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ラ・ラガス~創造魔法で異世界を生き抜く~  作者: タツノオトシゴ
水天一碧の広大な場を駆け巡る
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水天一碧に飾れ、幾万天の星々 其の九

「いやーまた同じような状況を生み出すところだった…」


「ごめんね、ジェバル君。私がここに来た前々からグリエにお祭りの食べ物がとても美味しいって言ってたから……ついね」


 先程上空から隕石のように落ちてきた“悪食”を変光星で叩きつけたことで最小限の被害に抑えることができたことはよかったのだがそこに居合わせた図書庫にいた子供と鉢合わせたけど怪我なさそうでよかった。今はマディーさんと一緒に遠くの場所で様子を見ていた、横目で見るがマディーさんの手に持つ綿飴のような物や林檎飴と大量に持って喋りながら食べている所にはあまり突っ込むのはやめておこう。


「それじゃあジェバル君はあの真っ黒な人?みたいに都市の人達の避難をしつつ“悪食”の対処をすればいいってことだよね?」


「あぁ…うん、ウェールには申し訳なかったけどさっきの場での避難を任せてしまったけど上空に浮かんでいながらも隙を狙っている“悪食”には警戒して損は無い筈だ、それに試練を受けている他の仲間も合流したいけどここにいないと不味いだろうしな」


 上空に視線を上げればどこぞの守護者が鮫に変身した時と同様で軽快に空を泳いでいるのを重ねて一瞬苛立ったが抑えておこう、あの筋肉馬鹿が言うには大抵の“悪食”はキードゥ近辺に集まっているらしいから他の都市近くに行くことはないらしいからここを守り切れば大丈夫そうだけど明らかに見える“悪食”の数が少ないのはどういうものなのだろうか…


「主、パーラ近くの住民をあの塔付近の広場に避難させるのに完了しました。都市とは言えかなりの魚人族がいたことに少々驚きましたが問題はありません、そろそろここから先にあるパーラに進軍して大元を叩きに行きたいのですが…」


「他の仲間との合流にも力を入れたいがなんか嫌な予感がするんだよなぁ…」


 横に瞬時にやってきたウェールは淡々と喋るが言葉に自信がなくなり呟く様になった。実際“悪食”は目に見える範囲で数えれば五匹程度しかいないからすぐに倒しに動くのは簡単なんだがそもそもこんな少ない数で都市を襲いパーラのような壊滅状態にするなんて考えられない。以前あいつらに襲われた時は取り敢えず数の暴力で自分とアウェルを徹底的に殺しに来ていたのが理由になる。


「ま、まぁ取り敢えず攻撃をして来そうな奴は倒して様子見をするのはどうかな」


「そうですね…“悪食”の方に何か異変があったらすぐに動くことにしましょうか」


 案を出してくれたマディーさんの言葉を聞いて【宝物庫】から懐中時計を出すと時計は十二時半を指していた。一応時間はまだあるそれまでずっと待つわけにはいかないが今は待機して何かあれば動くようにしよう。自分が様子決断した途端“悪食”は分裂するように増えていき一斉にこちらに飛び込んできた。


「各自“悪食”を引きつけてパーラに動きます、それまで合流できませんが頼みます」


「え?」


「御意」


 嫌な感じがしていたがやっぱり油断していた隙にこんなことをしてくるなんてそれまで狙っていたとしか感じられないな…数で押し付けるところは変わらないが細胞分裂みたいなことをして増えるとはな一匹残らず倒さないと増え続けるとは気味が悪いな

 隣にいた二人のことを考えずに変光星を握り力強く駆け跳ね目の前に近づいてきた数匹の“悪食”を焼き切り【宝物庫】の中に蹴り入れた後変光星の【起爆】を利用してパーラに向かって飛び続けるようにする、それを追いかけるように大勢の“悪食”が付いて来ているのを確認して空を飛び続ける。


















 とても状況が不味い…目の前に溢れんばかりに埋め尽くすこの魔物を対処しながら寝ているアウェル君をどうにかして守らないといけないこの並行作業はとてつもなく苦手だ、それでも襲いかかってくる大きな魚に狙いを定め手に握る大鎌を振るい斬りつけていく。


「アウェル君!ちょっと大変だからそろそろ起きてくれると非常に助かるんだけどどうかな?!」


 しかし、仰向けに寝ているアウェルは試練を終えてからずっと何も返事をせずにいた。試練は終わり守護者の言っていたことに思考を回していたが周りをみれば魚人族に注目を集めていたことに気づいてすぐに転移魔法で一目のつかない屋上に転移して一息ついたのに突然感じた気配はまるで先程戦った守護者を連想させるものだった。

すぐに【緋岸竜の大鎌(ノブリューヅ・サイス)】を取り出して気配を感じる方に向かって鎌を横に振るえばとんでもない速度で飛び込んできた魚を狩れた。


「なるほどね…これがアウェル君とジェバル君が言っていた“悪食”…それに守護者も言っていた奴がこんな所にやって来ている?それに守護者同等の魔力を持っているってことは…」


 それよりも周りの警戒を怠らないことだ…さっきは魔力感知で分かったがあれは半分勘に近かったから今度もそう当たるわけでもない。すぐにアウェル君を担いで結界魔法を張っておき安全を確保させると同時に横から“悪食”が二匹飛び込んできた。衝撃が来てからの反撃だが一応は守ることができたがこのままだと私達に危害を加える際にこの都市に被害が来る…


「守護者の代わりにやるのがこれってことね…面倒なことを押し付けるとは肩書きだけの守護者じゃないかなぁ…まあ出来る限りはやらないと『お星様』として駄目みたいだからね【地空守護(ファルテット)】」


 家の屋上だけど屋根に手をつけて守護者が宣言した時のと同じ領域魔法を海底都市グクェフに完璧に張り切ったことを確認して【緋岸竜の大鎌】に魔力を流しどこからくるか分からない“悪食”に警戒をしていたが警戒する以前だった。途端に姿を現した“悪食”はこちらに飛び込んでくるがその場に止まり死んだ魚のような目でこちらを睨んでいた


「おやおや…大層な数でいらっしゃって何が目的なのかな?」


『我が友にだ』


「!?」


 頭に直接語りかけらるように届けられた声は何度も体にとんでもない圧をかけて来ていた。押さえつけられるようにして掛けられる魔力はまるで…


「起きろ【緋岸竜の大鎌】!目の前の奴を焦がし尽くせ【朱雨】!」


 魔力を大量に入れ込んだ大鎌は瞬時に息を吹き返したように力を取り戻し所持者の願い通り連続して放たれる朱色の魔力弾が視界を埋め尽くしていた“悪食”に穴を空けていき大鎌を一振りしてこちら側に近寄らないようにした後アウェル君の側に寄る。

 今の声はなんだかわからないけど…とにかくヤバい。ジェバル君とアウェル君は平然な顔でなんとか逃げ切ったとか言っていたけどこれは非常に不味い。なんせここに呪いを完全に受け入れてしまった()()()が目の前にいるのだから


「すごい密度の呪い…私の使っていたアレとは比にならないくらいじゃない【血の権力者】の呪い…!これは上司じゃないとなんとかできない奴じゃん…」


『早く我が友を渡せ、さもないと殺す』


「私もジェバル君もアウェル君の友達だからね…ここで引き下がるわけにもいかないんだよね…アウェル君が起きるまで何分経つか分からないけど精一杯邪魔させてもらう」


『そうか、ならば死んで貰う【煌輝燦禅(コウキサンゼン)】』


 一瞬のことだった。構えていた大鎌を振るうよりも素早く赤黒く煌めいた一閃が首に向かって飛び込んだ所まで覚えているがいつの間にかアウェル君と同じように倒されていたが首に手を当てても痛みはなかった。前を向くと一人の男が守護者の攻撃を止めていた。


「ジェバルという聞き慣れた単語が聞こえて仲間と思ったが服装から見る感じ同じ境遇の『お星様』だな…あの筋肉馬鹿に振り回されたが外はこんなことになっているとはな…【淵明闘竜(レグリード)】」


『邪魔をするものが増えただけか…手短に我が友を渡せ』


「この場の事情は分からないが断るとだけ言っておこう」


 “悪食”の守護者が魔力を急激に高めたと感じ取ることができた時には数体の“悪食”が飛び込んできていたが小さな竜のようなものが抑え込んでいた。私の前に立って攻撃から守ってくれた男がこちらにやって来てアウェルと私を抱え込むとすぐに守護者から距離を離すのか家の屋上を飛び越えるように走っていた。


「ちょ、ちょっと待って?!」


「なんだ?【淵明闘竜(レグリード)】なら力づくに押し切られたあの筋肉馬鹿には通用しなかったがあの魔力量の攻撃なら大抵は抑えられる筈だ、安心しろ」


「そうじゃなくて!貴方は!?同じ『お星様』って言っていたけどジェバル君貴方について何も言っていなかったけどどこで何してたの?」


「信頼していたからジェバルは何も言わなかったんだろうな…俺の名前はルウェー。この海底都市に引き摺り込まれて気がついたらキードゥの守護者と戦闘した後牢屋のような場所に入れさせられていたが突如話すこと話された後お前等を助けるように守護者から言われてな、それに速やかに海底都市キードゥに向かえとも言われた」


「私はグリエ、訳あってジェバル君と鉢合わせて同じ『お星様』だから少し行動を共にしているんだけど…」


 ジェバル君の仲間が他にもいたなんてそこでも不思議なんだけど…それでここはキードゥではないのか?と言っていたのでここはグクェフだよとだけ答えておいた。それよりもさっきの事が本当ならなんで同じ守護者同士で戦うことになるんだ…いや【血の権力者】の呪いを持ち合わしているのなら戦うことも予想できる。キードゥまでの案内するためにルウェーに下ろすように話してアウェル君を担ぐように頼むのだが後ろからは大量の“悪食”が追いかけていた。


「まるで筋肉馬鹿の数でなんとかする攻撃に似ているな…それより大元の強い魔力は感じないがどこかに潜んでいる可能性がある警戒は続けろ」


「分かってる…!」


 キードゥに関してはジェバル君がいる、転移魔法で逃げることは可能だが数秒立ち止まらないといけない欠点がこの状況の所為で使えない。この“悪食”の大群を引き連れての大移動になってしまうが“悪食”の狙いが何故か友と関係であるアウェル君は謎でしかないがこのまま彼を受け渡してしまうと取り返しのつかないことになりそうだったから正直助かった。

 グクェフの守護者は呪いに極端に嫌っていた理由がやっと分かった…だがそれが分かっていて対処しないのはよく分からない。今まで姿を現さない『海の王』だったら対処はできそうだが何もしないことだって分からない。


「あー!!考えてもよく分からない!ルウェー君はアウェル君のことを絶対に話さないでね!“悪食”はアウェル君を狙っているから君に攻撃が来ると思うからこっちがカバーするからそれまで頑張って走って!」


「……!あぁ…それよりも奥の方から真っ新だが舗装はされていないのか?」


「そういうのはアウェル君に聞いて!同じ『お星様』なんだから海底都市の詳しい事なんか知らないって【朱雨】!」


 振り向き様に撃ち込んだ魔力弾は後ろに大群を成していた“悪食”の数体の胴体に穴を空けるのだがそれすらも乗り越えるように襲い掛かる“悪食”に恐怖を感じさっき異常に駆け足になり風魔法を使って地面に着地して領域魔法を超えると悪食に追われることはなくすぐに他の場所に移動していたのだが一匹だけ雰囲気が違ったのがこちらを睨んでいた。


『忌まわしき『お星様』が……一丁前な魔法で我からの追撃に逃れて安堵しているのが余計苛立つ。この魔法には手こずることはないが面倒だがこの機会で必ず我が友は取り戻す』


 確かに領域魔法を介して襲いかかってこない悪食に安心感に浸っていた所を漬け込むように異変が起きたのは特別格のオーラを纏っている悪食が言葉を吐き切った後だった。地震が起きたように大きく揺れたと思ったら地面から一匹の悪食が現れたのである、すぐ様【緋岸竜の大鎌】に魔力を入れ込み【朱雨】と同程度の魔力弾を打ち込もうと思ったのを遮るようにルウェー君が前に出ると連続して真っ黒な魔法を飛ばしてくれた。


「【淵明闘竜(レグリード)】…!ここで体力は正直使いたくはないがあの大元の魚が来ない点や地面から出てきたのがそれに近い存在では無いのなら対処は可能だ、あの大元をどうしかしないといけないのは分かるが今は筋肉馬鹿の言うことを優先することが大切だな」


「地面から湧いて出てきた悪食にはそこまで警戒は必要は無いけどここで倒し切れるのなら決着を着けたい…いやこのままキードゥに転移するからそれまで耐えて!」


 転移魔法を広げているとそれを狙ったかのように悪食がルウェー君の魔法から抜け出しこちらに襲いかかってくるがすかさず駆け寄ってくれたルウェー君の魔剣が奇襲を食い止めるようにして止めてくれた。

 数分で転移魔法を組む事ができたのだがそれまでにとんでもない量の悪食が増・殖・しているようだったがルウェー君が一人で捌いてくれたお陰でこっちには被害はなかった、ルウェー君に一声掛けると地面を抉るような上級の魔法を飛ばした後転移魔法の魔法陣の上に駆けつけ魔法を発動させると真っ白な光が包み込み後から襲いかかってきた悪食を退け払い少しすると何もない地平線だった視界が変わり見たことのある酒場に転移した。

もう…八月が終わりって信じられないのが現状です。九月も頑張って更新するのでお楽しみに

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