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ラ・ラガス~創造魔法で異世界を生き抜く~  作者: タツノオトシゴ
水天一碧の広大な場を駆け巡る
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水天一碧に飾れ、幾万天の星々 其の五

 少し時間は戻りキードゥにたった一つだけ建造された塔の中で守護者とジェバルが削り合うような殴り合いをしている中、海底都市グクェフにも一つしかない塔の中でも同じような動きが窺えた。一人の魚人族は片手に持ち巧みに刀を動かし守護者に攻撃を畳み掛けその攻撃の間を狙って攻撃を加える一人の人間族がいた。

 目の前で優雅に立ち続ける守護者は今までの攻撃を何らかの魔法で跳ね除け続けていた、しかし油断を見せればどこからか分からないが白と黒をモチーフにした短剣を二本取り出してで攻撃を仕掛けてくる事がしばしば…それ以外は全く戦況が動かず停滞状態になっていた。


「それで、グリエ殿。ジェバル殿に応援の言葉をかけている最中に魔法が起動したことは覚えているか?」


「……ちょっと!今話しかけてくるタイミングじゃないことぐらい分かっているでしょ【降雷】」


 軽い言葉を話しながらも飛んでくる斬撃は鋭く奥の方で静かに立ち続ける守護者に向かってとてつもなく速い雷が仕向けられるが近くに行けばいくほど強くなる何かによって強大だった魔法は次第に弱くなっていき終いには守護者の体に辿り着かずに消えてしまった。


「あれは故意じゃなくて本当に偶然の話、それに関して話は終わらせたつもりだけどまだ続ける?もういいよね?それよりもあの「こっちに来る前に魔法が意図せず消えたんだが」みたいな顔がすごくムカつくから叩きに行きたいんだけど」


「落ち着くんだグリエ殿、この戦闘が始まってからかなり時間が経っている魔力等の心配ぐらいはしていないといざという所で魔力切れになってこちら側が不利になってしまう」


「そこの所は痛い程体に染み付いているから心配は無用、アウェル君はそれよりもヒットアンドアウェイの精神で動くことを念中に入れてまずはあの余裕な顔を失くす事を第一の目標に、いいね?」


「ヒットア…?取り敢えずその場その場での最適な動きをとればいいと捉えればいいのだろうな!」


 一通りの攻撃を叩き込んで後ろに下がれば同じように下がったグリエ殿が最低限の事を伝えているのだろうが…友ジェバルと同様よく分からぬ言葉を放つため困ることが色々と発生すればそこに突っ込むほど余裕はない、一瞬の休憩でも体に魔力の残量を心の中で確認しながら今一度刀を力強く握る。


「私が先導して何回か攻撃する、アウェル君は漬け込む隙があったら私のことは構わず斬り掛かって形でいいから突っ込んで来て欲しい」


 グリエ殿の要望に軽く頷いた途端すぐに走り出してしまったそのまま持っていた剣と守護者の二つの対となっている短剣とがぶつかり合い何度も火花が散っていた。すぐにかけ離されたのに追い付くように足を動かしてグリエ殿が攻撃を仕掛けた後に守護者の背後に滑り込んで刃を向けるがどちらの攻撃も反発する何かに遮られて守護者に傷一つもつけられなかった。


「硬いね、それよりも結界魔法でも使って魔法の能力を低下させたりしているのかな?いや酒場の時は展開させていなかったようだけどあの時に覚えたとかいう線はなさそうだし魚人族の固有魔法というよりは守護者独自の潜在的な何かの可能性もあるって所が有力かな」


「……有限である魔力を消費するから、という考えに至らないということはあの時にすでに把握されていたということか?驚くべき洞察力…筋肉馬鹿のシャールペントにもそういう所は見習って欲しい所だがそんなことを言えないがな」


「自分よりも他人の事を気にするつもり?そこまで死闘なんて繰り広げている感じでもないし殺すなら殺すで命張っていこうよ…そこまで甘くやるつもりはないんでしょ?『星海祭』ってのは」


 そう不敵に微笑むグリエ殿は脇辺りから黒いモヤモヤを生み出したと思ったら古びれた剣を取り出していた。それがこの場に姿を現した瞬間悍ましい程の魔力と威圧が自分に襲いかかってくるような感じがしたがあれは一体…


「じゃじゃーん、大量の刃こぼれとか諸々で弱そうに見えるけどそこで判断して欲しくないけどまぁまぁな代物でね?効果は全然何だけどその感じは効いているみたいだね」


「呪いの一種か…」


「ピンポーン!大正解、元の素体自体が結構強力すぎて保管するのにもまぁまぁな時間がかかったしこの形にするのも大変なんだけど私の同僚は私に対して強く言えない立場にあるからね、急用だと言えばすぐ動いてくれるんだよね〜」


 呪い?そんな物この海底都市にはそんな事を聞いたことすら無い…はずだが守護者はグリエ殿の持つ武器を見た瞬間に嫌そうな顔をして“呪い”と呟いた。何処からそんなことを知ったが分からないが守護者だと分かるものなのか?だったら同じ立場である彼も同じなのであろうか…いや、今は関係ないな。この戦いを終わらせてジェバル殿達と合流を果たすのを念頭に置くことを考えておこう


「それで色々と狂い始めたと言っても過言でも無いからな…それに振り回されるのはもううんざりだ」


「『海の王』か貴方と同等の守護者が関わっていると推測できるわね、感じ的には結構海底都市で名が通ってそうなアウェル君はそんなの知らないみたいだし」


 積極的に攻撃を仕掛けることがなかった守護者は滑るように動き出しグリエ殿の持つ呪いの武器を破壊するように両手に持つ短剣を動かすのだが守護者の周りに魔法が囲むように展開されて一斉に炎が放たれて砂埃が舞い上がるとすぐに風が砂埃を払ってグリエ殿と守護者が剣を交えていた。


「急に攻撃的になって…あとちょっとでも遅れていたら首が切られていた所なのにお構いなしなのね」


「その割には当たりを外すために魔法で目隠しをするような曲芸ができるのに構ってやる必要はないしその類の物で色々迷惑沙汰になったんだ、それを見るだけで吐き気がするんだ片付けさせてもらう【手に安寧を(ペーテグランデ)】」


「完全に破壊するつもり?これがあることで助かることもあるのにねっ!」


「グリエ殿から離れろ守護者【煌輝燦禅(コウキサンゼン)】!!」


 守護者の手から魔力が集中していき白色だったのが急激に黒色に変化した、グリエ殿は蹴って遠ざけようと対処しようとしたのだが結界魔法で防がれて無意味という結果になったのだが私が真上から振り下ろした斬撃に警戒して守護者は避けたみたいだが近づけば分かるあの黒色の手にだけは触れられると何が起こるか分からないから正解だったな


「ありがとアウェル君」


「造作無い」


 しかし、あの真っ黒に変化した手は元通りの白色になっていた。今のに限っては初めて見る守護者が出した一つの攻撃手段…後ろに下がって様子を見ようとするが守護者は武器を取り出したように手元の何処からか本を取り出した後どんどんと魔力を高めていった。


「魔導書にも見えるけど…結構上位な魔法道具を趣味で作っちゃうくらい技術が高いから侮れないから少し警戒ってことでこれでも使おうっと【皮を賭け血を穢す】」


「本当に忌々しい…【目の前の不条理を律し道理を確立せよ】」


 グリエ殿の持つ剣から半透明なのにそこに茨があると認識できるような物が勢い良く飛び出し剣を力強く握っていた右腕に固定するとそこの所から体が黒くなっていった。それに反して古びれていた剣が整った姿に変って魔力を大量に放出していたのだが、全く苦痛の顔をせず魔力を練り魔力を剣に流し込んだと思ったら守護者の元に攻撃を始めていた。目ですらも追えないほどの速さに見惚れていたが飛び込んだと同時に守護者の本が輝いたのを見て我に返ってすぐに攻撃を止めるために足を動かす。


「いいねぇ…まるで呪いだけを弾くようにだけ創り出された魔法みたい…!」


「黙れ、自らを穢し攻撃へと動く蛮勇は虫唾が走る【環律転統】…!」


「【火蝶風月(カチョウフウゲツ)】…やはり届かないか!」


 見るからに集中する魔力が集まったように見えたのだが一瞬にして消えた魔力に戸惑いながらも攻撃を仕掛けようとしたグリエ殿に真っ白な光が放たれて壁と衝突をしていた。私もすぐに動いて守護者に向かって攻撃したのだが見えない何か…多分グリエ殿が言っていた結界魔法に跳ね除けされそうになった挙句飛び火のように飛んでくる攻撃を謎の勘で避ける事が出来たのだがさっきのは守護者特有の魔法なのだろうが、あれに当たったグリエ殿の元に行って回復に努めたいのだが目の前に佇む守護者がそれを許してくれるかどうか…


 頭の中でそんな事を思案していたが既に守護者の間合いに入っている、攻撃までの動きを良く見るんだ。今さっきのは奇跡的に避けられたのだとしても次は必ずあるという訳でもない慎重に見極めることに力を入れる、守護者が周りに魔法を展開するのを目視して体の動きを止め一呼吸整える。


「……普通なら同類であるお前には損害を与えるような攻撃するつもりはこれっぽっちもないのだが『海の王』に火付け人として選ばれたのならば守護者という立場として容赦はしない」


「元よりそのつもりだ守護者、友との再会にも関わる大事な場面引くことすらも出来ぬだろう【盛楓冥月(セイフウメイゲツ)】!」


 私の持つ刀、【千羽戯楽(センバギガク)】は青白く光る剣身が周りに守護者を囲み攻撃は当たったようにも感じたのだが何一つ顔を変えない守護者を見て少し焦りが出る。数回攻撃を試みるが軽くあしらわれた挙句強めの魔法を身に受け弾かれてしまった。


「多少でも傷をつけようと力の入れ方に工夫をして攻撃をしてくるとなるとそれ相応の攻撃を与えたくなる…【魔戯一如】【降雷】」


「!?」


 自分の横を擦り抜けた後も焼き続け壁に衝突するとバリバリと大きな音を立てて消えていった。喋りながらだったが魔導書の色が白だったのが黒に変化して警戒をしていたつもりだったがあの速さを連続してやられたらものすごく困る…それにしても今まで攻撃一択での行動だったのにいざ防御に移るとなると避けるのに必死になってしまう。その後も守護者が繰り出す魔法の波に揉みくちゃにされながらもギリギリの所で息をしている中壁と衝突したグリエ殿は無事なのだろうか…


「他人の心配をしている暇なんてないはずだが、余裕そうだな【手に安寧を(ペーテグランデ)】」


 同じように黒くなった守護者の手が黒くなってからの動きから繰り出される攻撃はとても素早く目で追うのもやっとの思いなのだがだんだんと勢いが弱まっていくのはステンプルみたいだな。しかし、飛び込んでくる際の動きだけは異様に速いせいで一定のリズムで跳ねるのを覚えておくことで逃げ切ることができた。


「ヌグゥゥァァアア【遂行車(チェイサー)】!!!」


 逃げ切ることができたことで安堵したのがバレたのか足元を積極的に狙われて体勢を意図的に崩されるがここで連続的に攻撃を与えられ続けられたら持ち堪えることができないだろう…地面にぶつかることは分かっているので体を捻り切りこちらに来させないために横に刀を振るい切って守護者を近づかせずに済んだ。すぐに受け身を取りながら後ろに下がり間合いの調整を行う


「器用に動くものだ…あれだけ体勢を崩されてから攻撃を放つなんてとんでもない試みだというのにそれを埋め合わせるようにある高い身体能力が基盤になっているのだな…【手に混沌を(パルテンドグランデ)】」


 背中に掛けていたポーチに手を伸ばし掌ほどの魔法瓶を取り出し口に流し込んで魔力補給をするのだが…この戦いの中で何度も守護者に近づけば近づくほど魔力をゴリゴリと削られるようになっているのだがあれも結界魔法の類なのか?ジェバルのように体から溢れるほど魔力は持ち合わせている訳ではないのだが厄介には変わりないのだが、守護者の手は黒色から通常の白色に戻ったのにも関わらず異様な気配を感じらえた。


































「いてて……無闇に呪いに体を預けるのは良くないのは知っていたんだけど守護者なんていう肩書きを持つ魚人族となんてそうそう戦えないからね…これくらい平気なんだけどあの攻撃、というよりもあの本が怪しいかったな」


 私の右手から右腕に縛り付く茨の様子を見ながら溜息を吐き壁からゆっくりと抜け出し先程守護者が自身に向かって放った魔法について考えていた。あれだけ攻撃を重ねに重ねていたのに跳ね除けられるしアウェル君も必死について来てくれたのに勿体無い事をしてしまったし、今も戦闘を続けている筈だからすぐに戻らないといけないけどあの完璧な防御を攻略するか…


「大事で大事で仕方ない私の体…もうちょっとくらいいけるよね?えっと…【肉を賭け、精神を穢す】だっけ?」


 呪いに少しだけ体を明け渡した途端伸し掛ってくる痛みに耐えながら深呼吸する、右腕から這い上がるように伸びていく茨は透けて頭に掛かっているしそれでも伸び続ける茨は体に負荷がかかる。まだストックがあるけどこの感じだと二つぐらい削れそうだけどこんな所で弱音を吐いていたらこれからが大変だからね…

 それにあの変態防御さんには少しくらい焦りってものを味わってもらわないとだしあの感じだと呪いに何か過去がありそうだしこの姿を見せつけたら変な気にならなければいいけどな。

 体に流した魔力の代償以上の脚力ですぐに戦いの場に戻ってこれたのだが…とんでもない速さで攻防を続けている守護者とアウェル君の姿が見える。こんなにも高速で動き続けるとなると相当体に負荷を掛けるようなことになっているのに二人ともどんな鍛え方してるんだか

ステンプル:海底都市版ゼンマイ仕掛けおもちゃみたいな物。結構精密に造られていて、実際に造られたというか重要機関から持ち込まれて色んな所を経由して趣味で物をいじるのが得意な奴の手に渡り家庭的なおもちゃとして複製化された経緯を持つ。

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