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社畜少女の異世界記録  作者: しろやま おおか
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目覚め

 なんだか体周りが柔らかい。いつベッドに入ったのか記憶がないが気付かぬ内に帰ってきたようだ。それにしても睡眠器具というのは本当に素晴らしいと思う。上司の仕事の押し付けにより十分な睡眠時間が取れなかった私は睡眠環境だけは良くしようとそれはそれはお高いベッドと枕を揃えた。そのベッドの力はそれはそれはとてもすさまじく、辛い社畜生活を生きてこれたのはこのベッドと枕あってであった。   


 夢ごごちを楽しんでいた私に突如違和感が襲う。頭部にあるはずの枕がないのだ。周辺も微睡みながら手探りで探すが一向に見つからない。そしてもう一つの違和感が私を襲う。


 枕を探す際の感触がベッドの感触ではない。


言うなればフサフサとかワサワサとか例えるなら草のような類の、、、、、嫌な予感がする。ここがベッドではないとすると私は家に帰っていないことになる。ということはあのまま寝たまま、、、、、、。焦りで脳が叩き起こされ先ほどまで聞こえなかった私を囲んでいるであろう声が少しずつ耳に入ってくる。

 あの時歩いていた場所はあまり思い出せないがこの感触からするにどこかしらの歩道の自然という自然に突っ伏している状態だろう。つまり私は公衆の面前でスヤスヤとオネンネしている状態である。


 (あぁぁぁぁ目開けたくないぃぃぃぃぃぃぃ)


 あの場所周辺は人通りも多く平日はいつも会社や学校へ行く人で溢れる。そして私はおそらくその観衆の真っ只中にいる。ということはすなわち・・・

 これ以上考えたら私のちっぽけな自尊心はあっという間に吹き飛んでしまうだろう。


(これは夢だ・・・そうに違いない・・目を開けばきっと家にも戻ってるはずだぁぁぁぁ)

 余りの羞恥でまともな思考を失った私は目をゆっくりと開ける。


(どうか夢であってくれぇぇぇぇ)


 そう願う私の期待は違う形で裏切られることになる。







「え?・・・・」







私の目に映ったのは私を覗く会社員や学生などではなく、鎧のようなものを纏っている人々とこちらを好奇心溢れる目で凝視してくる一人の少女であった。






 

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