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73話 奴隷の首輪

 キーネの元仲間だという冒険者たちがなかなか諦めない。

 心優しい俺は、奴らに救いの手を差し伸べることにした。


「俺と取り引きしろ。条件は簡単だ」


「「「…………」」」


 彼らは警戒しているようで返事をしない。

 まぁ、それもそうか。

 先ほどまで戦っていた男がこんな申し出をしてきた時点で、怪しさ満点だ。


「この首輪が何か分かるか?」


「そ、それは……! 奴隷の首輪!?」


「国に認められた奴隷商しか持っていないはず……」


「なんで、あなたなんかが持っているのよ!」


 3人が動揺している。

 奴隷の首輪は、希少なアイテムだ。

 市中に出回ることはほとんどない。

 その理由は、主に3つ。


 1つは、作製難易度の高さだ。

 スキルの補正無しで奴隷の首輪を作るには、かなりの魔力量と練度がいる。

 補正無しなら、実質的に作製不可と言っても過言ではない。

 B級スキルの『魔道具作製』あたりの補助が前提になってくる。


 次に、素材の問題。

 レアなモンスターから取れる魔物の素材を使用するため、非常に高価である。

 そんじょそこらの魔道技師や商人では、用意できない。


 そして最後に、作製手順が秘匿されていることである。

 奴隷の首輪は、非常に有用性の高い危険なアイテムだ。

 作製難易度の高さと素材の高価さは問題だが、逆に言えばそれらをクリアすれば誰にでも作れる可能性がある。

 大手の魔道技師や商人が大量生産を試みたりしないように、その作製手順は秘匿されているのだ。

 それを知る者は、各国の中でもかなり限られていることだろう。


「俺がこれを持っている理由なんざ、どうでもいいだろう? 現に、ここにあるのだからな」


 S級スキルを持ち、ブリケード王国の元第一王子である俺ならば、その3つの問題全てをクリアすることができる。

 だが、わざわざそんなことを説明してやる義理もない。


「ぐっ……」


 男が怯む。

 さぁ、ここからが提案の本題だな。

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