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47話 特攻

 俺たちは二手に分かれた。

 リリアとアイシャはアジトの裏口方面へ。

 そして俺とミルカは、正面からアジトへ向かう。


「よし。お前が前を歩け」


「は、はい……」


 俺はミルカにそう命令する。


「くくく。盗賊団の殲滅が無事に終われば、たっぷりと褒美をくれてやる。そう、たっぷりととな」


 竜の加護を与えてやれば、こいつにも利がある。


「ひっ! あ、ありがとうございます……」


 ミルカはそう言って俺の前に出た。

 そして、そのまま歩き出す。


「ん? これは?」


「こ、これがアジトのようです」


 洞窟がある。

 その入口にはガラの悪そうな男が二人。

 盗賊団のメンバーで間違いないだろう。

 俺が先制攻撃でぶち殺してやってもいいが……。


「奴らが盗賊だという確証がほしいな……。よし、ミルカ。あそこまで歩いていけ」


「……え?」


「いいから行け!」


「ひぃ! わ、わかりました……」


 ミルカがよろめきながら、ゆっくりと進んでいく。

 しばらく進んだところで、男二人がミルカに気づく。


「なんだ、ありゃ?」


「おい、どうしたんだあいつ」


「げへへ。お嬢ちゃん、どうしたんだ?」


「魔物に襲われた冒険者ってところか? 俺たちが助けてやんぜ?」


 そう言いつつ、男たちはミルカに近づいていく。


「あ、ありがとうございます。助かります……」


 ミルカがそう答える。

 無難な受け答えだ。

 だが、ここまでのやり取りでは、男二人が盗賊だという確証が持てない。


「げへへ。もちろん、対価は払ってもらうぜ!」


 男が下卑た笑いを浮かべる。


「た、対価ですか? いったい何を……?」


「そんなの、決まっているだろうがよぉ! こうしてやらぁ!」


 男がミルカを地面に押し倒した。


「あ、ああっ! お許しを、お許しを!! だれか助けてぇ!」


「へへっ! こんな森の奥じゃ、助けなんて来るわけがねえだろうが!!」


「俺たち二人でたっぷりと可愛がってやるぜ! その後は、他の奴らにも味あわせてやるか!」


「そ、それだけはやめてください~!」


 ミルカが悲鳴を上げる。


「ふむ」


 俺はその様子を見て、ニヤリと笑った。

 作戦通りだ。

 あの男たちが盗賊だということは、半ば確定した。

 だが、面白いのでもう少し眺めることにするか。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ここまで読めた点 [気になる点] 最初はヘタれ 幼馴染を蘇生させようとするくだりまでは 主人公に共感は出来たが どんどん ゲスくなって行くwww 気持ち悪くなった [一言] クズの王の第一…
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