94話 何でもいたします!
俺は商会の頭取と今後の段取りを打ち合わせていった。
「よし。こんなものか。よろしく頼むぞ」
「はい。ライル様のお力になれること、こちらとしても大変嬉しく思っております」
頭取が頭を下げる。
基本的には、俺ばかりに理がある話だ。
シルバータイガーの討伐経験のある”シャオ・ブランシェ”とかいう冒険者を紹介してもらう。
その上、その他の細々とした準備もしてくれるらしいからな。
ただし、その見返りとして”白銀の大牙”以外の素材はこの商会に優先的に卸すことになる。
「うむ。何かあればすぐに連絡してくれ。では、そろそろ――」
「ちょ、ちょっとお待ちくださいませっ!」
「ん? 何だ? スピカ」
頭取の娘、スピカが慌てながら割って入ってきた。
そう言えば、彼女はずっと放置してしまっていたな。
別に彼女の能力が不足しているというわけではないのだが、頭取が目の前にある以上、彼女と打ち合わせる意義は薄いのだ。
「あ、あの、その……」
「どうした? スピカ」
「わ、私にもできることがあれば、何でもいたします! 言って下さい!!」
ほう。
なんでもか。
*****
スピカにいろいろなことをしたのだった。




