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61話 村に凱旋

 俺たちは盗賊共を引き連れ、アジトを出た。

 盗賊共は手や体をしっかり捕縛した上で、数珠つなぎにして歩かせている。

 足だけは自由にしているので、先導する俺たちに付いてくるぐらいは可能な状態だ。


 20人ほどいるので、後ろの方の奴がスキを突いて逃げても気づかないようにも思えるかもしれない。

 だが、その心配は不要だ。

 俺の探知スキルなら、集団から外れた者がいないかを把握できる。

 逃げ出した者がいれば、俺の身体能力や飛行能力ですぐに連れ戻せるし、魔法で狙い撃ちにして殺すことも可能だ。


 そもそも、手を拘束された状態で森の中を逃げ回ったところで、魔物に遭遇すれば命はない。

 どう転んでも、もはや盗賊たちに未来はないのだ。



●●●



 村が見えてきた。

 盗賊団のメンバーの半数以上を生け捕りにし、残りは殺害。

 そして、かつて討伐依頼に失敗し囚われていた女性冒険者2人を連れての凱旋である。


 村の入口に入ったぐらいのところで、数人の村人がこちらに気づき遠巻きに見てきた。

 少しして、慌てた様子の村長がやって来た。


「おお! お帰りなさいませ! それで、そいつらが?」


「ああ。そうだ。盗賊団のメンバーだよ」


 俺はそう言って、数珠つなぎになっている盗賊たちを指差す。


「こいつらは……。確かに、何人かは見覚えのある顔です」


「だろうな。この村を襲った連中だからな」


「…………」


 村長は無言になる。

 そして、拳を強く握りしめ、怒りに震えている。

 ミルカと同様、親しい者を殺されでもしたのだろうな。

 他の村人たちも同じだろう。

 ここは彼らの怨嗟を取り除くために、俺が一肌脱いでやることにしようか。

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