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96話 いろいろ
スピカは商館応接室のソファの上で、グッタリしている。
「どうだ?」
「はい……。幸せでした」
「それは何よりだ」
俺はスピカの頭を軽く撫でる。
「お前は俺の女だ」
「あ、ありがとうございます。私みたいな、何の取り柄もない女に……そのように言って頂けるなんて」
「謙遜する必要などない。スピカには天性の商売の才能がある。きっと素晴らしい商人になれるだろう」
「そうでしょうか?」
「ああ、間違いない。俺が保証しよう」
「うううっ。お父様以外の方に認められたのは初めてです。嬉しいです」
スピカが目に涙を浮かべている。
天性の商売の才能など、適当に言っただけなのだが……。
そこまで喜んでもらえるとはな。
まぁ、才能云々は置いておくとしても、”竜の加護”を得た彼女が優秀な人材になっていくことに変わりはない。
これからは俺のために動いてもらうこともあるだろう。
*****
そして俺は、さらにスピカで楽しんだのだった。




