目の前の現状
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ふぅ…自分とマディーさんの周りにはその取り巻きが気絶していて伸びていた。その中を掻き分けながら階段を登って行き見えて来たのは仰々しい大きな門が聳え立っていた。
まぁ…聞くからに“鉄の森林”並のデカさなのならこの門も分からなくはない近くにまで近づき【怪力】で吹き飛ばす。大きな音が出しながら門が崩れ落ちる。壊れた門の先にあった建造物を表現するなら、これはあの京都にある平等院のような屋敷だった。
「行きましょう…」
目の前に映る襖を開けて胡座をかきながら大きな山のような男がこちらを睨んでいた。その目は普通の人間から見える目ではなく多くの人間を殺した悪者の目だ。
「おうおう、あの【水浪の泡沫】と【雪薔薇の高嶺】がおでましかぁ…これはまた大物だなぁ…」
身長200オーバーの巨体がこちらを見ていた。 そしてその身長と同じくらいの金棒をこちらに向ける。
「お前らは確か…Aランクの冒険者だったよなぁ…ということはあの濡れ雑巾にも満たない 【神速の雷鳴】よりもその分だけ引き締まった上級の肉は嘸かし美味しいってことだよなぁ!あぁ…考えるだけで腹が減ってくる!」
大きな金棒を何度も床に叩きつけて自らを鼓舞するかのように何度も何度も叩き続けた。段々と振るスピードを下げていき 【暴食の乞食】は笑い続ける。
「なぁ…【水浪の泡沫】のジェバルって奴よぉ… お前は人を殺す殺される覚悟はできているからここにいるんだよなぁ?小心者のままの肉は質が下がる、今こうやって聞くのが肉の質を問うための一番の得策だからなぁ!」
いやぁ…煮えたぎる怒りに耐えるのが辛い。ホント今更すぎるぜ【暴食の乞食】…今まで人を喰らって強くなった人間にそんなことを言われたくは無い!そんな目を向ける。
「その目をされるとは…いいぜさっきの言葉は訂正させてもらう…しかし、俺と!お前らのどっちが生きているかは殺し合ってからのお楽しみだな!」
ゆっくり立ち上がるのと一緒に出てきた蛇は黒く罪が重なり合っているように見えた。その蛇の目から見えるのはただ強さに対する執念と欲だけだった。僕はこんな自分だけを正当化する人間に負いと強く思う。深呼吸をして新星【夜光珠】を持つ。
「マディーさん、援護お願いしますよ」
「任せなさい、こっちも必ず援護して見せるから」
こちらは大番狂わせの作戦は考えた。あとはそれを実行に移すだけだ、うまくいってくれることを望む…
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「あぁ…俺と一緒にいてくれたあの遠く先に行く友よ…やっと来てくれたのか…待ったぞ?かなり待った。待たせ過ぎだ…かれこれ100年近く待った」
初対面の人間と思わしき人物が語り始めた。何をするか全く分からないから警戒をしながら話を聞く。
「なぁ…友、■■■の■■■…俺の顔はどう見えるか?」
「………分からない」
目の前で輝く多彩な魔法がこれから出来上がる死を彩っていた。
「ヤバイヤバイヤバイ!」
次に直感的に感じたのは死に向かう恐怖だけだった。
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屋敷は大破していて、 あちこちに穴ができている。
「今もこうやって立っていられるのが奇跡的だなぁ…ジェバル…お前だったらあの【特級】になれる素質があったのにこんなところで躓いてしまっちゃぁ…元も子もねぇ…」
体が…動かない…今こうして意識が保てるのも幸運なことであるけど…くそ…
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とあるダンジョンの奥深くであるニンゲンが世界を壊さんばかりの暴れっぷりをしていた。悍ましい魔力が目の前のやつに集まっていく…このままだとここら一帯が呑み込まれてしま う。 この状況を脱する方法は一つしかないようだ…新星【夜光珠】を構えて相手の様子を窺う。
『友よ!その体に流れる血が本物だというのなら!この僕に見せてくれ!」
「この、ジェバル・ユーストがお前の言う“希望”を継げるかどうか見極めてくれ!」
互いに自身の力を最大限高め力が激突する後に残っていたのは…
ここから新章に入ります。また、これはどっかに入る話です楽しみに待ってください。




