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48話 盗賊の男二人を撃破

 ミルカが盗賊の男二人に襲われている。

 俺は物陰からその様子を堪能させてもらっている。


「おらあ! おとなしくしろ!」


 男の一人が、ミルカの両手を彼女の頭上で押さえつける。

 彼女は抵抗するが、男の力に適うはずもない。


「いやああ!  た、助けてください! ライルさまっ!!」


 ミルカが泣き叫ぶ。

 しかし、男は止まらない。


「ライルってのは、お前の男か? こんな場所にいるわけねえだろ」


「違いねえ」


「ひっく……ぐしゅ……ライルさま、もう許してください……」


 ミルカが涙を流している。

 いいぞ。

 もっと泣け。

 どうも、ミルカの顔を見るとイジメたくなるんだよな。


「ぐへへ」


「さっさとやっちまおうぜ!」


「ひっ!」


 ミルカが顔を青ざめる。


「覚悟しろよぉ」


「ひいぃっ!」


 ミルカの顔が絶望に染まる。

 よし。

 そろそろ助けてやるか。


 別にこのまま最後まで眺めていてもいいのだが、俺の下僕にこれ以上手を出されるのも癪だ。

 それに、俺を舐めたミルカへの罰もそろそろ一段落させていい頃合いだろう。


「おい、何をやっている?」


 俺はゆっくりと近づいていく。


「な、なんだてめえはっ!」


「まさか、この女の仲間か!?」


 男二人が振り返って立ち上がり、慌てて戦闘態勢を取ろうとする。

 だが、遅い。


「【サンダーボルト】」


 バチッ!


「ぎゃあっ!」


「うわあぁ!」


 男は二人とも感電し、倒れた。


「ふむ。所詮は盗賊か。この程度で戦闘不能になるとはな」


 俺はそう呟きながら、倒れた男たちに近づく。

 今のは相当に手加減した魔法だったが……。

 少し威力が強すぎたかもしれない。


 一人の男は白目を剥いて、泡を吹いている。

 死んではいないようだが、しばらくは動けないだろう。


「ひぃい! た、助けてくれ!」


 おや?

 もう一人は、まだ意識があるな。

 だが、体が痺れて思うように動けないようだ。

 彼が這って逃げようとする。


 面白い。

 今度は、こいつで楽しませてもらうことにしよう。

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