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社畜少女の異世界記録  作者: しろやま おおか
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雲行き

 こんなことが本当に起こるのか今でも信じられないが今の私の現状からして信じるしかないだろう。私はどうやら異世界に来てしまったらしい。少女はそのまま言葉を続ける。


「納得する答えだったかしら?さっきから度々時が止まったみたいに固まっているけど。やっぱりなぞなぞの方だったのかしら!?」


少女は私を不安げな目で見てくる


「いや、なぞなぞの意図はなかったから大丈夫。ありがとうね」


全く大丈夫ではないが少女が不安げな目で見てくるのでとりあえず落ち着かせる。


「はぁ、、良かったわ!そんなにずっと固まっているから心配しちゃったわよ。それにしてもさっきから随分考え込んでいるようだけど、何をそんなに考えているの?」


 どう答えたものかと思案していると少女の後ろにいる鎧を着た人たちの後ろから同じ鎧を着た人たちが寄ってくるのが見える。よくよく見るとその中心には中世の貴族のような格好をした人が鎧を着た人に守られる形でこちらに寄ってきた。


「ヒルネ!護衛の目を盗んで勝手に森へ入っていくとは、、、感知魔法を使えるものがいたから良かったものの。もしいなかったら魔物に襲われていたかもしれないんだぞ!」


 目の前の少女はヒルネと言うらしい、、、近ずいてきた人物はヒルネの親だろうか、彼女と同じ髪色に快晴の時の空のような深みの強い青そして彼女に似て整った顔立ち。いや、、この場合は彼女が似たのか。それに何より背が見上げるほど高い。二メートル以上はあるのではないか。さしずめ美壮年と言ったところだろう。その美壮年がは私に気づくと怪訝そうな顔でこちらを見てきた。


「お前は何者だ?なぜ魔物がうろつくような森で一人でいる?」


まずい、、ここで返答を間違えようものならどんな目に合うか、、、想像もつかないけどおそらくいい方向ではない、、。とすると正直に真実を言うか?私は違う世界にいて気絶したらきずいたら別の世界にいました。と。いやいやいや、こんなの余計怪しまれるに決まってる。嘘でもなんでもいいからここは怪しまれないような言葉を、、、。


 どう答えるか返答に悩んでいると最初に口を開いたのはヒルネだった。


「彼女は記憶喪失で何も覚えていないのよ。色々聞いてみたけど何も知らないらしいわ」


そう言うと彼女はこちらを抜くとパチンと可愛らしいウインクをして見せた。おそらく彼女は私が妖精で正体を明かされるのを好ましくないと思っているからか、なんとか正体を隠そうと援護してくれているらしい。私はそれに乗っかり首をブンブンと縦にふる。


「記憶喪失、、、、、、、、?」


ヒルネはさらにこう紡ぐ


「こんな森で記憶喪失なんて、、何かよっぽどひどいことがあったのよ。それで考えたんだけど彼女を家に招待するわけにはいかないかしら?彼女もいくあてがなくて困ってるだろうし右も左も分からない彼女をこんな森に置いていくわけにはいかないわ」


 家に招待するだとかいっさい聞いていなかったが、よくよく考えるとこんな森、一人で今の現状を打破できるとは思えないし、彼女についていった方が間違いなく得策だろう。そう決めた私はヒルネの邪魔にならないよう石像になったかのごとく存在感を消す。


「確かにその話が本当なら彼女は保護するのもやぶさかではない。だがその少女は怪しすぎる!なぜこんな危険な森の中で記憶喪失になっているのか、なぜ光の柱の元にいたのか疑問ばかりだ。記憶喪失と言うのも嘘である可能性が高い。そんな彼女を街に連れ込むリスクが大きすぎる。彼女には申し訳ないが・・・・」


 (なんだか雲行きが怪しくなってきたぞ、、、、あれ、これもしかして私この森に置いていかれる?放置?放置パターンなの?)


 確かに今の私の状況から見れば怪しいことこの上ないだろうが、この機会を逃したら状況を脱するどころか生存すら怪しくなってくる。彼女たちについていけばヒルネの親が言っていた街につくのだろうが周りの護衛に見張られていたらおしまいだ。余りにもしつこいと護衛から反撃を会うかもしれない。そもそも私の体力でついて行けるかどうか、、、。


(これ、、、詰んだ、、?)


 ヒルネ父が納得する理由を懸命に探すが記憶喪失とヒルネが言った以上撤回は出来ない。そしてその記憶喪失をいうこと自体を怪しまれてしまった今、完全なる積みであった。


それでも何とかヒルネ父が納得してくれる答えを探す。そんな中ふとヒルネを見るとその可愛いお顔は真っ赤に染まり頰をぷくっと膨らませていた。一言で言えば彼女は癇癪を起こした。


「お父様がそんなこんなにも可哀想な女の子を森に置いていくのお人であったとは思いませんでしたわ!そんなお父様なんてもう知りません!お父様の馬鹿!あんぽんたん!口も聞いてあげません!」


 そう言うとヒルネ父は血相を変え


「君を我が家に招待する」


と。綺麗な手のひら返しを見せた。




 



 


























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