているのは先程も言ったのだが魔法を使う際に最適解とされている杖としての機能をかつてないほど強力に引き上げた六本ある内の一本の模倣杖、模倣される程に高位であり、巧妙で線密な施しは今の時代でも解明できない不思議な造りをされている物である。
ここまでの性能をしているのであればジェバルの持つ武器も驚くべき能力を隠し持っているのでそこまで強く感じられないのだがこの杖の本質はこれだけではない、最低限の魔法に才があるだけで強制的に『賢者』とも言われるほどの魔法の構築や私が苦手としている魔力操作の全てを底上げすることができる点である。
「これは師匠が獲ってきた獲物!私が奪いに飛び込めるような戦場じゃないから…!それよりも前方から槍みたいな奴が!」
雷が首元に迫り来るとんでもない状況で目の前に数本見える槍は【水槍】のように感じ取れるが油断させるためのブラフ…!多分掠ったり当たりさえすれば体に溶け込むように入っていった後にズタズタに断ち切ってくる人に向けるような魔法の一つとも言われている【水層断】だと予想…すぐに模倣杖を振り上げ即座に同等以上であろう【礫天穿】を撃ち込むと互いに衝突した所で相殺に近い魔法同士の衝突による小爆発が起きる。
「シグマリにオルフィット!多分だけどこの爆発が消えた途端に連続して魔法の撃ち合いになると思うからここから離れて私の魔法を基準に追撃するようにしてね…【微塵嵐】!!」
爆発の勢いが弱まって視界がクリアになった瞬間に飛んでくる何かしらの魔法は明らかに殺す勢いのものだった。頭の中で思考するよりも早く組み立て上げられた魔法は近くに飛んできた魔法を弾いて害の欠片がこれっぽっちもない水飛沫だけが着ている服に掛かる。
「援護ありがとうございます!こちらも魔剣『改八』を使って全力を尽くすんで…!」
「お姉ちゃんの援護もするし私も精霊さんと一緒に戦うから!」
何かを察したのか素早く散開する二人を見届けた後ビッショリになった自分の姿を見てすぐに乾かし目の前で静かにこちらを凝視する守護者を見て深呼吸をする、落ち着け私…これ位の事は笑って素通りするのがいい。心を落ち着けていたのに対して隙として見た守護者は水の槍を数本作り上げると私だけに矛先を向けて飛ばしてきた。
「【青炎濁塔】!!」
『!?』
「魔法同士でぶつけ合いの後にも色々とあってこれくらいの事も考えていないなんてね、次は何がいいかしら今だったら守護者…貴方の魔法を真っ向から潰してやるわ」
飛ばしてきた【水層断】と思われる水槍が動く前に放った青くしかし紅く燃える炎の柱に触れた途端ジュッという水が蒸発した音が聞こえた後ジェバルの魔剣が出すようなとんでもない火力程ではないが辺りに爆発によって引き起こった爆風は靡いていた風を豪雨を軽々と吹き飛ばして目の前にいる守護者を睨みつける。
貴方の上手く行くような盤面は帳消し、真っ向勝負と洒落込もうじゃないの
我々朽ち果てた海底都市パーラに潜入というよりもカチコミに等しい事をしているのだが…
「明らかに数が多すぎてヤバい!」
「確かに海底都市パーラに入ってから明らかに守護者フィレグの猛攻という猛攻が多くなっているのは正しいな…自分自身が守護するはずの場所ですらも関係なく壊すとはな」
横で自分とは反対方向を監視していたルウェーが小声だが焦っているのは分かる…先陣を切るようにお願いされたのでそのまま承諾して警戒は怠る事はなくアウェルから伝えられる方向に動いているのだがそこには何度も押し潰そうと飛び掛かってくる悪食を退けて何ということもなく進んでいたのだが今となっては状況が色々と変わっている。
それまで更地で建造物なんていうものが少なくて多少魔法で何とか空中に足場を作ればどうということはなかったのだが今はそこらかしこに建造物があるのだ。足場があるからいいじゃんと思ったが悪食はそれすらもギミックとして活用してくるのである…我々が時には障害物として立ち塞がるそれを容易に守護者は通り抜けることができるのだ。
通り抜けができるということは相手には壁、障害物というものがない。だからどこから飛び込んでくるかも分からない状況が多くなってきたのだが…今まさにその危険な奴に囲まれてしまっているのである。自分とルウェーそして影の中で静かに待機しているウェール以外の後続はまだここまで辿り着いてはいないからここで数を減らしたいのだが…狙いはアウェルじゃないのにこの量は流石に多すぎるだろ
「ルウェー魔力とか大丈夫か?」
「そういうお前こそどうなんだ?」
「まだ在庫はある…ウェールも少し加勢してくれ『星海祭』の時間はたっぷりあるようでないようなもんだ。こんな所で突っかかる訳には行かないから後続が来る頃には終わらせるぞ」
「了解」「ああ」
この後不意打ちやらアウェルの言っていた【透過】の効果のせいで後続が加勢するまで持久戦が起こるガバが発生した。
オ・ヌー「水魔法使ったけど無害化して水に変換して濡れたのにそんなに怒る?!」
模倣杖って御伽噺で世界をどうこうできるヤバめな武器なんですけど、正確には武器ではないんです。イプロルンの師匠はこの杖を戦場から奪い去るためにあの手この手と聞いた人がガン引きするような事を平然な顔をしてやっとのことで手に入れたものなんです
誤解を招かないようにここでもう一度補足しておきますがイプロルンの職業は『魔導師』よりの『魔道士』です。
『賢者』とか『魔導師』など立派すぎる職はまだまだ無理に近い物なのですが何故模倣杖を持っている者がそんな所で足踏みしているかは皆さんで考えてください




